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1974生まれが見たM-1の感想とウエストランドについて

1974生まれの男が見たM-1の感想を書きます。

いやー面白かった。今年はさらにレベルが上がって、どの組も素晴らしかった。ウエストランド井口には怒られそうだけど、感想を言うのは自由でしょう。

カベポスター

トップという重圧はあれど、いきなりいい感じで面白かった。これで全体のムードが決まった。左のでかい方、佇まいと喋り方に、どことなくチュートリアル徳井っぽさを感じた。

真空ジェシカ

何がなんでもボケてやる、という関東地下芸人の心意気を感じた。ここ数年、メディアで見かけるようになったが、スタンスはいつも同じ。川北の髭と髪の毛がなんとも汚らしくて不快感。もっと清潔な感じにしてほしいが、いつも地元の同じ美容院で髪を切っていると、何かで見た。あれがこだわりなら仕方ない、残念。それがボケであってほしい。

オズワルド

正直、「もういいでしょ」という印象。M-1で何度も見ているし、テレビでも売れているので、新鮮味はなかった。出だしからスピード感を間違えたのか、ちょっとだけ上滑りしていたような。何年か前の「畠中、いま大丈夫?」を超えないと厳しいかな。

ロングコートダディ

面白い。「兎」ってなんだよ。なぜこの名前? 変なところに引っ掛かってるのもなぜか笑ってしまう。堂前のシュッとした佇まいが心地よい。GYAO!だったかで若い頃の映像も出ていたが、2人ともガリガリで、当時見たら嫌いだったと思う。今の方が面白そうに見える。関係ないが『相席食堂』で、実家の屋根の上に立って登場した堂前の姿が忘れられない。

さや香

初見だったが、面白かった。王道のしゃべくり漫才、今年はこれが天下を取るかも、と思わされた。でも、活動拠点は関西から動かさないんだろうな。アキナのように、西でずっと頑張るのかも。それはそれでいいんでしょう。左の男が、政治家の秘書とか、ボディーガードに見えた。スタイルもよくスーツも似合うので役者向きでは? 右の人のパーマ感が好きじゃない。

男性ブランコ

左の浦井、エロくない森本レオ的な、文豪のような佇まいが好き。スーツも素敵だった。歳を取ってからバイプレイヤーとして活躍する俳優みたいな雰囲気。「切られ方がキレイ」という感想が多いのは、演技力の賜物? ネタも面白かったが、キングオブコントの「ホンマきてくれたんや」を超えられなかった。

ダイヤモンド

ネタが面白い、と芸人が評価するのは納得だが、どうにも華がない。M-1は漫才の型をどうやって革新するか、という現代アートのような側面もあるのだが、それ以前に「お笑い」なので、こっちは感心したいわけじゃない。左の野澤のセリフが聞き取りづらい箇所もいくつかあり、こっちに苦労させるなよ、と思ってしまった。仏頂面してるなら、演者じゃなく、作家になればいいのに。

ヨネダ2000

破壊者。彼女たちの通った後は焼け野原。ネタ、というより音楽を1曲演奏した感じ。おそらく頭から最後まで同じBPMで流れているので、ハウスやテクノでマッシュアップできそう。面白さというより、気持ちよさを優先してネタを作っているのかな。志らくは「女版ランジャタイ」と評したが、多分彼らより狂っている。誰のいうことも聞かないだろう。テレビタレントになる気もなさそうなのが、ちょっと残念。こっちはもっとテレビで見たいのだが、現状ではスタッフがどう扱っていいかわからないだろう。

キュウ

何度も見たことはあるが、好きになれない。発想力はあるのだろうがダイヤモンドと同じく、作家になればいいのに。ガリガリ体型でスーツがギリまで細いのが嫌。右の男のキメ顔、自分が思っているほど面白くないと思う。

ウエストランド

井口の真骨頂が爆発。「悪口漫才」とか言われているが、毒舌は関東の伝統芸能。ツービートみたいなスピード感があるが、井口の圧倒的な小物感がこちらに嫌悪感を与えない。同じことをアルコ&ピースの平子がやったらムカつくだけ。感情が溢れ出て同じセリフを何度も言うところ、言葉に体重が乗っていて気持ちいい。1本目が終わり、「まだ聞きたい」という気持ちが残っている状態で2本目に突入。さらにドライブがかかって圧倒された。さや香、ロングコートダディも面白かったが、井口の熱は最後まで漂っていた。結果は納得。毒舌芸はマツコや有吉のように「負」を抱えた人でないと視聴者が納得できない。井口のサイズ感、歯が2列生えているという奇妙な生き物感が、すでに「ずっと人生苦労してきたんだろうな」という前振りになっている。

ぶちラジもたまに聴いてるが、面白いのに再生数が全然あがらなかった。河本の面白さに世間が気づいてしまうときが来たのかもしれない。彼が芸人としてはポンコツで欲がないのに堂々としているから、井口の怒り芸が冴える。井口は絶対に河本を褒めないが、腹の底では河本を面白がっている。今までのままでは辞めてしまいそうだったから、ギャラを折半にしたのだろう。

YOUTUBEにM-1とは違う「ウエストランドが漫才をする熱い理由」というネタが1本上がっているのだが、これが異常に面白い。井口の怒りが炸裂し、増幅し、いつしか自分のツッコミを自分のツッコミが追い越していく、という摩訶不思議な現象が起こる。サブリミナルのように「お花届いたぞ、じゃないんだから」というフレーズがいつしか脳内を破壊する。このネタは明らかにヨネダ2000より狂っている。

ちなみに、妻は「〜じゃないんだから!」というフレーズは井口が発明した、という。そういえば近年芸人の間で使われるようになった気がする。関西弁の「なんでやねん」に相当する言葉はながらく関東になかったが、井口が発明したのなら、後世に残る功績だ。岡山出身だけど。優勝おめでとう!

ウエストランドが漫才をする熱い理由

https://www.youtube.com/watch?v=bdG9JIg32pk


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