【川柳十句】響(きょう)

スパンコールの眼は薬莢にあらず 星

苦ければレモンの鼓膜ひとしきり

数えきれない己 三面鏡の密

かなしみが先に染みれば夏馴染む

効率の良いマーチ、僕は春じゃない

履きすぎた靴揃えずに満ち足りる

譜面台ばかり林立して裸足

アルペジオダークモードに滑る泡

ふきだしのノズルなんにも消毒しない

初雪の結晶 奥歯はヒビ、叶い、


/とわさき芽ぐみ 2021.3.1

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?