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AKB48グループTDCウィーク2020振り返り

TOKYO DOME CITY HALLで毎年1月に開催される、リクエストアワーを中心としたシリーズはもう今年で9年目くらいなのだろうか。僕がヲタクを始めて最初のリクエストアワーは(今は無き)SHIBUYA-AXではなくこちらだったので、僕のリクエストアワーの歴史とほぼ同じになる。

今年は、各姉妹グループの選抜コンサート→AKB48グループリクエスアワーベスト50→AKB48単独コンサート→岡田奈々✕村山彩希コンサート→各グループ若手メンバーソロコンサートといった流れだった。

もともと各グループの見本市としての役割を果たしてきたAKB48グループリクエストアワーではあったけれど、世代交代によって当て書き曲の世代交代もそれぞれのグループで進んでしまったのもあり、もはや各グループの文脈をそのコンサートでつなぐことは難しくなっている。リクエストアワーの発表順位は縮小して、姉妹グループの選抜コンサートや若手メンバーのソロコンサートとしてセパレートした上での連結になった今年の流れは、変なストレスがなくてよかったように思う。

このシリーズに僕が入ったコンサートは、5つ。


NGT48選抜コンサート 〜TDC選抜、合宿にて決定。初めての経験〜

細かい演出面の感想は上の別記事に書いた。こういう感想を持った上で、同じコンサートに入った友人と話をしていると「久々にいろいろ言いたくなるコンサートだった」というフレーズが出てきた。

48グループも歴史を重ねてきて、どうしたら客席が喜ぶのかがほぼ確定している中で、それと違うことをやっていいのか、そしてそれをこちらも受け入れられるのか。直接的に事件の原因とするのも違うとは思うけれど、コミュニケーション的なサービスが人気の要因の1つだったことは間違いないのがNGT48だった。

そこからステージパフォーマンスへ寄った変化をすることをいまは受け容れるしかないところで、今後も来場した3000人が同じように続けられるのか。ということに、僕自身が何より不安である。


SKE48選抜コンサート 〜私たちってソーユートコあるよね?~

出演メンバー:
井上瑠夏、北川愛乃、野島樺乃、松井珠理奈、荒井優希、江籠裕奈、大場美奈、惣田紗莉渚、高柳明音、竹内彩姫、日高優月、古畑奈和、浅井裕華、鎌田菜月、熊崎晴香、佐藤佳穂、末永桜花、須田亜香里、髙畑結希

01. 美しい稲妻
02. 片想いFinally
03. 石榴の実には憂鬱が何粒詰まっている?
04. DANCE
05. ESCAPE
06. ショートケーキ(野島樺乃)
07. 走れ!ペンギン(井上瑠夏)
08. シアターの女神(北川愛乃)
09. 彼女になれますか?(日高優月)
10. 制服レジスタンス(江籠裕奈)
11. MARIA(末永桜花)
12. 枯れ葉のステーション(惣田紗莉渚)
13. 人生の無駄使い(髙畑結希)
14. 寡黙な月(鎌田菜月)
15. 本性(古畑奈和)
16. 前のめり(竹内彩姫)
17. コップの中の木漏れ日(大場美奈)
18. それでも好きだよ(浅井裕華)
19. 12人姉妹の歌(佐藤佳穂)
20. バズーカ砲発射!(荒井優希)
21. 国境のない時代(熊崎晴香)
22. 泣ける場所(高柳明音)
23. わるりん(須田亜香里)
24. Who are you?(松井珠理奈)
25. ソーユートコあるよね?
26. FRUSTRATION
27. コケティッシュ渋滞中
28. オキドキ
29. 無意識の色
30. パレオはエメラルド
<アンコール>
31. Stand by you
32. アイシテラブル!
33. 1!2!3!4!ヨロシク!
https://natalie.mu/music/news/363824

もともとSKE48を大好きになって48グループに飛び込んだので、ホームというか実家というか母校というか、そんなグループであるのは間違いないのだけど、実はあまり感想が出てこなかったのがこの日のライブだった。

全体としてひどいできだったとか、そういうわけじゃない。最新シングル『ソーユーコトあるよね?』の選抜メンバー+松井珠理奈さんのソロパートをそれぞれ3分程度ずつ披露するパートはショーケースとしてよくできていたと思う。3年前に1人15分ほどの持ち分を連続して見せた「ソロコン」を思い出した。新選抜メンバーは喜びを表現して、既存のメンバーは新しい自分を見せる人もいる。

それはそれで楽しかったのだけれど、では自分の想定を超える脳内物質が出たのかというとそうでもなくて。楽曲ではあえて「48おじさん曲」ではない路線かつセンターの人選に合うことをやってくれているし、マーケティング的な面での工夫もAKS運営時代よりも見えるようには思う。それがガチッとはハマらない今の自分がなかなかに憎い。


AKB48グループリクエストアワー2020 セットリストベスト50

49位 11月のアンクレット(AKB48 シングル表題曲)
49位 青春 ダ・カーポ(AKB48 シングル表題曲)
48位 カモミール(HKT48 シングルカップリング曲)
47位 アイスのくちづけ(AKB48 シングルカップリング曲)
46位 春はどこから来るのか?(NGT48 シングル表題曲)
45位 Show fight!(AKB48 シングルカップリング曲)
44位 動機(AKB48 シングルカップリング曲)
43位 青春時計(NGT48 シングル表題曲)
42位 世界はどこまで青空なのか?(NGT48 シングル表題曲)
41位 抑えきれない衝動(AKB48 シングルカップリング曲)
40位 それでも彼女は(AKB48 シングルカップリング曲)
39位 ジッパー(NMB48 劇場公演曲)
38位 出航(STU48 シングルカップリング曲)
37位 滑り台から(SKE48 シングルカップリング曲)
36位 光と影の日々(AKB48 シングルカップリング曲)
35位 流れ星に何を願えばいいのだろう(AKB48 シングルカップリング曲)
34位 だらしない愛し方(AKB48 シングルカップリング曲)
33位 女の子だもん、走らなきゃ!(HKT48 シングルカップリング曲)
32位 会いたくて嫌になる(HKT48 シングルカップリング曲)
31位 逆転王子様(AKB48 劇場公演曲)
30位 法定速度と優越感(AKB48 シングルカップリング曲)
29位 モニカ、夜明けだ(AKB48 シングルカップリング曲)
28位 ジャーバージャ(AKB48 シングル表題曲)
27位 哀愁のトランペッター(AKB48 シングルカップリング曲)
26位 抱きつこうか?(AKB48 シングルカップリング曲)
25位 涙の表面張力(AKB48 アルバム収録曲)
24位 赤いピンヒールとプロフェッサー(AKB48 アルバム収録曲[SKE48ソロ])
23位 Vacancy(AKB48 シングルカップリング曲[SKE48選抜])
22位 さよならサーフボード(AKB48 シングルカップリング曲)
21位 夢力(STU48 シングルカップリング曲)
20位 Chain of love(HKT48 シングルカップリング曲)
19位 下の名で呼べたのは…(NGT48 シングルカップリング曲)
18位 夜風の仕業(AKB48 劇場公演曲)
17位 今の私じゃダメなんだ(SKE48 アルバム収録曲)
16位 桜色の空の下で(AKB48 カップリング曲)
15位 やさしさの稲妻(NMB48 カップリング曲)
14位 クロス(SKE48 劇場公演曲)
13位 真っ赤なアンブレラ(HKT48 シングルカップリング曲)
12位 夢は逃げない(NMB48 シングルカップリング曲)
11位 恋するフォーチュンクッキー(AKB48 シングル表題曲)
10位 Maxとき315号(NGT48 シングル表題曲)
9位 パッションフルーツの秘密(HKT48 アルバム収録曲)
8位 僕たちは 今 話し合うべきなんだ(AKB48 アルバム収録曲)
7位 僕らのStand By Me(HKT48 アルバム収録曲)
6位 夢の階段を上れ!(SKE48 シングルカップリング曲)
5位 さくらんぼを結べるか?(HKT48 シングルカップリング曲)
4位 月と水鏡(AKB48 劇場公演曲)
3位 47の素敵な街へ(AKB48 シングルカップリング曲)
2位 今日は負けでもいい(NGT48 シングルカップリング曲)
1位 ロマンティック病(HKT48 シングルカップリング曲)

NGT48が出てくるあたりから加速しただろうか。もはやそれぞれの文脈を共有することへの無理があるようになって久しい。数千曲ある48グループの楽曲を発掘する意味で楽しかった機会も、文脈ありきのリクエスト大会ではなかなか難しい。とはいえ年に一度の展示会としてはほしい、というのが今回のリクアワだったんだろう。

僕自身も最近はAKBタイトルのカップリングまでも細かく聴かなくなってしまったので、タイトルを見てすぐにわかる曲は多いわけではない。ただ、メンバーが出てくるとある程度納得はできる(とはいえ『動機』にはびっくりした!)から、まだまだ各48グループをまたぐヲタクも捨てたもんじゃないと思った。

『夢は逃げない』ではNMBのドラフト3期や6期の成長に胸を打たれたし、『僕らのStand by me』ではHKT2期の絆を感じて胸の奥にしまった思い出を引き出されたし、『今日は負けでもいい』を歌うNGT研究生を見つめる加藤美南さんや本間日陽さんの涙を見て僕も泣いてしまった。帰りの地下鉄で声を出して泣きそうになって必死でこらえた。

各グループの、それぞれの加入期ごとの、メンバーごとの想いが曲に乗る。それだけは変わらない。

自分は前半パートが現地だったのだけれど、初めて観ていい歌だと思った『流れ星に何を願えばいいのだろう』が、YouTubeにもストリーミングにもない…。できればストリーミング配信してくれるとありがたいです、キングレコードさん…。


AKB48 久保怜音ソロコンサート ~わたあめランドへようこそ~

Overture
01. 最強ツインテール
02. 初恋ダッシュ
03. 太陽と散歩
04. トイプードルと君の物語
05. ラブラドール・レトリバー
06. ファースト・ラビット
07. 走れ!ペンギン
08. なめくじハート
09. 猿のシンバル
10. ウッホウッホホ
11. 野蛮なソフトクリーム
12. アーモンドクロワッサン計画
13. ごめんね、好きになっちゃって…
14. いらない ツインテール
15. カモネギックス
16. 水の中の伝導率
17. 誰のことを一番 愛してる?
18. 上からサトネ
19. やさしくするよりキスをして
20. チャンスの順番
21. 好きだ 好きだ 好きだ
22. 大声ダイヤモンド
23. #好きなんだ
24. 新しいチャイム
【アンコール】
25. 黄金センター
26. 僕の太陽
27. 夢は逃げない
28. 虹の列車

加入した第2回のAKB48グループドラフト会議から知ってはいたものの、劇場公演で観るタイミングがあまり合わないのが久保怜音さんだった。数年前の夏のチームまたぎセットリスト『僕の太陽』でセンターに抜擢されたあたりから、「本店推し」の人からの支持が高まってきたように感じる。この公演にも結局めぐり合わせが悪かったので興味がわかなかったので先行販売は応募していなかったのだけれど、気が変わったのが今年の1月3日。

NPPに出演したAKB48フレッシュ選抜での彼女がとても気になったのだ。前列に出てくるなり、パッと雰囲気が変わるようなアイドルとしてのまぶしさを感じた。この日は群舞だったからこそのよさもあったところが、ソロでやるとどのようになるのかを観てみたくなった。

そのような流れで人となりはそれなりにしか知らない中で2時間ものソロライブを観るのはとても楽しかったし、その後の感想を聞き合うのもとても楽しかった。愛情の角度と解釈の違いが出る。

僕には「しっかりとアイドルをやりたいし、やっているんだ」という彼女が描きたいフレームが見えたように思う。そういうフレームを作る割には「大好きなNMB」が強めに見えてくるし、実はそのフレームと実際の想いの部分の密度の違いのギャップがおもしろさであるように僕は思った。途中で差し込まれる映像での受け答えは、それを引き出すいいスタッフワークだった。

ただ、本編とは少し違って、メッセージ性を全面に押し出したアンコールだった。『黄金センター』→『僕の太陽』→『夢は逃げない』→『虹の列車』で、「センターになるんだ」という決意の表明。このセットリストを決めたのはおそらく後輩の山内瑞葵さんがセンター発表になった1週間前より早かったはず。こんな運命の妙を得た久保怜音をめぐるセンターへのストーリーはどうなっていくのか。今度は彼女のいるチームB公演にそろそろ入りたい。


AKB48 山内瑞葵ソロコンサート ~“MY” Revolution~

Overture
01. シンクロときめき
02. 初恋ドア
03. 必殺テレポート
04. それでも好きだよ
05. 伝説の魚
06. 回遊魚のキャパシティ
07. ALIVE
08. 君はメロディー
09. LOVE修行
10. (ソロダンスパート)
11. Make noise
12. 右足エビデンス
13. 点滅フェロモン
14. 私は私
15. My Revolution
16. モニカ、夜明けだ
17. 走れ!ペンギン
18. ファースト・ラビット
19. Reborn
20. 猫アレルギー
【アンコール】
21. 恋するRibbon!
22. ラッキーずっきー
23. 大声ダイヤモンド
24. 抱きつこうか?
25. 僕は頑張る

今年数あったソロコン/ペアコンで、実は一番楽しみにしていたのがこのずっきーのコンサート。最近の48では握手会必須スキルになっているコミュニケーション巧者タイプというわけではないし、プロデュースが得意というわけでもない。だからこそ、どんな2時間を観せてくれるのかワクワクしていた。

自身が憧れる「魔法使い」の前半の演出や同期に力を借りた以外は、彼女の身体一本でアイドルのステージを全うしたと思う。

変なたとえ方をするなら、火の玉ストレートとフォークだけで9回投げきったようなライブだった。彼女の何がすごいって、ひたすら正確に踊っていく身体性である。もともと手足が長い上に、お腹の筋肉を使った脚を引き上げるので、腰が下がらないし脚のさばきも変な力が入らずにスムーズに動く。

くせのないダンスの真骨頂は、中盤のダンスパートだった。『Make noise』や『右足エビデンス』ではバックダンサーと一緒に踊ったのだが、過去の48グループライブでここまでバックダンサーとシンクロしたソロ曲はなかったと思う。それほどに彼女のカウントが正確だということだ。

どのグループのヲタクにもいる「パフォ厨」の人にはぜひ観てほしい。ここまで踊るための正確性を身体にまとってやりきってからだろうと、どの子に対しても思いそうな自分の誰目線を呪いたくなるはず。自分がそうだもの。

ここまで火の玉ストレートを9回2/3まで投げきったあと、最後に『僕は頑張る』で終わるアイドル。『僕は頑張る』で締めるセンターなんて、僕は今まで観たことなかった。


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