Dragino GPS Tracker LGT92 を追尾せよ!
突然ですが、LPWAってご存知でしょうか?Low Power Wide Areaの略で、「長距離のデータ通信」「低消費電力」を大きな特徴にもつ無線通信技術の一つです。
他の技術同様に、様々な仕様、プロダクト、ソリューションが存在します。
ちなみに、日本ではサブギガ帯(920MHz周辺)で電波が飛びます。
今後、社会インフラを高効率に運用管理していく上で必要な要素技術の一つになります。
我々は、オープンコミュニティという点に共感をして、LPWAの一つであるLoRaWANに着目しています。(今さらかよ、と言われそうですが)
LoRaWANの世界では、コミュニティ運営されているプラットフォーム「The Things Network (TTN)」というものがあります。
興味がありつつもディープダイブせずにいた世界でしたが、とあるキッカケで、TTN Japan アンバサダーであり第一人者でもある吉田さんに誘(イザナ)われ、TTN Takasakiを始めさせていただくことになりました。
TTN Takasaki起動前後、LoRaWAN用のゲートウェイとノードセンサーを購入・設置して、いろいろと遊んでいます。
先日、LoRaWANに対応したGSPセンサーノード Dragino GPS Tracker LGT92が日本で利用できるようになりました。動作検証も込めて、どの程度追尾できるのか?どの程度電池の持ちが良いのか?を確認すべく、可視化をしてみましたのでご紹介をしたいと思います。
1. 動作環境
LoRaWANのアーキテクチャを知らないと、???かもしれませんが、可視化させるまでには次の様な構成が必要になります。(詳細は省きます)
センサーノード -- ゲートウェイ -- LoRaWANサーバ -- アプリケーション
センサーノードが"connected"になるには、LoRaWAN用ゲートウェイと繋がる必要があり、ゲートウェイは、LoRaWANのおしゃべりができるLoRaWANサーバが必要になります。前述のTTNが、このLoRaWANサーバの役割を提供しております。(無償で利用できます。)
センサーノード: Dragino GPS Tracker LGT92 *昔のポケベル的サイズか?
ゲートウェイ: Dragino LPS8-JP(オフィスないに設置)、Dragino DLOS8-JP(オフィスから1km程度離れた屋外に設置)
バックエンド: TTN
フロント(可視化): Tago.io
で、LoRaWAN用ゲートウェイを設置することに、なんと、
免許は不要(ただし、いわゆる技適認定済みの製品が必要)
です。これはすごいことです。
2. 可視化までの手順(超ラフに)
ここから可視化までの手順を説明します。が、TTNやTago.ioでの設定など、有益な情報が数多ありますので、ここでは割愛させていただきます。
1. [TTN] TTNコンソールで、”アプリケーション”を作成
2. [TTN] 当該アプリケーションで、デバイスとして LGT92を登録
3. [TTN] LGT92のPayloadの可読性を確保すべく、公式のデコーダーをカスタムデコーダとして登録(FWがV4とV5で、多少符号化仕様が異なるのでご注意を)
4. [Tago.io] (適宜、Tago.ioのアカウントを作成して)Tago.ioでもデバイスとしてLGT92を登録
5. [Tago.io] TTNからの接続に使う認証コードを発行
6. [TTN] TTN内の当該アプリケーションで、Tago.ioにインテグレートするための設定(認証コードを登録)
7. [Tago.io] Tago.ioで可視化ダッシュボードをぽちぽちGUIで作成
* [TTN]、[Tago.io]は、それぞれのコンソールでの操作を意味します。
上記2で、LGT92 とTTNが繋がっているか否かを確認できます。6までくると、LGT92がTTNを経由してTago.ioまで繋がっているか否かが確認できます。
Tago.ioは日本語未サポートです。最初は戸惑う部分もあるかもしれませんが、慣れてしまえば、同じことの繰り返し。非常に簡単にダッシュボード画面を作ることができます。(ちなみに、Tago.ioはフリープランでも、独自ドメインは使えませんが、カスタマイズしたサイトとして公開可能です)
3. 追尾しました!(可視化の結果)
で、可視化した結果がこれ。(2台のLGT92を登録しています。が、1台は一瞬だけ稼働。)
画面上部が、位置情報(Googleマップではなく、OpenStreetMap)です。小さな○は過去の履歴。大きな印が最後に捕捉した場所を表します。
この時、当該LGT92は同じ場所(屋外)に固定して放置した状態でした。
左下部が、LGT92のバッテリー残量。(1台は、一瞬だけ稼働)
右下部は、ゲートウェイで捕捉された際の電波強度RSSI値です。
1. LGT92は、RSSI値的に-120くらいまでならしっかり捕捉してくれる
2. どのGPSトラッカー(スマホでも)を使っても同じことですが、同じ場所に固定されていても、位置情報はそれなりに”飛ぶ”
おおよその位置が捕捉でき、バッテリー残量も同時にわかると、運用に乗せられる用途は沢山ありますね。
位置情報があまりにも正確だと追いかけられている感が強いので、このくらいナチュラルにブレてくれた方が良い場合もあります。
もう少し動かして、電池の持ち具合も確認してみる必要がありますが、1週間以上動き続けてくれると、運用上もすごく扱いやすくなるのかなぁと思っています。(フル充電後、減少スピードが極めて緩やかに見える)
5. 参考(ELTRESの場合)
さて、参考情報。
SONY系プロプラLPWAのELTRESが、ここ高崎も圏内になりました。ので、早速同様のセンサーノード ELTRES Sensing Unitで、LGT92の隣に置いて、位置情報を捕捉してみました。
・・・・同じですね。
6. 次回の予告
さて、次回の予告です。オフィス内には、温湿度センサーやドアセンサーも設置しています。次回は、もう少し細かい部分にも触れながら、ご紹介ができればと思っています。
↓オフィス内センシングダッシュボード↓
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