20230912 貧乏人の経済学 A・Vバナジー&E・デュプロを読んで

気になった言葉
貧乏な人はあまり物を持っていないから、その経済学的な存在について興味深いことは何もないと思われがちです。残念ながら、この誤解は世界の貧困に対する戦いをひどくダメなものにしてしまいます。

単純な問題には単純な答えしか出てきません。→本当だろうか?

貧困から抜け出すのは難しいけど、可能性を感じさせて、ツボを押さえた手助け(ちょっとした情報やあとおし)をすると、時には驚くほどの成果が出ます

何百万人もの危機がたった一人の悲惨に還元された。
寄付を募るポスター
→会社の誇りも分かり易さが必要。利益誘導型のメッセージや分かり易いコツの方が良い。手の届く解決策…

手の届く解決策を論じなければ、進歩よりは麻痺に陥ってしまう
蚊帳を売るべきか無料で頒布するべきかについて、サックスとイースタリーが正反対の見方をするのは偶然ではありません。その人固有の世界観に左右されることが多いのです

カロリーを増やすのではなくて、もっと美味いモノを食べることが最優先だったのです
億万長者はオレンジとライビタのビスケットという朝食を楽しんでいるが、失業者はそんなことはしない。
いや、テレビは食べ物より大事でしょ。退屈な生活から救ってくれるモノを最優先

安価ですむ予防よりも、高くつく治療にお金が使われている
なぜ、貧乏な人たちは時として安価で効果的な公衆衛生を拒否して
なんの役にも立たないどころか害になることもあることに大金を喜んで費やすのでしょうか?

無断欠勤の多かった保健センターで欠勤率を60%から40%に下がった。しかし、訪れる利用者の数に何の影響もありませんでした。
行って、居なかったときに、時間が無駄になるのが嫌

何が健康にいいのかについて、誤解するのは実に簡単→何が会社にいいのかも同じ
貧乏な人々は重篤な病気の治療など手が届き来ません。検査や入院などでお金がかかるからです

予防接種1回につき900gの主食の乾燥豆を配布し、全ての予防接種が完了したらステンレスの皿のセットをあげることにした、予防接種りつは7倍、38%まで増加

人は小さなコストを先送りし、現在の自分でなくて将来の自分に負担させたがる
乾燥豆900gが効くのはそれを今日受け取れるからで、子供を予防接種を受けさせるためのコストを埋め合わせてくれる
→小さなコストを先送りさせない仕掛けが大事

大切なのはデフォルトの選択肢
→ルーティンはとても大事

自分の健康について正しい決断を責任持って下せるほどに賢く、忍耐強く、知識ある人など、だれもいないと認識すべきです
→自動化された社会を享受している

ひどい教育でも生徒がそこから何かを得ているから
親は教育をなによりも、子供が富を得るための手段と考えている
1年教育を受けることで増える収入は概ね年数に比例している

人々は諦めてしまいます。諦めてしまえば、その子が本当は成績が上がるはずの場合でも、それはわからずじまいです

最初から成績が良かった子供達は、教科書が配られた学校では目覚ましい進歩を遂げているのを発見しました

決められた教育方法や指導要領の消化にはもっぱら専念しなくてはならないという制約は、障害としてあまりのも大きい。→指導要領をこなして、子供達専用の教育をすることは難しい、先生が諦めてしまえば、生徒の成績は上がらない

数学のレベルが上がるゲームした。数学ができるようになった。
→ゲーミフィケーションはすごい。楽しいものしか伸びない

なぜ、一部の人がそんなにたくさんの子供を持つのか理解できなければ、まともな人口政策など作れません

女性たちは何が容認される行動なのかを共同体のなかで学んでいることが分かる→男尊女卑が再生産される

不都合な真実をしばしば無視します→物理のモデルも同じ。点と見ることで、矛盾が生じた

貧乏な人はそうでない人よりリスクの多い暮らしを送るにとどまりません。同じ規模の不運でも、受ける被害はずっと大きい。
→MGで会社を大きくする理由
冨のS字カーブの下側に囚われないように、セイフティネットが必要

もっと豊かな農民の場合、農場の利益率と降雨の変動性とのあいだには何も関連性がありません

銀行の支店が増えた地域は実はもっと貧乏になったとされている
貧乏な人への融資が起きにくい理由。低い債務不履行率は、貸し手が頑張って取り立てなければいけません。
融資額が小さくて、手間に見合わない。借り手についての情報収集が高価であることを考えると、必然的に友達貸しになる

マイクロクレジットのイノベーションは、実現する方法を考案したこと

彼らが自分たちの求める人生のビジョンに向けて頑張る様になる

一歩ずつの信頼醸成、彼らが定期的に顔を合わせ続ける

インドでは裁判が迅速されたので、融資回収がずっと短期間に済むようになり、融資額も増え。市場の拡大には融資、融資の拡大には、必ず返ってくるという保証

屋台売りがマラリアに倒れると、運転資金の一部を薬代に充てる。回復しても売るものがなくて、前の仕事に戻り難くなる。薬代にちょっとした予備があれば、そんなことを避けれらるのに

肥料のサブスク、肥料の入荷をチェックし続けるというちょっとした不便を解消する。このつまらないボトルネックを取り除いただけ

貧乏な人々は、リソースが少ないのに、ずっと大変な仕事を強いられているのです

それ以上投資できないくらい貧乏なままになるか、こぶを超えるくらい投資して、お金持ちになってもっと投資してさらにお金を稼ぐか、
要するにほとんどの人にとっては、そのこぶを超えるという選択肢は実質的にないのです。ですから小規模にとどまるしかない

週毎の集会で、もっと良い帳簿の付け方や、在庫管理、金利の理解は、高評価だったが、利潤・売上・資産では何の変化もありませんでした。

一方で、単純化したコツをおしえると、確かに利潤は増えました。みんなコツは喜んで使うし、あまり知的リソースも要求されず、仕事を単純化してくれたからでしょう

実は雇用の安定性こそが、中流階級と貧乏な人々の大きな違いのようです
心の余裕を与えてくれます

多くな思い込み:こうした大きな精度こそが、社会の成功や失敗を主に動かすのだ

制度は、地元の環境に合わせて調整が必要なので、それをトップダウンで変えようとする試みは、すべておそらく逆噴射することになるでしょう。改革が可能だとしても、それは段階的でなければならず、既存の制度だって存在する理由があるのだということを認識しなけばならない

大文字の制度から小文字の制度に視点を移すことが必要なのです

汚職と戦うべく、プログラムの担当だった政府官僚は村の指導者たちに、建設プログラムは監査を受け、公表されると告げました。
アカウンタビリティと汚職の改善余地があります

貧困対策は、誰もそのサービスに対する需要があるかを確認しようとしなかったこと。→起業と同じ、

人々は自分にズバリどんな権利があるかを知らないので、
両親たちに自分たちの権利をもっと認識させれば

対策が進んだ理由は、村人が明確で具体的な作業を与えられたこと。
利益誘導型のメッセージの方が成功する、公共の利益への訴えより

信頼できるメッセージがあれば、信頼さえできれば、
なんでもいいから有権者の歓心を買おうと腐心する必要もなくなります

貧乏な人は
①重要な情報を持っていないことが多く、間違ったことを信じています
②自分の人生のあまりに多くの側面について責任を背負い込んでいます
③一部の市場が提供されていない。不利な価格に直面したりする
彼ら自身にとって良いことを彼らがやったら、ご褒美まであげることも考えるべき
詳細な製作設計における、十分回避可能な欠陥のせいであり、そして敷衍的な三つのIのせい
無知(ignorance)、イデオロギー(ideology)、惰性(inertia)
④周囲から諦めさえられている
期待の役割を考えると成功はさらなる成功を招く

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