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スポンサーのありがたさ

クラブ経営において、チケット売上が大きなシェアを持てることは素晴らしいことです。もちろん、そこに紐づくファンクラブやグッズやスクール事業などの収益もしかりです。

仮にチケット平均単価が3000円X5000席全席販売できたとして1試合のチケット収益は1500万円。仮にホームゲーム全試合実現しても4億5千万円です。もちろん、クラブの集客力や会場のキャパにより異なりますが、現在のバスケ界の上限がこのクラスです。琉球ゴールデンキングスの沖縄アリーナはこの壁をいち早く超える可能性はありますが。価格を引き上げて平均単価を例えば、6000円にすることができるクラブもあるでしょう。しかしながら、高額になると毎回来ていたファンの方も数試合に1回とか限定していくこともあるでしょうから、全席売れないと売上げは当然下がります。よほど多くのファンを獲得して数試合に1回の人が増えても満席になるようなクラブが出てきたらそれはそれで地域での存在価値は高い状態ともいえると思います。どのような価格戦略をとるかに正解はなくクラブごとの判断になります。

前述した相当ポジティブなチケットの売り上げ、トップクラスのクラブのファンクラブ、グッズ、スクール売り上げ合算しても8億円相当。ここまで稼げているクラブは現時点で少ないですが。

仮にB1ですとある程度のチームを構築しようとした時のチーム人件費、お客様に喜んでもらう興行を行う場合の原価や事業を回すフロントの費用など現在の相場としてもレベル感により異なるので幅広ですが9億円~14億円はかかるでしょう。もちろん、コストパフォーマンスの良い体制づくりに長けているクラブがあったとしても長い目での維持は簡単ではありません。将来構想の新B1においては、さらに一段階上目のコスト構造になると思います。つまりもっと稼がないと厳しいということを意味します。

前述したポジティブな状況からでもスポンサー収入を除いてクラブを成り立たせていくことは不可能ですし、相当額のスポンサーを獲得しないとダウンサイジングするかチケット代に転嫁していくことも検討していかなくてはなりません。また、チケット収入が少なければ少ないほどスポンサーへの依存度が大きなっていくことになります。これはB1に限らずカテゴリーによりレベル差はあっても構造は同じです。

クラブは地域の皆様にお支え頂いて運営できています。ファンの皆様や自治体、バスケットボール協会の皆様等に応援いただいているのはもちろんなのですが、地元のスポンサー企業無くして今のクラブの運営は成り立たないのも事実です。ぜひとも、地域の皆様にはこの事実を改めて知っていただき、コロナ禍にも関わらずクラブを支援しているスポンサー企業をみんなで応援していただけるとありがたいです。このような良き循環を作っていただけると長く安定してクラブ運営ができます。それが結果、地域に貢献するための活動資金にもつながります。

よって、クラブによっては、スポンサーに目が向きすぎているとか、ファンよりスポンサーを大事にしているとか声を聞くことがありますが、そんなことはなく当然どちらも大切です。ただ様々な局面で多くのステイクホルダーと向き合っているクラブですのでご理解いただけると嬉しいです。

改めまして、Bリーグのリーグスポンサーももちろんですが、クラブスポンサーの皆様、コロナ禍により厳しい経営環境にも関わらずご支援いただき本当にありがとうございます。



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