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竹馬之友の住む街へ行く

2024年6月22日。久々に新幹線に乗った。何年ぶりだろう。車内チャイムが聞き慣れない曲で、そういえばTOKIOのアンビシャス・ジャパンは変更になったんだっけと思い出す。

行き先は名古屋。
帰省の折には必ず中継しなければならない都市で馴染みがあり、赴くにあたり、さして高揚感もない。
でも、今回は目的が2つ。
ライブにいくことと、
幼馴染ーーいわゆる竹馬之友(以下:竹馬)に会うこと。

名古屋に向かうことが、こんなに楽しみなことがあっただろうか。
そういえば2019年冬に、THE YELLOW MONKEYの名古屋ドームに行ったっけか。地方へライブを観に行くのもそれ以来だ。

今回、観たいライブの開催場所が、竹馬の住む場所から30分もかからないところにあるということで、彼女の家に一宿させて貰い、かつ一緒にいくことになった。
誰かを誘ってバンドのライブに行くことも、友達の家に泊まることも初めてかもしれない。
(誘われたり、我が家に泊めたりはしたことはあったけど。)
明らかに私は浮き足立っていた。

しかし当日が近づいてきた頃、ちょっとだけ雲行きが怪しくなってきた。
どうやら彼女が多忙を極めている。竹馬は現在転職活動をしていて、それが仕事の立て込みと重なって逼迫しているようだった。6月22日の予定は死守してくれたらしいけど……すこし体調も崩していたらしいし、どうか無理はしないでほしい。


名古屋に到着。
新幹線駅ホームの住吉(立ち食いきしめん屋・うまい)で昼食を摂り、東山線で栄駅へ向かう。
栄の大通りに立ち並ぶ商業ビルは、近年次々と建て替わっているらしい。beforeの記憶が曖昧なので感慨にひたることも無いけど、それでも街並みには何となく懐かしさを覚えた。


しばらくして竹馬と合流。4月に彼女がイベントのため上京し、うちに泊まりに来て以来の再会だった。とりあえず元気そうだ。良かった。

近くのコメダ珈琲で、互いの近況報告をしながらライブまでの時間をつぶすことにした。
竹馬より、ある一社の面接を通過した、と報告を受ける。次が社長面接ということは、現状ほぼ内定なのだろう。
竹馬の職種はゲームのデザイン。同時にそれに纏わる調整諸々もこなしているそう。当然だが企業は圧倒的に東京を所在地とするところが多く、関連する都内の会社を受けていた。

ところが、転職のため上京することについて
「私を説得して欲しい」
と彼女は言う。
自分の可能性を探して転職活動をしたはいいものの、それが現実的になってくると躊躇いがあるのだという。わかる。東京へ拠点を移動しなければならないとなると、負担もかなり大きい。

私は、願わくば彼女に東京へ来てほしい。(一緒に遊びたいし。)
よし、ならば存分に説得しようじゃないか。

――やりたい仕事ができて、かつ能力を認めてくれるならいい転職先だと思う。
――欠員補助じゃなくて業務拡大理由の採用募集なら先行きよさそうじゃない?
――万が一合わなかったとしても他の転職先も東京は多いだろうし。
――いま住んでるところは実家に帰りやすいかもしれないけれど、盆正月しか実家に戻ってないなら、離れた東京にいても変わらんて。
――コンサートとかイベントいっぱいあるし、行きやすいから、東京最高。
――名古屋は近隣の岐阜三重出身者が多いけど、東京はいろんなとこ出身の人おるし、いろんな刺激があるで。
――万一きみに何かあったとき、近くに私がおるやん。頼ってくれよ。おいでよ。

猛プッシュした。
竹馬は「せやな」「うんうん」と聞いてくれたが、どこまで響いただろうか。

孟子曰く、「四十にして不惑」らしいが、それを目前にして我々は、相変わらず心許無くぐちゃぐちゃしているところがある。内面が、どこかを彷徨っている。
でもそんな中で竹馬はちゃんと、コレというやりたい仕事があって、その業種で働き、キャリアを積んできた。それでなお、新しい環境とより良い仕事に挑戦しようとしている。凄いことだ。
惰性で東京に居る私とは、比べものにならない。


ライブ終わり、竹馬の住むアパートへ向かう。
駅から5分、コンビニは近所に3社あるらしい。
アパートに到着。外観の綺麗な二階建て、入居した時は新築だったという。
広々としたワンルーム。55型テレビを置いても圧迫感などない。
その他、仕事用のデスクが二つ、モニター2枚のWindowsと、別にMac。ベッドにソファにローテーブル。床に客用布団を敷いても超余裕。天井も高い。
無論バストイレ別。洗濯場、洗面台も広々。

市街地へのアクセスも良く、これで家賃六万円代か……
都内だったら倍以上かもしれない…

「名古屋、いいねぇ。」
そう言わざるを得なかった。

デカいテレビと素敵なインテリアたち

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