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noteを書かなくなってから1年以上が経ちました。
あの後、派遣会社の紹介で、すぐに嫁ぎ先の金融機関で働き始めました。
派遣は時給も高いし収入は安定しているし、有給だってある。
前居住地で、古民家をリフォームして始めたお店の後も次の借り手が決まって、家賃で借入分の返済が出来ている。
移動販売車も高く売ることが出来て、ローンの残りも完済できた。
これで、10年想い続けた人のためにやってきたカフェという仕事を全て「リセット」出来たのだ。

このまま安定して定年まで10年ちょっと、派遣の仕事をしていけば安泰だと思っていました。
でもまぁ、わたしの人生が、そう簡単には行かないんだろうなぁ…っていうのもウスウス感じてはいたんだけれど…

わたしは自分がやりたいと思ったことをやってきました。
どこで何の仕事をしても合わないというか、いつも体調良く働けない。
これか?あれか?とウロウロしたり、リーマンショックの時は行くとこ行くとこでクビ切りされたり。
何をしてもだめなので自分を見つめてみたところ、「家にいたい」というのが答えでした。
でもお金は自由に使いたい。
だから今は派遣で働いている、というところに辿り着いている。

なので、特にやりたいことってなくて、「移動カフェを一人で立ち上げてやった」で、十分満足。
パートナーと共にコーヒーと簡単なものでお店が出来たら…と思っていた矢先に主人と出会ったら、彼は一流の板前でした。
だけどわたしの気持ちは盛り上がらず、結婚した先でのカフェも上手く行かず、もう絶対やりたくない!っていう気持ちでした。

しかし、主人はずっと勤め人で、「いつか自分のお店を持って自分のやりたいように料理したい」という願望がありました。
ここで「じゃぁ一緒に!」という気持ちにもなれず、今の安定が続くよう、見守っていました。

主人は仕事の忙しさとストレスで、わたしに当たることもありました。
料理に集中出来たらいいのに…と思っていたら、主人の息子Aくんが何かお店を始めよう!と言い出しました。
宿泊施設か、飲食店か。
Aくんの彼女も身内同然の関係なので、彼女も入って立ち上げよう!って話になりました。

Aくんと、主人の料理をメインに何をしていくか話していくうちに、わたしのコーヒーとシフォンケーキはやらないの?って話になりました。
Aくんはコーヒーも甘いものも摂らないんだけど、わたしのコーヒーとシフォンケーキを食べたとき、「これだよ、コレ!!」とピンと来たと言いました。
わたしはカフェの仕事への情熱がなくなってしまっていたので、Aくんや主人がお店か何か始めても、今の仕事を続けようと考えていました。
だから、コーヒーとシフォンケーキの技術は教えるから、どうぞやってくださいっていうスタンスでいました。

具体的に物件を探すAくん。
しかし思う場所が全然見つかりません。
見つからないということは、見つからなくていいって事だろう…
料理のメインを何にするか?コーヒーとシフォンを、その料理にどう組み合わせていくのか?定まらない状態でいたからです。

物件も、どこかいいところがあったら教えてと言われるけど、どの場所がいいか?って聞かれたら、わたしは10年想い続けた人が住む場所が良くて。
海は透き通り、本当にキレイだったのです。
そこ以外に、いいと思える場所は今のところありません。
けれど今更、主人やAくんを引き連れて、そこに戻るのもおかしい。

すごく気に入っていたのに、なぜ彼と一緒にいられなかったのか?
悲しくなって腹も立ちました。
でも、今となっては、わたしはその彼を想うことで、その土地に呼ばれていたんじゃないか?と気づきました。
そして、わたしはその土地に、何年も、いや何十年も前から呼ばれていたのに、なぜそこに居させてもらえなかったんだろう?という疑問が湧いてきました。

---その疑問を解明したい---

わたしは謎解きの旅を始めることにしました。

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