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あんしん手品

手品が苦手だ。

タネも仕掛けもないなんて嘘、

タネと仕掛けがあるから手品は成立する。

「このコインをよく見てください。」

手品を暴くとき、注目しろと言った先を

見てはいけない、そして可能であれば

手品師の後ろに立つのが良い。

ああ、しっかりと別の部分をガン見していたのに

あっと言う間にテレビ画面の中では

コップの中にコインが移動している。

悔しい、なにもわからない。

どんな仕組みだ、それは。

種明かしを早く。

「はい、では次の手品です」

次に行くな、もやもやする。                               地団駄を踏む。

そうして

次から次に奇術師が手品を繰り広げ

わたしのもやもやは最高潮に。

「あのね、この横柄のハンケチがね、今から

あっという間に、縦柄になりますからね」

「今からこのボックスからなんでも

思ったとおりの色の玉をだせますからね。

え?緑?

緑は今日、おやすみ」

なんて安心する手品。

ギラギラの目で私の心を読んだり、

大事なものをいちにのさんで消したり、

仕掛けがないと嘘をついて

わたしの心にもやもやを残さないで欲しい。





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