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本物のカミングアウトは 単なる告白ではない

前回、私は、「どうせバレるんだから、さっさとカミングアウトしよう」と書いた。

ギャンブル依存症が露見するのは、殆どの場合が金銭問題からだが、金という物は無くなれば無くなるほど無理をして融通しなければならない。

その端的な例が街金など金融業者からの借入なのだが、確かに昔に比べれば借金の存在を知られにくくなった。なぜなら殆どの場合は店舗に行かず、コンビニや銀行のATMで入出金できるからである。

だが、最初は良心的な業者から借入をしていても、そのうちに総量規制などで借入れできなくなり、自然と「少々ヤバい業者」に手を出すことになる。

その頃には友人知人からも借金しつくし、借りられそうなところからは全て借りているという状況になっている。

家の預金に無断で手を付け、生命保険を解約したり契約者貸し付けを限度額いっぱい利用したり、家内的にもかなり火の車になっていることだろう。そういった意味では、かなりカミングアウトしにくい状況になっているかもしれない。

だからこそ、カミングアウトは早くすべきなのである。いや! 早くするというよりは、「たった今すべき」と書いた方が適切かも知れない。

勇気を出しなさい。今やらないと、後々もっと酷いことになりますよ。

曖昧なカミングアウトはNG

前回に私はカミングアウトの意味について、「家族やパートナーに、ギャンブルをやめることができないせいで、自分が問題を起こしていることを告げること」と書いた。

しかしながらこれは少し正確な表現では無い。なぜなら、このままだとせっかくのカミングアウトが、単なる告白で終わってしまうからである。

カミングアウトは告白でありながらこれまでの罪を自首することでもある。当然だが、自首した限りは、ちゃんとした謝罪と「今後はどう改善するか」という部分が大切になってくるだろう。

もしもあなたが、「ごめんなさい。これからはできる限り、ギャンブルに行かず家族のことを考えて行動します」と言ったとしよう。最初は涙を流されつつも、奥さんや家族に信じて貰えるのかも知れない。

でも同時に、あなたの心の奥で悪魔が赤い舌をペロりと出しているかもしれないのだ。ギャンブル依存症とは、「そうなってしまうほど、心の力を弱らせる」ものだと心した方が良い。

カミングアウトの本当の意味

通常の場合、カミングアウトしているときは本人も心から反省し、家族からの非難は全て受け入れる状態になっている。だがここで問題なのは反省ではなく、むしろ「今後どうしていくか」ということである。

そう考えるならば先ほどの、「ごめんなさい。これからはできる限り、ギャンブルに行かず家族のことを考えて行動します」といったひとことは、戯れ言に過ぎないことがわかるだろう。

誰かに約束をするとき、「できるだけ」とか「できる限り」とか「努力」などといった言葉は信用できないものである。

もしもカミングアウトの際にそういった言葉を使う人が居たら、それは本気でギャンブルをやめる気が無い人と断言しても良い。言葉の端々に「ほとぼりが冷めたら、また…」といった魂胆が見え隠れしているからである。

カミングアウトするのにあいまいな言葉は要らない。まず、「一生やりません」と固く約束することが必要なのである。

次回は少し家族側の立場も踏まえて、「たったひとことで、本人のヤル気度がわかる質問」という話をさせていただこうと思う。(続く)

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