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はちみつ屋 社長手記『蜂労記』

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私は九州から北海道まで、毎年現地へ行きお天気やまわりの花やミツバチを 見ながら、移動養蜂家や定置養蜂家と共に蜂蜜を厳選し仕入れています。 豊作の時や不作の時もあり、1年間に色々楽…
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#はちみつ屋雅蜂園

蜂労記 第5回 「れんげ蜜」

蜂労記 第5回 「れんげ蜜」

私が蜂蜜問屋で働いていた頃はやはり「れんげ」の蜂蜜が一番高級でした。それでも今よりかなり安く手に入っていました。
今ではれんげ畑を見る事も減り、現在の様にほとんど手に入らない蜜になってからはもう15年くらい経ちます。

原因のひとつはアルファルファタコゾウムシという虫です。
この虫がれんげの花芽を食べてしまうのです。一瞬で一面のれんげの花は食べ尽くされてしまいます。

何十年も研究をしているそうで

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蜂労記 第4回 「採蜜の旅」

蜂労記 第4回 「採蜜の旅」

お店のはちみつの仕入れは、
4月中旬から鹿児島・宮崎へ行き、5月には長崎から和歌山・大阪・奈良へと行ったり来たりしながら岐阜・福井・長野・新潟を経て、6月に福島・青森・秋田・山形・岩手を通り、7月には北海道に行きます。

北海道は広すぎて毎年2回~3回に分けて移動し、8月の終わりには大阪に戻って来るという年間のスケジュールでそれぞれの花の蜜を採って来ています。移動は昔は車でしたが、今では京都の蜂蜜

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蜂労記 第3回 「ミツバチアレルギー」

蜂労記 第3回 「ミツバチアレルギー」

今回はミツバチアレルギーのお話です。

はちみつ屋でミツバチが大好きなのに、実は私ミツバチアレルギーです。
なので、仕入れに行くときはいつもエピペンという注射を持って歩きます。
このきっかけとなったのが・・・。

という養蜂家さんにご迷惑をかけた辛い思い出があります。

それからというもの、最前線の場所では仕事はせず、裏方に徹しています。
エピペンは昔は保険がきかず20,000円近くしていましたが

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蜂労記 第2回 「採蜜について」

蜂労記 第2回 「採蜜について」

"蜂蜜ってどうやって採るの?"
"テレビで見たことはあるんだけど……。"

花が咲くとミツバチは花の蜜を集めに出かけます。
ミツバチは天才なので、花のある所をダンスで教え合いながら同じ花の所へ飛んで行きます。

ミツバチが持って帰って来た花の蜜はまだ薄いので、ミツバチたちは巣箱の中で羽を羽ばたかせ水分を飛ばして濃縮させます。
ちょうどいい頃になると『蜜蓋(ミツブタ)』という『蝋(ロウ)』で蓋をしま

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蜂労記 第1回 「ミツバチの事」

蜂労記 第1回 「ミツバチの事」

私は九州から北海道まで、毎年現地へ行きお天気やまわりの花やミツバチを見ながら移動養蜂家や定置養蜂家と共に蜂蜜を厳選し仕入れています。豊作の時や不作の時もあり、1年間に色々なお話があります。

今回のお話は「ミツバチ」について!
みなさん案外知らないのですが、普段食べているはちみつを採るのは「セイヨウミツバチ」です。

その働きバチはすべて「メス」です。ミツバチの寿命は約30日、ミツバチが一生かけて

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