健常者と障害者のはざまで…01
私は片耳聾である。
ムンプス難聴という、おたふく風邪のムンプスウイルスの内耳に感染してしまうことで起こる、急性感音難聴である。
感音難聴とは、内耳に音を感じる器官や聴神経などの異常によって起こる難聴のこと。
片耳聾は、もう片方の耳が健聴の場合、障害者手帳をもらえないケースが多い。
不便なことも多いし、就けない仕事もある、だが福祉的サービスはほとんど受けられないというのが実情だ。
聴覚障害の手帳申請で対象になるのは、『片方の聴力レベルが90dB以上で、かつもう片方の耳も聞こえにくい(50dB以上)』の場合である。
私の場合、上の画像のグラフにあるように、左耳は100dBを越えないと聞こえない…お医者様からは左耳は聾だと思ってください。と言われた。
しかし、右耳が健聴で10dB前後から聴こえるため、身体障害者手帳の発行はできない。
片耳難聴で不便なことは、グループディスカッションなどでは、多くの音が多数の人から発せられるため、音を聞き取れない。
居酒屋などが1番いい例だ。
聞こえる側の隣の人としか会話が成り立たないのだ。
一対一の人間関係なら円滑に進めることができるが、それ以上の人数のグループでの人間関係などは、とても厳しい。3人のグループにいても、だいたい会話を聞き取れることができず、1人孤立してしまう…
私は口を読むこともできるが、これは日本語に限られるし、正面を向いている場合、相手がマスクをしていない場合に限られる…
コロナ禍の現在は、ほとんど口を読むことはできない。
カフェなどでお会計をする時は、いつも『耳が悪いので大きめの声でお願いします。』と、一声かけてから会計をお願いする。それでも聞こえない場合は、筆談をお願いしている。
日常会話もままならないことが多いのに、なぜ手帳は発行できないのだろうか?。
私のような当事者がもっと声を上げていかなければいけないのではないか、とも考えている。
あと困るのは、音の鳴っている方向が分からないこと。片耳難聴の場合、健聴の耳から入ってくる音が全てになってしまうため、どこから音が鳴っているかわからない。車を運転している時の救急車のサイレン、携帯を無くした時の着信音(方向が分からないので探せない)、咄嗟に話しかけられた時、呼ばれた時どこから呼ばれているのか分からないのだ。
そのため、友達や家族にはいつも聞こえる側の右側に立ってもらうことになる。
グループでの飲み会にも参加しない。愛想笑いをしながら自分が聞こえないことを再認識しなければいけないことが辛く、強いストレスになるからだ。
家族との食事も気を使う。聞こえる側の隣以外の人とは会話が成り立たないので、家族と食事をする際も口を読んだり、推測しながら話をする。
これから、ムンプス難聴になってしまった経緯と補聴器について、ムンプス難聴だからこそのアルバイトの選び方を投稿していきたいと思う。
ムンプス難聴は、ワクチンを打つことで防げる可能性のある病気だ。
少しでもそれを知ってもらえたら…
Aoi
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