何気ない言葉が気がかり
気になっている。
口からポロリとこぼれた言葉が、自分の思いとは裏腹に、相手に伝わっているのではないかと。
そうはいっても、防ぎようがないのだ。
自分でも、言ってしまった後で、
「ん、あれはもしかすると、まずかったのでは?」
と思い直すけれど、言ってしまったのだからどうしようもない。
小学校の5年生のとき、こんなことがあった。
テレビ番組の「ミュージックステーション」の話を友達としていて、何気なく、友達が、
「ミューステ」
と、ミュージックステーションのことを、略していた。
わたしの口からとっさに出たのが、
「え、Mステやろそれ」
あとあと、その友達から、あの時のその言葉が傷ついたと告白され、そんな気がまったくなかったわたしは驚き、自分の言葉の「棘」を初めて自覚した。
それ以降も、時々、失言を発してしまい、場が凍りついたり、疑問に思われたりすることがある。だいぶ減ったとは言え、まだ、自分の言葉が思いがけず、相手の心に突き刺さってしまう時がある。
先日、お洒落で本格的なコーヒー屋さんに友達数名で行った。
焙煎のコーヒー。
店内に入るだけで、いい香りが立ち込める。
アイスのカフェラテを頼んで、しばらくしてから、出されたカフェラテはなんとも絶品で、まろやかで芳醇で、おいしかった。
コーヒーが苦手だという友達に、一口味見と、飲んでもらって、一言。
「これなら飲める!」
わたしも、
「そうそう、全然苦味がないやんなぁ」
と、返事をする。
いや、待てよ。思い返すと、コーヒーに苦味がなくていいのか?よくない気がしてきた。
その後、何となく「シーン」としていた気がするし。店長さんも側にいたが、苦味のないコーヒー、と聞いてどんな風に思っただろう。
気になっている。
でも、すぐに気づいて、店長さんには笑顔で
「ありがとうございます」
と言ったし、リカバリーはできたかな。考え過ぎ?
やさしく言葉を伝えたいものだ。
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