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新型コロナ QR 22年34週(8/20-26)

毎週報告しているクォータリーリポート(QR)です。34週は悪い方の予想が当たった。日本の新規陽性数は前週比で再び増加に転じ、過去最高を更新した。原因を調べているうちに、昔懐かしい実効再生産数についてあららっというようなデータが見つかった。A章で解説する。また、日本だけでなく、いくつかの国で感染拡大が始まった。こちらの詳細はB章で考察する。

A. 実効再生産数はもはや有効な指標ではない

東洋経済オンライン(https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/)によれば、実効再生産数は「1人の感染者が平均して何人に感染させるか」を表す指標である。しかし過去のデータを使って計算しているので「させたか」が正しい解釈である。1より大きければ感染者が増加したことを、1より小さければ感染者が減少したことを意味する。また、数字が一から離れれば離れるほど、増加/減少の程度が大きい。

A1. 6月の実効再生産数が低すぎる

次のグラフは22年の日本の実効再生産数(赤)と新規陽性数(青)の時系列グラフである。

グラフで6週目にピークが初期型オミクロン株による第6波、30週目以降のより大きなピークがBA.5型オミクロン株による第7波である。これらの波のピークの少し前に、実効再生産数はピークになる。ところで、実効再生産数の値は初期型の頃は2近くまで上がっているが、BA.5型では1.24が最高だった。また、19週にBA.5型のピークとほぼ同じくらいの実効再生産数のピークがある。この時は新規陽性数はあまり増えなかった。新型コロナ分科会の研究者たちは、BA.5型は初期型ほど酷くはないと考えたのではないだろうか。だから、尾身会長も行動制限はしなくても良いなどど初戦したのだろう。ところが、知っての通り、第7波は第6波よりもはるかに大きなものであった。

なぜ、第6波よりも大きい第7波で、実効再生産数が第6波よりも小さくなったのか。

A2. 陰性の陽性者、未検査の陽性者が感染拡大を広げる

簡単に言えば、実効再生産数は新規陽性数の前週比にちょっと加工したものである。新型コロナの場合、陽性と判明すれば隔離されるので、新規ではない陽性者、つまり、現在治療中の者からは感染しないからである。なので、新規陽性者数のみを観察していだけでよかった。

ところが、この状況が変わった。

まず、日本は6月以降(22週以降)、入国者の検査をを90%近く減らした。その結果、QR の推定で、毎週1000人以上の陽性者が、空港検査を受けることなく入国している。ほとんどの入国者は入国72時間に陰性証明を受けているので、いわば、陰性の陽性者が国内に増えていることになる。さらに、彼らは、ワクチン接種も完了しているので、よもや自分が感染しているとは思っていない。しかし、ウイルスを持っているので、他人には感染させることが可能である。したがって、ワイワイと感染を広げてしまう。19週の時点では入国者は全員検査だったので、陰性の陽性者が市中に出回る可能性は低かったが、30週の時点ではそうではなくかった。

また、国内では検査陰性率が上昇している。



6月以前は平均すると30%ほどだったが、7月以降は70%以上になった。これは検査をすると高確率で陽性と判明するということだが、実態はいかにも感染していそうな人に限定して検査をしている、ともとれる。本当は陽性なのに、症状がないあるいは軽いということで検査をしないままでいるものが多くいる可能性がある。彼らは未検査の陽性者である。陰性の陽性者同様、未検査の陽性者からでも十分感染の可能性は考えられる。

さらに、岸田首相は先の会見で、症状の軽い感染者の隔離を原則廃止する方針を打ち出した。しかし、症状の軽い感染者は、抵抗力があるからで、十分に他人に感染させるだけのウイルスを持っている可能性はある。すでに陽性と確認された者、すなわち治療中の者からも感染する可能性を考える必要がある。

実効再生産数は新規陽性者しか考慮しないので、今後は、有効な指標ではないと考えられる。実効再生産数のマイナスが続いているのに、新規陽性者数が増えるというケースが出てくる可能性もある。

A3. 拡大係数を使っていれば、第7波は防げた

そこで、QRでは症状の軽い新規でない感染者を含めた、再生産数の提案をしたいと思う。現在は単純い拡大係数(レート)と呼ぶことにする。拡大係数は過去3週間の平均の新規陽性者数をその3週間の平均の回復者数で割った値である。 数学的には一人の感染者が回復いた時に、新たに確認された陽性者の数を表す。係数が1より大きければ、新たに感染した人の方が回復した人より多くなるので拡大傾向、1より小さければ、新たに感染する人の方が、回復する人よりの少なくなるので減少傾向になり、実効再生産数と同じである。過去3週間の平均にしたのは、世界では1~2週間に一回しか統計を更新しない国領土があるからである。例えば日本では、34週の拡大係数は1.02だった。100人回復した時に102人が新たに感染者となるので、治療者数は少し増えたことになる。

下のグラフは日本の22年の拡大係数(赤)と新規陽性数(青)の時系列グラフである。

21年のデータが必要なので、今回は計算する時間がなかったが、初期型の頃の拡大係数は2.00以上と高い。実効再生産数でピークとなった19週前後に、拡大係数のピークはあるものの、数値は1.00以下なので、むしろ減少中である。したがって、この時は特別な対策は不要だった、ところが、BA.5型では29週にピークとなるが、拡大係数は2を超えた。もしこの数字を使っていれば、行動制限をしなくても良いなどという発言は出なかっただろう。そうなれば、第7波も発生しなかった、あるいは、発生したとしても、初期型ほどではなかったかもしれない。

A4. 世界の拡大係数

拡大係数は回復者数を使うので、回復者数を公表していない国では計算できないのが欠点である。そこで、陽性者数も回復者数も0ならば、n,a と表した。この国領土では、誰も感染していない(なので必然的に回復者もいない)ので、ほぼ感染がおさまりつつあると考えられる。ただし、まだ治療者数者は0でないところも多い。北朝鮮やニカラグアなど20国領土が個に該当する。世界には回復車週を発表していないところが18国領土あるが、これらの国領土の回復者数は便宜上0になるが、先のケースとは別に扱うことにし、係数を s.c で表した。感染が拡大傾向のところも多い、

陽性数が0ではないが回復者数が0の時は 拡大係数を ∞ で表した。コスタリカやオマーンなど20国領土がこれに該当する。誰も治っていないとも取れるが、回復者数が0ということは、新規の感染者がそれほど多くないとも考えられる。それゆえ、感染がおさまりつつあるところも少ないくない。

各国の拡大係数はC章の治療中の者の数のデータに付加したので、そちらを参照されたい。次の表は34週の拡大係数の高い上位20国領土である。

∞ を除いて、拡大係数の最も高いところは、ポーランドの693.41人である、これは一人が回復した時に新たに700人近くが新規陽性者として確認されているということである。治療者数が大きく増えている。ポーランドでは、すでに感染者の隔離をやめたのかもしれない。

拡大係数が1以上のところは40国領土がある。一方、130国領土で拡大係数は1未満である。34週の世界の拡大係数は 0.79 なので回復者の方が多くなっている。

感染状況から見て、拡大係数が1.5以上になれば、なんらかの対策が必要になると考えられる。現在世界には拡大係数が1.5以上のところは17国領土ある。また1.5未満でも拡大係数が上昇中なら、今後感染拡大の可能性が考えられる。

B. オセアニアとアフリカの中央部で感染拡大

QRは最近の傾向と近い将来の予測に、直近数週間の陽性数の増減と伸び率の増減を使った確率モデルを用いている。その結果をトレンドとして、茶、赤、橙、黄、緑、青、薄青、白の8つのレベルに分類している。赤が最も感染拡大の可能性が高く、この順に拡大の可能性が低くなる。茶は今週突然に急増したところで、拡大する確率は50%ほどである。

下の地図は最新のトレンドである。凡例の( )内が各レベルに属する国地域の数である。

日本が赤レベルになった。密かに台湾と香港も赤レベルになった。東ティモールは茶色レベルの急増である。また、ブルネイで黄色レベル、東ティモールで茶色レベルの急増になった。アフガニスタンも赤になった。

オセアニアではトンガのレベルが赤になった。サモアでは茶色レベル、パラオでは黄色レベルの急増があった。

アフリカでは引き続きチャドとニジェールで赤レベルである。今週は、左隣のマリが赤に、右隣尾中央アフリカが黄色になった。また、サントメプリンシペ、セントヘレナ、ガーナで黄色レベルの急増があった。

アメリカ南北カリブ海では、ウルグアイが赤レベルになった。ハイチで茶色レベルの、エクアドル、ドミニカ共和で黄色レベルの急増があった。

ヨーロッパではウクライナとマン島が赤レベルになり、ポルトガルとアイスランドで黄色、レベルの急増があった。

C. 7期連続で新規陽性数が5000万人越え

世界の22年33週の新規陽性数は 511万8980人だった。今週もコスタリカやフィンランドなどで引き続き大きな修正があり、32週の新規陽性数は先週発表した数字より少し増えた。修正後は前週比で3.1%減となった。これで4週連続の減少である。人口100万人あたりの陽性数は91.9人だった。34週の死者数は1万5681人だった。やはり修正により、32週、33週の死者数が増えたので、今週は前週比で6.8%の減少となった。人口100万人あたりの死者数は0.28人だった。下のグラフは22年の世界の感染図である。


C1. 先進国ほど感染率が高い

22年3期の陽性数は5025万3832人だった。これで、22年2期から7期連続で新規陽性数が5000万人を超えている。3期は2期に比べ約30%ペースが大きいが、先週より少しペースが落ちた。今までの累計累計陽性数は6億0480万1182人となった。世界でこれまでに7.6%が新型コロナに感染したことになる。

下の地図は世界各国の22年8月末までの感染率である。

最も感染率が高いのはフィンランドで138%である。確実に、新規ではない陽性者も新規陽性として数えている。他のヨーロッパ各国が30~50%の感染率なので、フィンランドの感染率もそのくらいではないかと推測される。だとすると、ギンランドでは何回も新型コロナに感染する人がいるということになる。たとえば、20年末にアルファ株に感染して、21年末にオミクロン株に感染して、22年夏にBA.5型に感染したものもいるかもしれない。

フィンランドを除くと最も感染率の高いのがフェロー諸島の70.4%である。人口が31万人のところ。1日に最大で約3万人の治療中の者がいたこともある。

感染率が50%以上のところはは17国領土あるがそのうち11国領土がヨーロッパ西である。同じヨーロッパでも東はスロベニア1国しかランクしていない。ヨーロッパ西以外では、フォークランド諸島(イギリス領)と、マルティニク、サンピエールミケロン、サンバルテルミー、レユニオンのフランスのフラン手の海外領土である。フランス本国の感染率も52.5%と高く、フランスの感染対策の酷さが目に余る。

地図を見てわかるように、一般に、一人当たりGDPの高い国領土は感染率が高く、そうでないところは低い。

22年3期の死者数は12万5368人となった。前期に比べ14%ペースが早く、先週よりペースも上がった。3期の致死率は0.25%とまた上昇した。22年の死者数は100万5131人となった。累計の死者数は648万5647人で、累計の致死率は1.07%だった。

C2. 陽性数では日本、人口100万人あたりの陽性数では韓国とマーシャル諸島

34週は世界57国で陽性数が増加した。先週より8国多くなった。セントヘレナでは60週間ぶりに新規陽性が確認された。セントヘレナを含めて、13国で伸び率が無限大になった。無限大以外で伸び率が最も高かったのはハイチの770%増だった。一方、140国で陽性数が減少した、トルコ、グアドループなど13国領土で陽性数が0になった。トルクメニスタン、ピトケアン、トケラウは今までの陽性数が0をであり、西サハラは2年以上、セントヘレナは1年以上陽性者が出ていない。バチカン、フェロー諸島、エジプト、グリーンランド、ニカラグアでは3ヶ月以上新規陽性数0が続いている。

次の表は34週の陽性数が多い20国の感染状況である。リストは、国名、地域、今期の陽性数順位(赤字は順位上昇、青字は下降)、Worldometer の累計陽性数順位、今期の陽性数、今期の陽性数ペースの前期からの伸び率(マイナスは減少)、今週の陽性数、今週の人口100万人あたりの1日平均の陽性件数、今週の陽性数の前週比伸び率(マイナスは減少)、連続陽性数増減週数(マイナスは減少週数、 tXX は陽性数同数の週数、zXXは陽性数0の週数、zzz等は2年以上陽性数0)、32週のドレンド(色訳はB章の地図と同じ)、今期の死者数順位、今期の死者数、今期の死者数ペースの前期からの伸び率(マイナスは減少)、3期の致死率、今週の死者数、今週の人口100万人あたりの1日平均の死者数、今週の死者数の前週比伸び率(マイナスは減少)、連続死者数増減週数(マイナスは減少週数、 tXX はXX週間死者数同数、zXXはXX週間死者数0、zzz等は2年以上死者数0)である。

日本は5週連続で一位を維持している。先週は10週間ぶりに減少したが、今週は増加となった。

次の表は最新の人口100万人あたりの1日平均の陽性数が多い国地域の20位までのランキングである

今週の一位は先週に引き続きマーシャル諸島で、1万2915人だった。先週から30%以上下がった。マーシャル諸島の感染とりあえずピークを超えたと思われる。3期の陽性数が10万人以上ぬに地域では韓国の2233人が最多である。

マーシャル諸島と韓国に加え、日本など6国領土で人口100万人あたりの1日平均の陽性数が1000人を超えている。先週から3国領土少なくなった。また、100人以上1000人未満は62国領土であるが、先週より10少なくなった。

次の表は22年3期の陽性数が多い20国の感染状況である。

ロシアが順位をじわりじわりと上げている。

C3. 死者数はアメリカ、人口100万人あたりではマーシャル諸島とニュージーランド

22年3期の死者数は12万5368人となった。前期に比べ14%ペースが早く、先週よりペースも上がった。3期の致死率は0.25%とまた上昇した。22年の死者数は100万5131人となった。累計の死者数は648万5647人で、累計の致死率は1.07%だった。

33週は53国領土で死者数が増加した。キューバで15週間ぶりの死者が出た。キューバを含めて17国地域で伸び率が無限大となった。伸び率が無限大でないところの最高はエクアドルのの1700%増だった。エクアドルは陽性数も今週急増したので、感染拡大が始まったかもしれない。

また、19国で死者数が0になった。累計死者数が0のところはバチカンなど8国地域、西サハラは2年以上、ウォリスフツナとブルンジは1年以上死者数0を続けている。このほかにジブチなど44国地域で3期の死者数0を続けている。

次の表は22年33週の死者数が多い国地域の20位までのランキングである。

驚いたことにアメリカで死者数が先週よりも増えた。伸び率も約10%と結構高い。アメリカ以外にも、日本、韓国、ロシアなどでも死者数が大きく増えた。

次の表は22年最新の人口100万人あたりの1日平均の死者数が多い国地域の20位までのランキングである。

先週に引き続き、マーシャル諸島が最も多いが、7.1人で先週の約3分の1に減った。新規陽性数10万以上のところで最も多いのは、ニュージーランドで3.3人である。また、ヨーロッパ東が多くリストされている。

次の表は22年3期の死者数が多い国地域の20位までのランキングである。

日本の死者数順位は先週の6位から4位に上がった。このペースなら、来週はイギリスを抜いて3になりそうである。ちょっと助監はかかるかもしれないがブラジルを抜く可能性もある/

C4. 治療者数はアメリカ、人口100万人あたりの治療者数はケイマン諸島と韓国

22年34週現在で治療中の者の数は世界で少なくとも1700万9971人いる。治療者数を発表していない国も多いので、実際の治療者数はこれより多い。前週比で 8%の減少となった。次のグラフは世界の22年の治療中の者の数と新規陽性数の推移である。

下の表は今週の治療者数の多い国地域の20位までのランキングである。表は国名、地域、今週の治療者数、その人口100万人あたりの1日平均、その前週比伸び率、連続増減週数、累計の回復率、今期の回復者数、その前期比伸び率、今週の回復者数、その前週比の伸び率、連続週数増減、拡大係数(レート)、今週の重症者数、その前週比伸び率、連続週数増減である。

アメリカの一位が続いている。二位韓国の陽性数は減ったが、治療者数は増加している。韓国ではしんがtコロナに感染したら治りにくいのだろうか?三位日本も治療者数を増やしたが、陽性数ほどではない。。ロシアと香港は伸び率が大きく、ポーランドとコスタリカは伸び率は小さいが、3ヶ月以上増加が続いている。

58国領土で治療者数が増えた。セントヘレナは今週60週間ぶりに新規陽性者が確認され、そのまま治療中になった。したがって伸び率無限大である。無限大以外で最大の伸び率はブルネイの1184.2%増だった。また、ニジェール、トーゴ、サントメプリンシペで伸び率が100%以上だった。

陽性数と違って、治療者数は長く増え続けているところが多く、カリブ海のサンマルタン、ケイマン諸島、仏領ギアナ、スリナム、アフリカのチャドでは今年になってから治療者数がずっと増え続けている。10週以上連続で増加となっているところも、ヨーロッパ東、中東、カリブ海沿岸、アフリカに21国ある。

グリーンランドやニカラグアなど30国領土で治療者数が先週と同じであった。グリーンランドでは9189人が23週間、ニカラグアでは1万4041が20週間、エジプトでは4万8850人が19週間位わたって治療が続けられているが、いまだに誰一人として回復していない。

113国領土で治療中の者の数が減少した。。バチカンと西サハラは19週間、北朝鮮は4週間、治療者数0が続いている。

現在治療者数の発表をためているところは、トルコなど18国領土ある。トルコとチュニジアを除いて回復率は低い。マルティニクは0.05%、グアドループでは1.21%しかない。

下の表は32週の人口100万人あたりの治療者数の多い国地域の20位までのランキングである。

最も多いケイマン諸島では、人口100万人あたり毎日31万8710人の治療者がいる。つまり、人口の30%が治療中である。通常ならば、隔離されているので、ケイマン諸島の生活がうまく回っているか懸念される。10万人以上の陽性者数がある国地域では韓国が最も高い。

C5. 重症者数はブラジル、しかも2年以上重症のまま

33週の世界の重症者数は4万43615人で、先週よりも0.9%減少した。2週間連続の減少である。次のグラフは22年の重症者数の推移である。

下の表は32週の重症者数の多い国地域の20位までのランキングである。

日本は先週の17位から16位へとランクを上げた。しかし、8週間ぶりに重症者数は減少した。重症者数はブラジルのように長い間同じ数字をキープしているところが多い。重症週をきちんと数えていないか、重症者が治るか亡くなるかして減少すると同じ数だけ重症化するのか、重症者も面子が全く変わらないかのいずれかである。きちんと統計をとっている国の中ではアメリカが4391人で世界で最も重症者数が多い。

C6. 回復者数は日本、人口100万人あたりではマーシャル諸島と韓国

34週の世界の回復者数は605万0320人で、先週よりも10.4%減少した。新規陽性者数が減少したので、回復者数も減少したと考えられる。人口100万人あたりの回復者数は108.7人だった。

今までに約6億人が新型コロナに感染したが、その95.7%が回復した。

下の表は34週の回復者数の多い国地域の20位までのランキングである。

34週の回復者数が世界で最も多かったのは日本で、137万2782人が回復した。前週比24%増である。これで6週連続で回復者が増えている。また、先週の治療者数のうち、70%が回復した。

下の表は最新の人口100万人あたりの回復者数の多い国地域の20位までのランキングである。

最新の人口100万人あたりの回復者数が世界で最も多かったのは、マーシャル諸島の1万7395.8人だった。先週まで急速に感染者が増えていったが、今週は急速に回復しいる。先週1の日本は4.5%減の1612.6人で、韓国とトンガに抜かれて四位になった。マーシャル諸島と韓国は回復社数も増えたが、拡大係数がまだまだ高いので、警戒が必要である。

下の表は3期の回復者数の多い国地域の20位までのランキングである。

3期の回復者数が世界で最も多かったのはアメリカで、547万4777人が回復した。日本は二番目に多い。このペースで行けば、来週には日本が一番多くなると思われる。回復者数が多いのはいいことだが、浦尾返せば、感染者数が多いということでもあるので、あまり、褒められたことではない。

D. 日本の接種回数は中国を超えそう

22年34週の世界のワクチン接種回数は前週比で4.2%増加して、6291万0798回だった。このうちの54.7%に当たる3439万3487回がブースターだった。ブースターは前週比0.1%減になった。次のグラフは世界の22年のワクチン接種回数(赤)とブースター回数(茶)の推移である。

22年3期の総接種回数は3億9927万9215回となった。2期に比べると接種のペースは5.9%下がった。これまでの総接種回数は約125億5459万回弱となった。ワクチン完了者は約49億1791万人を超えで、完了率は61.8%である。四回目接種も含んでいるので正確ではないが、過完了率は、30%を超えた。完了者の半分は三回以上接種している。

一方、未接種者は26億0238万人いる。次のグラフは未接種者の分布である。

未接種者の23%はアジア中にいる。アジア中はあれだけワクチン接種をしているのに、未接種が最も多い。アジア中を含むアジア全体に42%、アフリカ全体に39%いる。アジアアフリカが80%以上を占める。

今週は123国領土で接種が行われた。そのうち、69国領土で接種回数が増加した。ケニアとウズベキスタンでは8週間ぶりに、サウジアラビアでは7週間ぶりに接種が再開された。ケニア、ウズベキスタン、サウジアラビアを含めて先週接種の報告はなかったが、今週は接種があったところは24国領土あった。一方で82国領土で接種回数が減少した。バングラデシュやネパールなど28国領土で接種回数が0だった。北朝鮮など14国地域は今までに全く接種をしたことがない。60国領土で3週間以上接種が止まっている。ただし、モザンビークは接種回数は0だが、ブースター回数は0ではないので、ブースターを接種回数とは数えていない可能性もある。もしかするとそのように数えている国はモザンビークの他にもあるかもしれない。

D1. 接種回数はインド、人口100万人あたりの接種回数はウズベキスタン

次の表は22年34週のワクチン接種回数上位20国地域の接種状況である。

項目は国名、地域、完了率、未接種人数、22年3期の接種回数、その前期比伸び率、今週の接種回数、その人口100万人あたりの1日平均、その前週比伸び率、過完了率、22年3期のブースター回数、その前期比伸び率、今週のブースター回数、その前週比伸び率、拡大係数である。

先週1位のインドは34週に約1889万7911回の接種をし世界1位をキープした。先週より5.6%増加させた。そのうちの84%に当たる1592万5277回がブースターだった。二位は8週間ぶりに摂取再開したウズベキスタンで783万6817回接種した。先週二位のベトナムは9.2%減の567万2115回接種で三位だった。日本は先週よりも47.8%接種回数を増やし、423万1437回の摂取をして四位になった。五位ケニアも8週間ぶりの接種再開で、238万4770回摂取した。

下のグラフは大陸別の34週の接種回数の割合とブースターの割合である。

今週は世界のワクチンの約半分がアジア中で接種された。アジア東と中とで70%になる。世界のブースターの約6割がアジア中で接種された。アジア東と中とで80%になる。

次の表は22年34週の人口100万人あたりのワクチン接種回数上位20国地域の接種状況である。


ウズベキスタンが3万2439.6回で最も多かった。ウズベキスタンの過去の接種回数は2000~4000回なので、毎週コンスタントの接種をしていなかったが、何らかの理由で発表せず、今回過去8週間分の接種回数をまとめて発表した可能性が高い。

次の表は22年3期のワクチン接種回数上位20国地域の接種状況である。



中国は多少上下はあるが接種回数を減勝させている。’一方、日本は第7波の影響せ接種回数をうんと伸ばした。このペースでいけば、来週にも日本の3期の接種回数は中国を超える。

D2. ブースターはインド、

次の表は22年32週のブースター回数上位20国地域の接種状況を表している。

最もブースター回数が多いのはインド、次が日本であるが、三位にウズベキスタンが入った。おそらくこの数も過去8週間合計だろうと推測される。接種回数におけるブースターの割合は約3分の1と低い。

次の表は22年3期のブースター回数上位20国地域の接種状況を表している。

E. サル痘は更新なし

F. 陽性数も死者数も過去最高

日本の22年34週(8/13-19)の新規陽性数は156万0744人で、先週より16.8%増加した。今までの過去最高だった、32週を超えて、過去最高となった。これは1週間の記録としては世界20位に相当する。下の表は1週間の新規陽性数のランキングである。

最大数は22年の1~13週に集中しているのでオミクロン株初期型が中心の記録であるが、日本だけはBA.5型が中心である。まるで王貞治氏の日本プロ野球での本塁打記録の中に突如として入ってきた村上宗隆選手のようである。

最新の人口100万人あたりの新規陽性数は1774.6人で、マーシャル諸島、韓国に次いで世界で3番目に多い。

34週の日本の死者数は1963人で、先週過去最高を更新したばかりだったが、また更新した。これで、7週連続の増加である。前週比で15.7%増であるが、伸び率は下がってきている。このペースならしかし最新の人口100万人あたりの死者数は2.2人で、世界で11番目に多い。3期の陽性数が10万人以上いる国の中では、ニュージョーランド、オーストラリア、に次いで世界で3番目に多い。

下のグラフは日本の感染図である。

F1. 陽性数:3期だけで1000万人

日本の22年3期の陽性数は865万4277人だった。このペースで行けば、22年3期の新規陽性者数は来週にも1000万人を超えると思われる。3期はまだ後1ヶ月残っているので、最終的には1500万人近くまで行くかもしれない。22年の新規陽性者数も1625万0472人となり、21年全体の新規陽性数の10倍以上になった。累計の陽性数も1798万3707人となった。日本国民のおよそ14%が感染したことになる。第3期が始まる前は7%だったので、わずか2ヶ月で倍増になった。おそらく36週には新規陽性数が2000万人を超えると推定される。

日本の22年3期の死者数は6916人だった。このペースで行けば、36週には、22年3期の死者数が1万人を超えると思われる。3期の致死率は0.08%と低いが、陽性者数が多いので、死者数も多い。また22年の死者数は1万9804人となり、20年と21年の死者数を合わせたものより多くなった。来週には確実に22年の死者数が2万人を超えるだろう。累計の死者数も3万8197人となった。早ければ来週には4万人を超えると推定される。累計の致死率は0.81%である。

日本で34週に治療中だった者の数は208万3694人で、先週から7%増加した。アメリカ、韓国に続いて世界三位の多さである。人口100万人あたりの治療中の者の数は1万6584.0人で、世界23位である。3期の陽性数が10万人を超える国地域の中では、6番目に多い。下のグラフは日本の陽性数と治療者数の時系列グラフである。

重症者数は前週からで一人(0.2%)減少し、626人となった。世界では十七番目に多い。下のグラフは日本の重症者数と死者数の時系列グラフである。

死者数と重症者数は大体同じくらいの数で数位しているが、ここ3~4週間は死者数は大きく増えたが、重症者数は伸びが止まった。このことから、BA.6型では死者数が多くなっていると思われる。実際3期の致死率は上昇中である。

日本の34週の回復者数は141万1829人だった。前週比で4.5%減少し、6週続いた連続増加も止まったが、世界で最も多い。人口100万人あたりの1日平均の回復者数は1612.6人でマーシャル諸島、韓国、トンガに続いて世界4位である。下のグラフは日本の新規陽性数と回復者者数の時系列グラフである。

F2. 初期型との比較

下のグラフは日本の初期型とBA.5型の新規陽性数(左上)、死者数(左下)、治療者数(右上)、重症者数(右下)の推移に比較である。初期型は21年52週を、BA.5型は22年24週を0週とした。正確には初期型が多数を占める時とBA.5型が多数を占める時の新規陽性数などの比較である。

新規陽性数と治療者数は先週減少に転じたものの、今週は増加となった。死者数は増加が続いているが、重症者数は伸びが止まった。

下のグラフは日本の初期型とBA.5型の致死率の推移を表している。

BA.5型の致死率は、初期型の半分くらいになりそうだ。しかし、感染者が多いので、死者数は初期型を上回った。

下のグラフは日本の初期型とBA.5型の回復者数の推移を表している。


BA.5型は感染者も多いが、回復者もおい。


F3. 空港検疫の陽性数はなかなか下がらない

34週の空港検疫での陽性数は231人で、前週比14.4%の増加だった。ようやく増加が止まったと思ったら案の定再び増加となった。次のグラフは、日本の空港検疫の陽性数(灰色)と国内の陽性数(青)の推移を表している。

3期に入って最も多かった30週の陽性数には届いていないので、上限に達したと思われる。したがって、来週以降は新規陽性数は再び減少に向かうと考えられる。

F4. 今のワクチン接種はほとんどが四回目

日本での34週のワクチン接種回数は423万1473回で、前週比47.8%の増加となった。全接種回数の97%にあたる411万2851回のブースターを行った。GitHub では3回目と四回目以上の区別をしていないが、首相官邸のホームページによれば、34週(8/19-26)の間に、374万8362人が四回目をしたということなので、全接種回数の88.5%が四回目接種ということになる。

次のグラフは、日本のワクチン接種回数(赤)とブースター数(茶色)の推移である。

次のグラフは、日本のワクチン接種回数(赤)と陽性者数(青)の推移である。

人口、陽性件数、死者数はWorldometer のものを、ワクチン接種回数などは Github のデータを利用している。Worldometer や Github で扱っていない国地域の統計は Google のデータを用いる。北キプロスの陽性件数と死者数は、政府の発表するデータを用いる(https://saglik.gov.ct.tr/COVID-19-GENEL-DURUM)。面積、GDP、地図、その他の情報はウィキペディアと外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html)を利用している。それ以外のもの、例えばニュースや論文に関しては出典を本文に記す。数値はアメリカ中部時間の8月31日22時時点で得られた最新の値を利用している。それ以降に修正あるいは追加されたデータは含めない。従って、他の新型コロナ統計サイトの数値とは異なることもある。修正あるいは追加されたデータは過去の号の統計にも反映させているので、今号の統計とは異なるものもある。データの違いが大きくなる修正は本文で言及している。テーマ地図は mapchart.net のサービスを利用して作成している。


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