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短歌・詩

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2018年3月の記事一覧

この花の名前を知らない

この花の名前を知らない

この花の名前をわたしは知らない。けれど、この花もきっと、自分にどんな名前がつけられているのかなんて、知らない。

花の名前
鳥の名前
魚の名前
ぜんぶ人間が名付けただけで
なんの意味もない。

さらに残酷なのは
それぞれ生きている草を
分類するのが面倒だからと
「雑草」。
雑草と呼ばれる草たち。
雑草と呼ぶなら
最初から分類しないで。

名前なんていらない。
あんなの、人間のエゴだ。
名前をつける

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いまのきもち

瀬戸内海で一番透明なシーグラスになりたい

誰かへ

「みんな」に私もカウントされてますか?

天国限定SNS

心が折れたら
無理に治さなくていい。

心が折れたままでも
生きられる方法を
考えたらいい。

考えることもできなかったら
私が代わりに考えるから
心が折れたら
一番に連絡して。

LINEが緊張するなら
君と僕だけのSNSを作っておくから
そこで連絡して。

コメント
先に天国に行くから、あなたも辛くなったら天国にきて私に連絡してねって詩。天国に行くことを「死」とは捉えていないので、心がが折れた

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狭い部屋で愛を誤魔化せ

狭い部屋で愛を誤魔化せ

とるに足らない男に
運命感じたフリをして
幸せ手に入れたフリをして
1Kのアパートで
暮らしてみたい。

2年経ったら
「窮屈でした」って
別れを告げたい。

君の厚かましさを
この部屋の狭さのせいにして
「君は悪くないよ」って
誤魔化したい。

幸せなフリをするのも
それなりに幸せ。

コメント

①「あなたが邪魔」っていうのは気がひけるので、「部屋が狭いから引っ越すだけ」って言い訳したい。

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感情の名前

感情の名前

この気持ちが果たして「好き」なのか、僕は分からない。

みんなの話を聞いてると

どうやらこの気持ちは「好き」でいいらしいけれど

でも本当にこれが「好き」か分からないから

僕は簡単に「好き」って言わない。

嫌いじゃないのは確か。

心地よいのも確か。

温かいのも

喜ばせたいのも

いなくならないで欲しいのも確か。

でも

僕の大切な気持ち

ありふれた感情に分類しないで。

僕だけの表

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字幕映画を見れない人

字幕映画を見れない人

きみとみる

グレイテストショーマンという流行りの洋画

当たり前のように字幕を選んだけれど

終わった後

ポップコーンを一気飲みみたいに食べながら

「よく分かんなかった」って

「字幕って目が追いつかないんだよね」って

にこにこ言う人。

涙を返して!

<コメント>

グレイテストショーマン見てみたいな〜って思いながら頭に思い浮かんだ映像を言葉にしてみた。

私はあんまり映画を見ないから

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死ぬことの許可

死ぬことの許可

「死にたい」ってつぶやいたら

「死んだらだめだよ、僕が悲しいから」って言われて

たったそれだけで「もう少し生きよう」と思える、私の弱さ。

私が死んで

誰かが悲しむとしても

「別にいいや」って思うけど

君に「死んじゃだめ」って言われて

「そっか、だめなんだ」って納得してしまうから

きっとこれは特別な何か

特別な名前のつく感情なのだろう。

「好き」はありふれた表現で

特別って感じ

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生まれたくなかった

片付けなきゃいけないことがわかってたら散らかさなかったし

死ぬことがわかってたら生まれたくなかった

ちぐはぐ

「死なないでください」「ありがとうございます」

「好きです」「ありがとうございます」

話が噛み合ってないよ。

ないのに幸せ

ないのに幸せ

ないのに幸せ。

若さの特権。

お金がないのに幸せ。

安定してないのに幸せ。

ないのに幸せ、には叶わない。

お金がないけど楽しい、は、お金持ちになったらもう味わえない。

今だけのもの。

尊いもの。

ないのに幸せ。

お金がないのに幸せなのは

未来と健康があるからだね。

ないのに幸せなこの感覚を

冷凍保存したい。

そして

お金持ちになった時

ウイスキーの氷として

少しずつ

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二人ぼっちになりたい

二人ぼっちになりたい

恋愛に求めるのは

心安らぐのは

二人ぼっち。

社会に適合できない二人で

都会が苦手な二人で

コミュニケーションが下手くそな二人で

「さみしいね」「さみしいね」「さみしいね」「さみしくないよ」って

狭い部屋でお話したい。

元気な日は

玄米、畑の野菜、近所の人にもらった果物を食べたい。

「やっぱり採れたてがいいよ」って、健康な人のフリしたい。

二人で悲しくなった日は

セブンのパ

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純粋で大好き

赤信号を渡れない人。車なんて来てないのに。

車を運転しない人。まだお酒が残ってるかもしれないから、と。

一次会で帰ってくる人。すぐに顔が赤くなって、番茶を飲みたがる人。

グミが好きな人。食べ物の好みに男も女も関係ないよって。

釣りが好きな人。入れ食いの日より、一匹だけ釣れたアジに喜ぶ人。

どこにまみれても、どろにまみれても、汚れることができない人。そんなきみが好きです。