バイパーという人間はやっぱりパイロットだった


パイロット諸氏は、トレーラーを見て何を思っただろうか?

まず前作キャラの次世代という骨組み。そして描かれる互いを思いやる家族間の暖かい関係。ブリスクというコミッショナーがかつて何をしていたのか。

しかしパイロット諸氏は大抵これらの過去のことを知っているし、その上で

「設定が大衆向けに分かりやすく変えられてしまった」と感じる方も居るかもしれない。

ちょっと待って欲しい。実は全然そんなことはない。少なくとも私はそう感じた。陰謀論に近いレベルのこじつけかもしれないが、私は確かに表層は取っ付きやすくしているものの、内部構造はタイタンフォールの頃から何も変わっておらず、そして更に洗練されてると感じた。以下に理由を書いていきたいと思う。


マトモな中に見えかくれするヤバさ

ヘルメットを拾うシーンから始まる本トレーラー。前作プレイヤーはエンディングで見たこともある例の星。

そこからヘルメットを拾う一人の人間。異常な背景と合間って幻想的な風景だが、そのヘルメット自体にも恐怖(それも憧れすら混じった)を抱かずには居られないだろう。バイパーというパイロットの墓標は宇宙にあった。

所かわってその人間の日常生活にシーンは変わる。

そしてここからブリスクと出会い、会話し......

で、回想のシーンに入る。

その内容は衝撃的なものだった。

まず若い頃の、というか2本編のブリスクが出てくる。

さらにさらに、カイリが持っていたデバイスには見慣れた(嫌でも見慣れることになった)ノーススターの図面。

その上ブリスクの「それは父の大切なものだ」という発言。もうこの時点で大体分かってしまう。そう、あのパイロットだ。イージーでもそもそもの機動がおかしいので苦戦するしマスターならもう言う必要もない、あのパイロットだ。ところが、そのパイロットがいざ現れ(服装も同一)口を開いてみればどうだろうか。

「こんなものには関わるな」

な、なんてマトモなことを言うんだこのパイロット!お楽しみの時間だ!等と言いながら走り出すパイロットも居るというのに。(私はこっちも好き)

直前、ブリスク相手にはあれだけ意固地になっていたカイリも素直にデバイスを手渡しているし、バイパー自身酷くしかりつけるわけでもなく、良好な関係であることも分かる。

はぇ~......この流れを見るにバイパーって平和のために戦う感じで家族にも優しいいいやつなんだなぁ......







実はそういうわけでもなくて(PaiYo)

それは半分正解で半分違った

2本編のバイパーはというと、現れるなりなんなり船全部叩き落とす勢いで魔改造ノースを乗り回し、戦闘前に「空は俺のものだ。逃げ隠れは、させない」等と言いながら高速移動する船舶に部下か同僚かをタイタンフォール(衛星機動からの降下、しかもその船舶自体は味方の船なのでヤバい)させ、火の壁を作らせつつ自分は超長距離武器とミサイルを撃ちまくりとやりたい放題な上に慈悲の欠片もないタイプのパイロットである。

もうこの時点で大体分かるけどバイパー、空が好きな上につよい。そしてパイロットしてる。

徐々に暴かれるその熱情

そして、トレーラーの方でもその性質が垣間見えるシーンが存在する。

カイリが勝手にノーススターを乗り回し(このシーンにもそうなる理由はあるが、それに関しては後述)そして最終的に墜落するシーンがある。

その時ノーススターを使えないバイパーはどうやって助けにいったのか。

高速で落下するノーススター。

そしてそれに追い付く戦闘機。

ハッチを開けて飛び出すバイパー。

飛び出す!?!?流石にこの高度はパイロットでも割りと躊躇うレベルのものである。具体的にここまで行こうとするなら敵の脱出用ドロップシップに相乗りとかわけのわからないことをしなきゃ行けもしないレベルのものであるからだ。

更にその後、素手でノーススターのハッチをこじ開け(おそらく固定されてなかったのもあるがヤバい)、武装発射の衝撃で方向転換(すごい)。そのままなんの衝撃保護もなく地面に衝突。 でも生きてる(人間やめてる)。マジ?強すぎるねんな。

まあこれだけ空を熟知してるし超人な設定をしっかり出してくれるなら、バイパー......っぽい?






こんなものではない。

このパイロットの真骨頂と言うかなんというか、ガチのヤバい部分はこの一瞬先にあるのである。

父としてより、それ以前に家族としてより、空な人間

かくしてカイリは助かった。ノーススターの残骸(でもあの高度からあの落ち方して形保ってるタイタンの技術力もはんぱない)に駆け寄るカイリ。

父も、無事に生きていた。

感動の再開、自分の行為を恥じるカイリが思わず父親を抱き締める。

それに対してバイパーは

空を見ていた。

ちなみにこの後声をかけたらしい描写が混じるのは家帰ってからである。というかこのシーンが衝撃的過ぎることを伝えたいからこれを書いている。

あれだけ娘を大切そうにしていたバイパー。こんなものに関わるな、というような言葉まで使って。

それなら抱き締め返したり、あるいはキツく叱ったりしても良いのではないか。

けれども結局彼がしたことと言えば「空を見た」だけなのである。目をそらして空に視線がいった、とかではなく。

ここが、この瞬間こそに感動してしまった。

バイパーはパイロットに似つかわしくない市民的な価値観も持っている。し、情ももちろん持ち合わせている。


けれどもこういう場で現れてくるのはやはり空だった、というのがバイパーなのだ。

実はノーススターもヤバい

そして実は私が一番この件でヤバいんじゃないかと思うのはノーススター。トレーラー名にもなっているこの機体、原作では飛びはするしそれが有用なのもそうなのだがここまで飛ぶのはバイパーのこの機体のみ。

で、ここでパイロット諸氏の一番の疑問が湧く。

「ニューラルリンクどうなってんだよ」という件である。

タイタンはパイロットそれぞれに紐付けされていて、BF等のように鹵獲することが

一切

出来ない。無印、2と来て「設定だったら出来るのかもな~......?」位のイメージしかなく、事実タイタンがその人格のまま奪われたということは無い。機体自体をぶんどって運用しているミリシアという存在もあるものの、後年自分達だけのタイタンを利用したりしていた。パイロットが脳筋だから、というわけではなく、彼らは場合によればスペクター等のロボット(パスファインダーと殴りあってたアイツ)や、巨大なタレット、果ては戦艦まで支配権の奪取が可能なハッキングの名手である。それでもおいそれと強奪できない存在、それがタイタンなのだ。

じゃあ何故カイリが?

そう、それもトレーラー中に答えが置かれていた。

回想の後半、ヘルメットをカイリに譲り空を一緒に飛ぶバイパーとカイリ。タイタンにはユーザー登録のようなものがあり、それをニューラルリンクの確立と呼ぶが、おそらくこの瞬間にそれが行われたのだろう。

では問題ないな!

そんなわけはない





これこそが私の中でバイパーのノーススター魔性の機体説の火種になった出来事である。

元来タイタンは非常に賢いものであった。タイタン同士の攻防において、一発でも弾丸が当たればそのタイタンを把握し、さらに数の不利だったりするとそれを警告したりだとか、自分の上から敵タイタンが降りてきたのならそれを知らせたりだとか、機体にパイロットが取り付いたときは名称含め表示してくれたりだとか兎に角多芸なのだ。

だが、トレーラーのノーススターは?

黙っている。お帰りなさいとか位しか言わない。

これはつまりこのノーススターが

自分の意思で何かしら警告をしなかった

という点である。ヤバい。コイツが一番ヤバい。何が目的かはいくつか考え付くが、とにもかくにもコイツも何かしらバイパーや空に対してクソデカ感情を持っているのは間違いない。ヤバい。愛。2700年代では魔性の武器は刀とか槍とかではなくタイタンなんだよなあ。


最後に

妄想だとか言われてしまえば終わりだが、タイタン、Apex双方大好きな人間からすると割りとこう見えてしまった。バイパーはかつて描かれた通りスゴいままだし、ノーススターとの間に言い知れぬ何かしらの関係があるのはほぼほぼ確定とも言えるだろう。(多分)

更にそれを、そのノーススターの手で空狂いになったであろうカイリが、ノーススターを受け継ぐわけなのだ。ヤバいのだ。もう楽しみで仕方ないのだ。というわけでアプデまで私は両方とも遊び尽くしていこうと思う。タイタンはずっとやれるぞ、Apex民は私と一緒にいこう。もちろんタイタン民も一緒に遊ぼう。遊んでくれ。遊んでください。私が危篤になりま

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