やっかいな 持て余す時間対策
さて、これまで3回に渡ってカミングアウトについて書いてきた。いかがだったろうか?
自らの経験や仲間達の生き様などから感じるのは、「まあ、ここまで書いても、やらない人は多いだろうなぁ」ということである。
カミングアウトを躊躇う人たちは心の奥で、「カミングアウトしたら最悪のことが起きる」と考えている。だがそれは甘い。カミングアウトしたら底が訪れる、などと考えていたら大間違いだ。
ギャンブル依存症の底がどこなのかなど、実際のところ誰にも分からない。それが債務整理なのか、それとも破産なのかなどと考えていたら、とんでもない目に遭う。なぜなら本当の底が、金銭における破滅とは限らないからである。
実際にSAGSの中でもホームレスになった経験をお持ちの方が、これまでに数名居られた。そういった方たちの話を聞くと、凄まじい。
一人の方は私が知る限りでは、半年前くらいまで都内の病院のICUに居られた。情報はそこまでで病院名も分からない。ひょっとしたら既に亡くなっておられるかも知れない。
カミングアウトは、少なくとも現状を良い方向に押し上げる「BESTチョイス」なのである。破滅を呼ぶ行為で無いことを、くれぐれも知っておいていただきたい。
持て余す時間はどうすればいい?
カミングアウトというのは、「断パチ・スロ3原則」における金銭管理に特化した方法だった。なぜならカミングアウトすることによって、家族やパートナーに財布を委ねることができるからだ。
だが「持て余す時間」については、早々簡単にいかない。だって考えてもみなさい。家族にずっと、あなたの守をさせるわけにはいかないだろう?
結論から言えば、持て余す時間というものは自らの工夫で無くしていくしかないのである。
では、「パチンコに行かなくなりました。時間を持て余すようになりました」といった場合、どうすれば良いのだろうか? 特にパチンコとスロットというものは、時間を要するギャンブルである。それをやめた瞬間から、莫大な時間が押し寄せてくるのである。
そもそも なぜ時間は余ったのか?
ここで少し我々SAGSの仲間達の話をしよう。SAGSに参加した当初、殆どの方が時間を持て余すと嘆かれる。それまでバクチに膨大な時間を割いていたわけだから、それも納得できる話である。
ではここで質問なのだが、そういった「バクチに使っていた膨大な時間」というのは、そもそも何に使うべき時間だったのか? この質問については、少し時間をかけて考えていただきたい。
おそらく、そう簡単に答えは見つからないだろう。当然である。それまであまりにも多くのことを犠牲にして、ギャンブルへの依存が成り立ってきたからだ。
犠牲になっていた時間とは…
家族との団らんのひとときだったり
手伝ってあげるべき家事の時間だったり
自己啓発に使うべき時間だったり
仕事に費やすべき時間だったり
友達や恋人と過ごすための時間だったり
ギャンブルに溺れる前の趣味の時間だったり
数え上げればキリがないだろう。ようは犠牲になっていた物が多すぎるのだ。
ではどうすれば良いのか? 答えは簡単である。犠牲になっていた物の元へ、時間を戻していけば良いのである。(続く)
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