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【学生編】簿記の用語

学生時代、私は経営学部に所属していた。授業の一環で、簿記の資格取得にチャレンジすることとなった。3級については、直前に知識を詰め込み、かろうじて合格したが、2級合格にはかなり苦労した。

簿記に登場する用語に、損益計算書と貸借対照表がある。損益計算書は言葉通り、損失と利益をまとめた表だ。これは想像しやすい。一方でイメージしづらいのは、貸借対照表である。簿記の世界には、貸方・借方という概念があり、その内容がまとめられている。この時点で、私の脳内スペックでは理解不可能だ。

ただ、貸借対照表の用途は、資金の調達元を表すらしい。逆に目的から考えると、イメージできることもある。例えば、自分の好きな人が「1億円を持っている」と言って、目の前に現金を用意したとしよう。それでは問題だ。あなたの好きな人は金持ちか? インフレなどの経済指標は考慮せず、問題ないとする。

答えを用意できただろうか。答えは「わからない」となる。なぜなら、その
1億円がどのように調達されたか、わからないからだ。

極端な例で説明すると、1億円を贈与で調達したとしよう。税金は払い済みで、手元に残ったのが1億円とする。これは間違いなく本人の資産だ。つまり、金持ちだといえる。一方で、1億円を貸付で調達したとしよう。この場合、借金が1億円あるため、手元の現金1億円をあわせると、資産はゼロである。調達元が異なれば、同じ1億円でも意味が異なる。企業の決算書を読み解く場合、損益計算書だけでなく、貸借対照表の理解も必要だ。

世の中の企業には、黒字倒産という事象が起こりうる。利益が出ているのに倒産なんてありえない、そう思うことは自然だ。ただ、貸借対照表を理解できれば、黒字倒産の理由を紐解くことができる。例えば、「利益は出ているが、お金の回収(振込)は次月の予定となっている。一方で、取引先への支払は今月期限となっており、お金を用意できない」という状況だとしよう。損益計算書上は利益が出ており、問題ないように見える。ただ、貸借対照表だとそうはいかない。支払金の調達元にあたる現金がないからだ。あくまで未収金として次月にもらう分はあるものの、支払期限は今月である。この場合、今月中の資金調達ができず、黒字にもかかわらず倒産となる。

簿記は非常に役立つ学問だ。会社で働くため、投資先を判断するため、など用途は様々だが、興味あれば勉強してみると面白いかもしれない。


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