COVID-19 Quarterly Report 2022 Week 43−44(10/22−11/04)22年3期ワクチン接種状況

22年3期の世界および日本の新型コロナの感染状況についてまとめている。Week 39 で新規陽性数、死者数、Week 40 で治療者数、重症者数、Week 42 で回復者数とまとめてきて、今回は3期のワクチンの接種状況とその効果をいろいろな統計から考察した。

また、再び感染拡大傾向となったので、世界と日本の感染状況を加えた。

A. アフリカで1〜2回目、アジアで3〜4回目が増加

ワクチン接種回数は Github のデータ(https://github.com/owid/covid-19-data/tree/master/public/data/vaccinations/country_data)を利用している。Github では世界223国領土の累計の総接種回数、総接種人数、総完了者数、総ブースター数をリストしている。QRでは これら223国領土のうち、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドを除いた219国領土と現在リストから外されたパラオを含めた全220国領殿のワクチン記録を解析している。

Github にはリストされているトルクメニスタン、トケラウ(新)、ピトケアン(英)は新型コロナ患者は一人も出ていないので Worldometer にはリストされていない。セルビア、コソボ、キプロス、北キプロスは Github では別々に集計されているが、Worldometer ではセルビア+コソボ、キプロス+北キプロスとして同一国家として陽性数などが計上されている。QRでは基本的に別国家として解析しているが、参考記録として合計したもののもせている。また、イギリス領のガーンジー島とジャージー島も Github では別々に集計されているが、Worldometer では陽性数などがチャネル諸島としてまとめて集計されている。

一方、22年9月30日時点Worldometer にリストされている国地域のうち、ダイアモンドプリンセス、MSザーンダム、北朝鮮、エリトリア、マーシャル諸島、ミクロネシア、バチカン、ギアナ(仏)、グアドループ(仏)、マルティニク(仏)、マヨット(仏)、レユニオン(仏)、サンマルタン(仏)、サンピエールミケロン(仏)、サンバルテルミー(仏)、西サハラ(スペイン)の2船5国9領土はGithub に一度もリストされたことがない。これらの国領土では接種が行われていないとする。

同じく Worldometer にリストされているパラオは21年2月に数回接種を実施して以降全く報告がなく、22年4月10日を最後に GitHub からも見限られてしまった。しかし、接種を実施したという実績があるので接種国として扱う。

GitHub では新しい数値が過去のものより低い場合、個々のデータを修正するか辻褄の合うところまでを全て消去する。修正された場合には修正値を、消去された場合には消去されていない値の中で最も新しい値を用いて解析する。ただし、ハンガリー、ブルガリア、カザフスタンの接種回数などは接種人数などから推測された値を用いる。

A1. 3期の接種回数は2期よりも減少

22年3期は世界全体で6億6687万9093回の接種が行われた。22年2期に比べて17%減少した。下のグラフは最近1年間の接種回数の推移である。

22年3期は最も接種回数の多かった21年4期の約4分の1になった。また、2022年は3期末の39週までに35億8530万2215回接種を行った。

次のグラフは大陸別の22年3期の接種回数を表す。

最も接種回数が多かったところはアジア中で 3期だけで3億回近く接種しいる。2番目はアジア東の1億5千万回、3番目はアフリカ西の4246万回である。アフリカは長らくワクチン接種が遅れていると言われてきたが、ここのところ、接種回数が増えている。ヨーロッパは1860万回でアフリカのどの地域よりも少ない。

次のグラフは、各大陸の接種回数のシェアで、外側が22年3期、内側が2期のものである。

22年3期は世界のワクチンの44%がアジア中で接種された。アジア東も23%で、アジア全体では70%になる。アフリカは3地域合わせて14%になった。昨年の今頃ワクチンを独占していると批判されたヨーロッパは5%、アメリカは12%のシェアだった。

2期と比べると、アジア中、アフリカ西、南でシェアをほぼ倍増させた。ヨーロッパ東、カリブ海もシェアを増やした。一方、アジア東は2期は世界摂取の3分の1以上を占めていたが、かなり減少した。ヨーロッパ西、アジア西はほぼ同じ、アフリカ東、アメリカ北、南もシェアを落としたアフリカ東はシェアが半減した。また、ヨーロッパ東とカリブ海もシェアを増やした。

A2. 接種率67.8%、完了率62.4%

22年3期末までの総接種回数は127億4790万3395回となった。54億3640万0229人がワクチンを少なくとも1回接種し、接種率は67.6%になる。ワクチン接種を完了した者は49億9935万0816人で、完了率は62.3%だった。平均すると接種者は一人当たり2.3回接種した計算になる。

次のグラフは大陸別の22年3期末の完了率を表す。

最も完了率が高いのはアジア東で82%になる、ついでヨーロッパ西の78%、アメリカ南の76%。アメリカ北の66%、アジア中の65%と続く。ここまでが、完了率の世界平均の63%を上回っている。次のグラフは大陸別の完了率の推移である。


アジア中とアフリカ3地域で完了率が急上昇している。
ヨーロッパ西は13週時点で完了率が80%近く、この半年でほとんど完了率は変わらなかった。しかし、同じく80%近かったアジア東は完了率が80%を超えた。成田悠輔氏風に言えば、ヨーロッパでは接種をしない自由があるが、アジアでは無理矢理にでも接種をさせるということか。アメリカ南に完了率が高買ったが増加した。

下の表は大陸別の完了率の分布である。

世界には完了率が90%を超えるところが、ブルネイ(100%)、アラブ首長国連邦(97%)、カタール(94%)、ジブラルタル(123%)、マルタ(106%)、チリ(92%)の6国領土ある。( )の数字は完了率である。完了率が70%以上のところは74国領土あるが、42国領土がアジア東、ヨーロッパ西、オセアニアに偏っている。

接種はしているが完了率が30%未満のところは世界に45国領土あり、32国領土がアフリカである。

A3. 未接種者は世界に25億人いる

世界には22年3期末の時点で25億6098万7617人の未接種者がいる。次のグラフは大陸別の22年3期末の未接種者数を表す。

接種回数の最も多いアジア中が未接種者数が世界で最も多く6億0435万6070人いる。ついで、4億1176万人以上のアフリカ西、3億4000万人弱のアジア東、約3億人のアフリカ南、2925万人のアフリカ東と続く。反対に未接種者数が最も少ないのはオセアニアである。それでも1896万人ほどいる。カリブ海は2000万人強、ヨーロッパにしが約8200万人の未接種者がいる。

次のグラフはた未接種者(外側)と接種者(内側)の大陸別分布である。

世界も未接種者の23%はアジア中にいる。アジア全体で42%、アフリカ全体で39%、合わせて81%になる。つまり、未接種社の5分の4はアジアまたはアフリカにいる。

また、アジア中の接種者は世界の27%を占めるが、未接種者は23%とアジア東よりも多い。これだけワクチンを独占してもまだまだ行き渡らない。

次の表は3期末の時点での未接種者数のランキングである。

接種回数の最も多いインドで未接種が世界で最も多く、国民の27%に当たる3億8408万7571人が9月30日時点で未接種である。これは、日本の人口の約3倍に当たる。インドの接種回数が多いのは、未接種者が非常に多いからであると考えられる。

2番目はナイジェリアの1億6853万4887人で、国民の77%が未接種である。ナイジェリアは日本より2週間遅い21年3月4日から接種を開始した。アフリカでは比較的早い方である。ナイジェリアでは、一時期モデルナを接種していたこともあるが、アストラゼネカのみを接種している。ナイジェリアは21年4期以降急激に接種回数を増やし、22年3期には世界6位の接種国となった。

3番目は中国で、これまた日本の人口より多い1億3655万0776人が未接種である。国民の9.5%が未接種である。中国の完了率は3期終了時点で88.3%あり、ほとんどの人が接種を完了した状態と言えるが、実はまだまだ未接種者は多い。

上位ではアジアとアフリカの国が多いが、アメリカが8位、ロシアが9位にいる。アメリカは完了率が67%と日本やヨーロッパと比べて10ポイント以上低い。ロシアは完了率が53%で世界平均よりも低い。

次のグラフは未接種者数ランキング上10国の未接種者数の世界に占める割合である。

この10国で世界の未接種者の47%を占める。インドは15%、ナイジェリアは7%、中国は5%を占める。

A4. 接種回数はインド、人口100万人あたりではトルクメニスタン

次の表は22年3期の接種回数のランキングである。ランキングには国名、地域、22年9月30日までの累計接種回数、完了率、未接種者数、22年1月1日から9月30日までの総接種回数、22年3期の接種回数、人口100万人あたりの接種回数、前期比伸び率、22年9月30日までの累計ブースター回数、過完了率、22年1月1日から9月30日までの総ブースター回数、22年3期のブースター回数、前期比伸び率、ブースターの接種回数に対する割合をリストした。

3期で最も接種回数の多かったのがインドで、2億0888万9292回だった。前期比55%の大幅増だった。世界の接種31%を占め、世界で唯一1億回以上の接種をおこなった。人口100万人あたり1日平均1629.3回接種した。2番目に多かったのは日本で、前期比33%増の3884万0942回だった。人口100万人あたりでは1日平均3396.7回でインドよりも大きい。3位は長らくインドと接種回数1位を争った中国で、371万回だった。前期比75%の大幅減で、回数で日本にも抜かされた。

上位10国中アジアが7国を占める。インド、日本、ベトナム、ナイジェリアでは3期の接種回数が増加したが、他の6国では減少した。完了率はパキスタン、インドネシアは世界平均より若干低く、ナイジェリはとても低いが日本、中国、ベトナムは80%以上あり、ブラジルも80%近い。

次の表は22年3期の人口100万人あたりの1日平均接種回数のランキングである。

最も多いのはトルクメニスタンで、1万1613.6回である。ただし、トルクメニスタンは数ヶ月に1回しか接種回数の報告をしない。今回は36週(9月3−9日)に発表された数値で、それ以前は10週(3月5−11日)まで遡る。したがって、2期の接種分も含んでいる可能性はある。単純に半分にしたとしても 6000回近くになり日本よりも多い。2位のトケラウは人口100万人あたりの1日平均では1万1256.2人接種したことになるが、実際の接種回数は1390回である。

A5. 28国領土で3ヶ月以上接種停止、14国領土で接種0

世界では70国領土で3期の接種回数が2期よりも増加した。マダガスカル、トーゴ。セントクリストファーネイビス、トルクメニスタン、トケラウ、ピトケアンでは、2期の接種回数は0だったが、3期は0でなくなった。最も伸び率が高かったのは、ニジェールの8220%増だった。

逆に、140国領土で接種回数が減少した。モンゴル、セネガル、ジブラルタル、ウォリスフツナ、スリナム、サンマリノ、アルメニア、クック諸島、セルビア、アラブ首長国連邦、マン島、スーダンでは3期の接種回数が0になった。つまり、ここ3ヶ月以上接種が実施者れていない。

9月30日の時点で3ヶ月以上接種が実施されていないところは以下の通り28国領土ある。

1年半以上:パラオ、フォークランド諸島(英)
1年以上:セントヘレナ(英)、カリブ海諸島(蘭)
9ヶ月以上:北キプロス、モナコ
6ヶ月以上:ボスニアへルツェゴビナ、ベネズエラ、フェロー諸島、ウクライナ、グリーンランド、アイスランド
3ヶ月以上:モンゴル、セネガル、ジブラルタル、ウォリスフツナ#、スリナム、サンマリノ、アルメニア、クック諸島、セルビア、アラブ首長国連邦、マン島、スーダン、メキシコ*、スロベニア*、オマーン*#、ナウル*#

メキシコ*、スロベニア*、オマーン*、ナウル*の3期の接種回数は0ではない。また、ウォリスフツナ#、オマーン*#、ナウル*#では、10月に入って数ヶ月ぶりに接種が行われた。

A6. ブースター回数も減少している

ブースターはワクチン接種を完了したも者がより強い効果を願ってさらなる接種することである。ほとんどのワクチンは2回で完了するので、3回目以降がブースターになる。ジョンソンなど1回完了型のワクチン接種は数%程度と推測されるので、古い統計学では無視できるので、ここではブースターと言えば3回目以降の接種のことを指す。すでに完了しているのに過剰に接種をするので、ブースター接種者を「過完了者」、その割合を「過完了率」と呼んでいる。

3回以上の接種は割と早い時期から行われており、アルゼンチンで20年12月29日にすでに3回接種者が一人いたと記録されているのが今のところ一番早い。21年度中はこれだけである。22年1期中にオーストリア、カナダ、デンマーク、エストニア、フランス、リトアニア、ニュージーランド、ノルウェー、韓国、スイス、ウルグアイでも始まり、全部で2379回の三回目以上の接種が実施された。21年7月頃からワクチンの効果は時間が経つと薄まることと、3回目の接種がワクチンの効果を復活させることが報告され、各国でブースターが推奨されるようになった。21年3期(7~9月)は全接種回数の1%を占め、4期(10~12月)は、オミクロン株の流行もあり、ブースター回数が飛躍的に増え、全接種回数の23%を占めた。次のグラフは22年3期からのブースター回数の推移を表している。

ブースター接種回数が最も多かったのが22年1期だった。この時は総接種回数におけるブースターの割合も50%になった。オミクロン株の流行によりワクチンの需要が高まったこと、当時の完了率が50%を超えていたことから、三回目の接種が多くなったと考えられる。オミクロン株の流行が下火になるにつれ、ブースター回数は減少していった。

次のグラフは22年3期からのブースター回数の総接種回数に占める割合の推移を表している。

22年2期、3期とブースター回数は減少したが、接種回数はそれ以上に減少したので、ブースーたの割合は逆に増加した。

次のグラフは世界の22年の毎週のブースター回数の推移である。

ブースター回数は接種回数に比べ上下が激しい。しかし、年初から減少傾向にある。一旦減少したブースター回数は、6月以降若干上昇に転じ、8月以降は再び減少傾向となった。おそらくこの時期に4回目の接種が本格化したと思われる。この頃は、ヨーロッパ西、日台韓、オセアニアを中心に、BA.5型などオミクロン変異株の流行があり、ワクチンの需要が高まったこと、これらの国領土では過完了率が60%以上あり、4回目接種が多くなったと思われる。3回目の接種よりも数が少ないのは、BA.5型の感染はアメリカ南北カリブ海ではそれほど多くなかったことと、3回目の副作用がひどかった人多く4回目を回避したことがあげられる。

22年3期は世界全体で4億0036万8948回のブースター接種が行われた。22年2期に比べて7%減少した。3期の全接種回数のうち60.5%がブースターだった。過完了率は32%だった。

次のグラフは大陸別の22年3期のブースター回数を表す。

ブースター回数が最も多かったところはアジア中で2億回以上接種しいる。2番目はアジア東の約8600万回、3番目はアメリカ南の約2900万回である。アフリカはワクチン接種が増えているがブースターはまだまだ少ない。次のグラフは、各大陸のブースター回数のシェアで、外側が22年3期、内側が2期のものである。

22年3期は世界のブースターの半分以上に当たる53%がアジア中で接種された。アジア東も22%で、アジア全体では77%にもなる。アフリカは3地域合わせて5%ほどである。ブースターをするくるなら貧困国にワクチンをと批判されたヨーロッパ西では4%ほどとなった。アメリカ南北カリブ海は合せて12%だった。

2期と比べると、アジア中はシェアをほぼ3倍に、アフリカ西と南は2.5倍に増加させた。アフリカ東はシェアは微増だった。また、ヨーロッパ東とカリブ海もシェアを増やした。一方、アジア北、アメリカ北と南はシェアを大きく減らした。

A7. ブースター回数もインドが最多

次の表は22年3期のブースター回数のランキングである。

22年3期に最も多くブースターを接種したのは、インドで1億6601万9576回だった。前期比で625%増だった。インドの完了率は3期の始まる6月末には65%に達していた。過完了率はわずかに3%だった。したがって、ブースターに力を入れたと思われる。3期の総接種回数のうち80%がブースタで、過完了率は3期末には15%になった。

2番目に多かったのは日本で、前期比44%増の3787万1838回のブースター接種をした。日本では総接種回数の実に98%がブースターだった。過完了率は93%の効率となっているが、理論的に過完了率が完了率を上回ることはないので、この数値は4回目以降を接種した人たちを重複して数えていることは間違いない。日本に関しては首相官邸が事細かにワクチン接種助用法を出しているので、E章で正しい過完了率の計算ができるが、そのほかの国では、Github のデータだけでは過完了率の計算は不可能である。Github にブースター接種人数の項目を期待したい。

3番目に多かったのはパキスタンの1976万3168回だった。前期比7%増だった。

上位10国中アジアが6国を占める。3位以上のインド、日本、パキスタンはブースター回数を増やしたが、4位以下の中国、バングラデシュ、インドネシア、ブラジル、アメリカ、ペルーはブースター回数を大きく減らしている。特に中国は80%以上減らした。また9位のタンザニアは22年8月7日(32週)にブースターを初めて実施し、717万1363回接種した。タタンザニアでは毎週平均して約130万回接種しているので、仮に全ての接種がブースターだったとしても、これだけの数を接種するのに5.5週間かかる。実際には2~3ヶ月かけてブースター接種をしていたと考えられる。3期のブースター回数はおそらく半分くらいではないだろうか。

過完了率はインド、パキスタン、バングラデシュ、インドネシア、タンザニアが世界平均よりもかなり低い。ペルーが77%と高いが、中国やブラジルは50%台、アメリカは40%に満たない。

A8. 42国領土でブースターをしたことがない

今までに世界の195国領土でブースターが行われたが、22年3期に実際にブースーターを実施したのは166国領土だった。公式にはワクチンを全く接種したことのない14国領土に加え、以下の25国領土では今までび1回もブースターを実施したという報告がない。

アジア:ラオス、アフガニスタン、キルギス、
ヨーロッパ:ルーマニア、ジョージア、クロアチア、
アフリカ:コンゴ民主共和国、南スーダン、ジブチ、セントヘレナ*、マリ、ニジェール、ブルキナファソ、コンゴ、ベナン、ソマリア、コモロ、パラオ*、チャド、
アメリカ:アルバ、ハイチ、カリブ海諸島*、フォークランド*、ニカラグア、グリーンランド*、

22年3期は上記の他に以下の29国領土でブースター回数が0だった。

アジア:モンゴル*、ベトナム、ミャンマー、カザフスタン、アラブ首長国連邦*、サウジアラビア、北キプロス*、

ヨーロッパ:ボスニアヘルツェゴビナ*、アルメニア*、ウクライナ*、セルビア*、モナコ*、サンマリノ*、フェロー諸島*、ジブラルタル*、ガーンジー島、マン島*、アイスランド*、

アフリカ:ガンビア、ザンビア、スーダン*、カメルーン、

アメリカ:モンセラート、バージン諸島、スリナム*、ベネズエラ*、

オセアニア:ニウエ、ウォリスフツナ*、クック諸島*、ナウル

このうち * のついた18国領土では接種回数も0だった。

セネガル、モザンビーク、カンボジアは3期の接種回数が0だが、それぞれ、1万2471回、20万8646回、74万8768回のブースターを実施した。この3国は接種をしているがブースター回数のみを報告しているだけと考えられる。

22年3期の総接種回数におけるブースターの割合は61%だった。アルジェリア、バミューダ、ピトケアンではブースター率は100%だった。バミューダの完了率は77%、ピトケアンでは84%なのでワクチンを接種できる人は全て接種完了したと考えられるが、アルジェリアの完了率は14%しかなかったので、特定の人だけにしか接種を実施していない可能性が考えられる。また、タークスカイコス、サントメプリンシペ、チュニジア、オマーン、モルドバ、メキシコ、バルバドスでもブースター回数の方が接種回数よりも多かった。

A9. 計算上過完了率は32%だが、実際はもっと低い

世界の過完了率は32%で、2期に比べ5ポイント上昇した。完了者の二人に一人がブースター接種をしている。完了率は僅かに2ポイント(60%から62%)なので、完了者数は十分増えてもう接種する者がいない状態で、ブースターに力を入れている国領土が多いことが窺える。次のグラフは大陸別の22年3期末の過完了率を表す。

最も完了率が高いのはヨーロッパ西の65%になる、ついでアメリカ南の53%、アジア東の52%、アメリカ北の41%と続く。オセアニアとカリブ海は世界平均の32%に近いが、それ以外は平均以下で、アフリカは10%に満たない。次のグラフは過完了率の推移である。


完了率が上昇しているアジア中とアメリカ南で過完了率が急上昇している。3回目も4回目も多く接種している。完了率がそれほど増加しなかった、ヨーロッパ西、アジア東でも過完了率は上昇した。こちらは、多くが3回接種を終えていたので、4回目が中心となったからである。一方完了率が大きく増加したアフリカでは過完了率の伸びは小さい。アフリカでは完了していないものだけでなく、接種自体を受けていない人も多い。まずは接種を完了させることを目的としたためであろう。

次のグラフは大陸別の過完了率の分布である。

アジア東とヨーロッパ西で過完了率の高い国が特に多い。アメリカ南、オセアニアも過完了率の高い国が多い。逆にアフリカでは過完了率が低い国が多い、アフリカで過完了率が世界平均の30%以上なのはセーシェルとモーリシャスだけである。

接種回数で4位のベトナムではブースター回数が修正され、3期は0になった。修正前は1452万8647人がブースターを接種したことになっていた。これはブラジルに次いで8位で、アメリカよりも多い。このブースター接種者はどこへ消えたのだろうか。接種回数で20位のアフガニスタンは今までに1回もブースターをしたことがない。

A10. まとめ

22年3期はアジアでブースターが多く接種された。インドなどアジア中では三回目、日本、アジア、台湾では4回目が多く接種しされた。アメリカ南でもブースターは多かった、チリは4回目、アルゼンチンやブラジルは3回目が多かったと推測される。アフリカでは、接種回数が増え、ナイジェリアやタンザニアなど3期の接種回数上位国に顔を連ねるようになった。

一方、22年1期までは接種回数最大だった中国で接種回数もブースター回数も急激に少なくなった。ヨーロッパ西は2期からすでに接種回数、ブースター回数も減らしている。4回接種が中心である

B. ワクチンと感染の関係


果たしてワクチン効いているのかいないのか、1番の興味はここにある。疫学の専門家だったり、そうでなかったり、ワクチン推進派、反対派が色々な説を出して議論しているが、両者の関係を示す、結構面白い統計が出てきた。しかし、文字数が増えたので、詳細は次回に回そうと思う。

C. 4期は致死率、重症化率が大きくなっている。新たな変種か?


22年43週の世界の新規陽性数は291万2107人で前週比10%増、44週は215万4945人で前週比26%減だった。ただし、44週はカナダやスイスなどで、11月10日時点の新規陽性数の更新がなかった。43週、44週とも実際の新規陽性数よりは少ない。44週の新規陽性数は43週よりも多い可能性がある。

死者数は43週が1万1534人(前週比12%増)、44週は1万0320人(前週比11%減)だった。新規陽性数同様に、43週、44週とも実際の死者数よりは少ない。44週の死者数は43週よりも多い可能性がある。次のグラフは世界の感染図である。

治療者数が43週は1323万6665人(前週比2%減)、44週は1259万5998人(前週比5%減)だった。世界の陽性率は44週で0.18%である。一方、43週は318万1579人(前週比27%増)、44週は276万6471人(前週比13%減)の患者が回復した。回復率はそれぞれ18%、17%だった。次のグラフは世界の治療者数と回復者数の推移である。回復率は下がっており、治りにくくなっているといえる。オミクロンに続く新たな変種の可能性も考えられる。

C1. 新規陽性数は日本、人口100万人あたりでは台湾


44週はウガンダで3ヶ月ぶり、南スーダンで12週間ぶり、カメルーンで10週間ぶりに新規陽性が確認された。カザフスタンは12週続いた減少が、タイでは10週間続いた減少が止まった。

43週の新規陽性数はドイツとフランスが世界1位2位だったが、44週は日本と韓国になった。次の表は44週の新規陽性数のランキングである。

人口100万人あたりの新規陽性数では台湾が世界で最も多い。次の表は44週の人口100万人あたりの新規陽性数のランキングである。

次の地図は44週の新規陽性数のトレンドである。

南米、アジア東、オセアニア、アフリで新規陽性数が増加している国領土が目立つ。

C2. 死者数はアメリカ、人口100万人あたりではキュラソーと台湾


44週はウガンダで15週間ぶり、バミューダで13週間ぶり、カメルーンで10週間ぶりに死者が確認された。タイでは11週間続いた減少が止まった。4期の世界の致死率は0.38%で専修より0.02ポイント上昇した。気に入ってから致死率が上昇を続けている。

死者数はアメリカが43週も44週も、そして、2022年すべての週で、1位である。43週2位だったドイツは4位に落ち、変わって44週はインドば2位に上がった。前週比2174%の急増となった。次の表は44週の死者数のランキングである。

人口100万人あたりの死者数はキュラソーが最も多かったが、実際の死者数は4人である。人口100万人以上の国領土の中では台湾が最も多かった。次の表は44週の人口100万人あたりの死者数のランキングである。

4期の致死率はソマリアが31%で最も高い。2位はイエメンの20%である。致死率が10%以上なのは紅海を挟んだこの2国だけである。イエメンは累計の致死率も18%で世界で最も高い。

C3. ウガンダでは62週間治療者数が前週をより少なくなったことがない。

44週はマカオで9週間ぶりに、イエメンも5週間ぶりの治療者が出た。メキシコでは16週間ぶりに治療者数が増加になり、ウガンダでは13週間治療者数が同じままだったが、3ヶ月ぶりに増加となった。ウガンダは62週間治療者数が前週を下回ったことがない。これは世界で最も長い。チャドでも60週間、ケイマン諸島では47週間、ポーランド、モルジブは32週間治療者数が前週を下回ったことがない。43週では、ペルーとキュラソーで13週間ぶり、韓国で9週間ぶりに治療者数が増加に転じた。

43週で最も治療者数の多かったのは日本で 165万2437人だった。前週比19%増で、42週にアメリカの24週連続1位を阻止して世界1位になったドイツを超えて1位となった。44週もさらに20%増加させ、197万7726人となった。190万人を超えたのは11週間ぶりである。44週はアメリカの140万1736人で、前週比8%減だったが、前週2位のドイツが20%減で治療者数を下げた他ために、順位を上げた。次の表は治療者数のランキングである.

陽性率はケイマン諸島が33.5%で世界で最も高い。13週連続で世界1位をキープしている。次の表は陽性率のランキングである。

C4. 感染者の14%以上が4ヶ月以上かけてもまだ回復しない


44週時点で世界41国領土に176万8863人が感染してから4ヶ月以上経っても回復していない。なかなか回復しない人の割合、長期化率は14%である。スーダン、南スーダン、ナミビアでは回復者数が急増し、超過陽性数が0になった。計算上0人となったというだけで、感染してから4ヶ月以上経っても回復しない者の数が0になったわけではない。また、この41国領土以外にも感染してから4ヶ月以上経っても回復しない者は多数いると推測される。さらに、16国領土で治療者数を数えるのを停止している。実際の数も割合はこの数値よりも多くなる。また、感染してから10ヶ月以上たっても回復しない患者も次の表のように10国にのべ13万0589人いる。

次の表は4ヶ月以上治療中の者がいる国領土のランキングである。

ベトナムとポーランドが桁違いに多い。長期化率はそれぞれ76%、63%である。長期化率が最も高いのはエジプト、ニカラグア、グリーンランド、ベラルーシ、タジキスタン、ジブチでそれぞれ100%である。

C5. 重症化率も増え始めた

43週の重症者数は3万6252人(前週比6%減)、44週は3万5987人(前週比1%減)だった。感染者右羽における重症者数の割合は、43週まで4週連続で減少していたが、今週は前週より0.1ポイント増え、0.26%となった。致死率同様に重症化率も大きくなる可能性が高い。次の表は重症者数のランクである。

ブラジルやメキシコなど3ヶ月(t 13)以上重症者数が変わらないのは数を正しく数えていない可能性が高い。中国、韓国、日本。マレーシア、パキスタンで重症者数の伸びが大きい。

C6. 回復者数はドイツ、人口100万人あたりでは台湾

43週、44週とも最も回復者数が多かったのはドイツで、それぞれ、59万0900人(前週比83%増)、56万7900人(前週比4%減)だった。回復率は30%である。2位はフランスで、それぞれ、43万1832人(前週比63%増)、39万5494人(前週比9%減)だった。回復率は36%である。次の表は回復者数のランキングである。

人口100万人あたりでは、台湾が最も多かった。


回復者数の減少率は少ないが、新規陽性数減少したので、治療者数も減少した。しかし75国領土で治療者数が増えた。次の表が治療者数が増えた国ランキングである。

日本が先週より32万5299人増やした、日本の44週の回復率は1%と回復率が極端に低い。

C7. 接種回数はナイジェリア、人口100万人あたりではソロモン諸島

43週は世界で1951万4820回(前週比33%減)、44週は3019万5132回(前週比55%増)ワクチン接種が行われた。モザンビークでは40週間ぶりに、クック諸島では20週間ぶり、トンガで9週間ぶりに接種が行われた、モザンビークは数が多いので、過去数週間分の合計の可能性もある。一方、世界の74国領土で1ヶ月以上接種されたという報告がない。完了率は62.9%になった。次のグラフは世界の接種回数の推移である。


43週で最も接種回数の多かったのはアメリカで 396万5893回(前週比22%減)、2位は日本の209万3949回だった(前週比23%増)だったが、44週はナイジェリアが474万3267回(前週比無限大)が1位、バングラデシュが404万1950回(前週比124%増)で2位だった。ナイジェリアが接種回数で世界で最も多くなったのは初めてである。しかし43週は0なので、この数字は前週も含んでいる可能性がある。次の表は接種回数のランキングである。


人口100万人あたりの接種回数はソロモン諸島が最も多かった。次の表は人口100万人あたりの接種回数のランキングである.



C8. ブースターは日本

43週は世界で975万2081回(前週比21%減)、44週は1220万2949回(前週比23%ぞう5%増)ブースター接種が行われた。32週は全接種回数の50%が、44週は40%がブースターだった、過完了率は32.5%になった。しかしこの数字は4回目摂取者を重複して数えている。実際の過完了率は27%ほどと推定される。次のグラフは世界のブースター回数の推移である。

43週に日本が206万1794回(前週比24%増)ブースター回数で1位になり、44週も日本が213万3272回(前週比99%増)が1位だった。日本のブースターの割合は99%だった。42週に2位になったアメリカが、43週は145万2961回(前週補14%減)、44週は168万5002回(前週比39%増)で2位を維持した。ブースター割合は42%だった

次の表はブースター回数のランキングである。



D. オミクロン株対応ワクチンで第8波が始まった

日本の感染状況はC章で大方説明したので、要点を述べると

新規陽性数:34万6260人(前週比32%増)、6週間ぶり世界1位、3週連続増加ペースアップ

死者数:373人(前週比3%減)、世界9位、9週連続減ペースダウン

治療者数:197万7726人(前週比20%増)、2週連続世界1位、6週連続増加ペースアップ

重症者数:161人(前週比33%増)、2週連続増加

回復者数:2万0598人(前週比無限大増)、回復率:1%、拡大係数:12.5

接種回数:216万1302回(前週補3%増)、4週連続増加、完了率82%

ブースター回数:30万8765回(3回目)、182万4507回(4回目)、過完了率:100%

下のグラフは日本の感染図、治療者数と回復者数の推移である。



4期に入って、回復者数が極端に減少した。毎週の回復率は22年3期までは世界平均より10ポイント以上高い30~40%を維持していたが、4期に入った途端5%未満と急激に少なくなった。4期に入ってからの感染者は回復するのに時間がかかるようである。

下のグラフは日本の接種回数の推移である。

第6波と第7波がピークを迎えた頃に、接種回数もピークとなっている。そして第8波が始まった今、再び接種回数が増えている。

下のグラフは3回目と4回目の接種回数の推移である。


3回目接種のピークが第6波、4回目接種のピークが第7波に重なる。10月以降3回目接種、4回目接種共増加になっているのは、オミクロン株対応のワクチン接種が始まったからである。

次のグラフは空港検疫の新規陽性数の推移である。

空港検疫では新規陽性が減少を続けているが、規制緩和以降減少のペースが落ちた。

人口、陽性数、死者数、治療者数、重症者数、回復者数はWorldometer のものを、ワクチン接種回数は Github のデータを利用している。Worldometer や Github で扱っていない国地域の統計は Google のデータを用いる。北キプロスの陽性数と死者数は、政府の発表するデータを用いる(https://saglik.gov.ct.tr/COVID-19-GENEL-DURUM)。面積、GDP、地図、その他の情報はウィキペディアと外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html)を利用している。それ以外のもの、例えばニュースや論文に関しては出典を本文に記す。ランキングは特に表記のない限りアメリカ中部時間の11月10日22時時点で得られた最新の値を利用して作成し、上位20位までをリストした。それ以降に修正あるいは追加されたデータは含めないので、他の新型コロナ統計サイトの数値とは異なることもある。修正あるいは追加されたデータはも反映させているので、今号の統計とは異なる場合もある。データの違いが大きくなる修正は本文で言及している。テーマ地図は mapchart.net のサービスを利用して作成している。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?