試行テクスト

試行テクスト

水平線の湾曲するところへ届くだろう
f(x,y,z)=0を満たす軌跡が剥離を始める
そう、行動するだろう
指先で水平線を絡め取り月の義眼をあばいてしまう
自転車がつぎつぎ空へ落ちてゆくのを見下ろせば林檎は透ける
裏面から乳房を貫く未完の矢尻が極点へと呼びかけ
処方、接吻、過去、溶解、奇形から
一枚を選ぶときの表情になる
脱ぎ捨てた檸檬と交差点の発狂はラビリンス
白磁器の罅割れのさき際限の朱を添えてみる予言のように
雨粒と火照るからだの均衡を欠いて湖畔のホテルが崩れる
鳥の修復を稟議する風がコップのなかで欲望する
テクストときみの隙間が平衡感覚を保ちながら
椅子を傾けても実験水域の外界からは引用できない
病葉を発音し衣服に棲まる臓器を時刻する
花束の痛さをだれも語らない胸をあわせて落ちてゆくだけ
わたくしのかおをしずかにうつしては深みに星の落ちる音する
ミトコンドリアへと放牧せよ
水やりは二形態の結晶形が
遭遇を許可されるだろう
また灯火のような飢餓へと発光をする

#詩型融合

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