あめ、をしつつ、終える

分割されない瞬間、ひとつのトポスに、あめ、を見聞きし、た。ひとつの尖鋭な瞬間の、あめ、を生きたのであり、あめ、を、分割不可能な瞬間を物語る。あめ、と発語する<とき>、「あめ」は分割されない、と思われた。しかし、「あめ」の発語を可能する瞬間に、「あめ」の発語によって「あめ」が破壊されたのだ。「あめ」、「あめ」、「あめ」、、、、と反復する。反復によって「あめ」は「あめ」の外へと引き出され、「あめ」は「あめ」、によって分割される。「あめ」が破壊されつつ、「あめ」が降り続ける。

〈現存在〉(ダーザイン)ができるのは、生きつつ死につつ、すなわち死につつ生にとどまり続ける者として、〈死へと向かった存在〉 Sein zum Tode を証し立てることである。

  「いつもこれから」滞る
「いつも」と「これから」の、空欄に待機する、したまま、するよう、させられ、「いつも」に後れる未来が、進まな、い。あめが、進まな、い、禁じ、ら、れ、ている。「これから」、と残りの日々を嘆きつつ、あめを消費してゆくのだろう。そして、いつも、いつも、あめを「追い越さ」なければならない。冒頭ののち、あめを消費しつつ、消費され、消費したまま、あめにとどまり、消費された。

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