PPVV3という最高の刑事エンタメ


前提

として、これは男同士の泥臭い絆が好きな刑事物が大好きな女が書いてます。
PPVV3はおそらくPSYCHO-PASSシリーズが好きな人には違和感や物足りなさがあったとは思うんですが、私は刑事物として芸術点が高すぎて今までで一番好きです。
ちなみに私は同窓会を現地で観劇し、佐倉匠がドツボ過ぎて佐倉匠……と呻いてたら和田琢磨のオタクに佐倉匠が好きな人はこれも好きですと差し出されたのがPPVVシリーズでした。
※個人的にコパステって略称は世界観に合わねーなと思うのでPPVVと略します。

PSYCHO-PASSのアニメは途中までは楽しく見てたんですが、私はPSYCHO-PASSを最初ミステリーとして見てたので犯人が途中から現れるというのにアァン?となってから覚えてません。
当方ミステリーにおいて語り部が犯人・途中で出てくる犯人が地雷です。
SF刑事物として今見たらまた違うかもしれない…。
あとそう言えば常守朱が好きになれなかったんだよねえ(※泥臭く抗う人間が好きなため)って言ったら今すごくいいよ!!って昔言われたのを思い出したな…。
オタクあるある オタクの副流煙でうっすら知ってる。

そんな感じの人が書いてるnote.なので、スタート地点から違う人はおそらく見ても時間の無駄だと思います。
以下は永遠に刑事物としての芸術点が高すぎるという話をしてます。

刑事物としての芸術点が高すぎる

仲良し三係


私は刑事物として…ていうか…PPVV3は
“如何に美しく海堂監視官に全てを失わされるか"
がゴールなので、当たり前に仲良し期間が長ければ長いほど良いんですよね。
しかも出逢ってすぐ気の置けない関係になる、という関係性には九泉監視官がいるので、三係は仲良しであればあるほど、そして期間が長ければ長いほど良いんですよ。
失った時にコクが出るので。

「これ終わったら飯でも行こうな」
が海堂監視官の全てで、きっとこの三係はいつも海堂さんに歓迎されて、皆で協力すること、シュビラがくれた新たな輝かしい未来に向かうことを肯定したしそれに対して監視官というより海堂としてずっと接してきたんだろうな〜と思うとこれが廃棄区画のリーダー…鹿取が知ってる海堂の良いところってこういう所なんだろうな…。
あとどなたかが感想で「カウンセラーと監視官の適正があったのは海堂もではないか」ってのをお見かけして、ありそうだな〜と思った。
光の林崎、海堂監視官…。

違法捜査

真面目な馬場ちゃんの「アーアー聞きたくない!」
神楽分析官への「刑事としての誇りはあるか?」
海堂監視官の「俺が責任を取る」

刑事物芸術点がパーフェクトすぎないか?

踊る大捜査線で100回見た(見てない)
100回見たというか、刑事物のこういうシーン好きだろ!の盛り合わせスターターパック。
マグロとサーモンとイクラの三食丼(※私が好きなだけです)
この展開嫌いなやついるか?おらんだろ?の3点セット、サイコー!
俺が責任を取る海堂監視官!サイコー!馬場ちゃんが壊した備品の責任を持って管理課(だっけ?)にグズグズ言われるのを黙って聞いてた海堂さんが「これだから執行官は」って言われてその瞬間だけは反論するところをPPVV4海堂自我スピンオフでやろう。
まぁそれが「俺の部下に低脳な奴はいない訂正しろ」なんですけどサイコー!!!!海堂監視官サイコー!!!!刑事物としての!芸術点が!高すぎる!!!!ずっと踊ってられる!!!!

失われる仲間達

これきっと舞台じゃなかったら目を開いて絶命してる仲間達の目を海堂さんに閉じさせてただろ……私には“わかる”ぞ……。
やりたかった事が手に取るように分かる…(※憶測です)

神楽分析官vs仁木兄の電脳戦
地味な戦いをよくぞ芝居だけであそこまで…!!といつも思う。
あそこ逆にプロジェクションマッピングを使わないのが粋な演出だな〜って思ってる。
すごいよね、頭脳戦を芝居と肉体だけで、しかも二木兄はめちゃくちゃ動けるのにそう言うこともせずに魅せてるんだよ…。
あれマジですごいとしか言いようがない。
でもでも神楽分析官が結婚してるのは作中ほんの一言でいいから何処かに入れるべき、味わいが変わってくるだろ!
プリンはカラメルがあってこその甘味だろ!!!


青蓮寺くんvs仁木兄戦


青蓮院くんは九泉さんがバグる乱戦の時には水落がボコしたのを押し付けられる、仁木兄戦の前にはなんか懸垂みたいな事をしながら敵に飛び掛かる、それを経ての仁木戦なので二時間の中の成長…を感じてじんと来る。でもここ悲壮感が足りねーなと思ってたらまだここでは青蓮院くんは生きてるんだね。
水落の腕の中で事切れる青蓮院くんに気付いた時の動揺(オブラート)半端なかった。

個人的に『執行官も人なんだなぁ』と『だから執行官なんだよお前は』の究極の二面性を表した、“シュビラの人間への誤認”をよく表したキャラだったと思う。
バイオレンスや暴力的なものが好きなら、そりゃシュビラに犯罪者予備軍に判定される。
でも生成AIではない自由意志で書きたい、作りたいと人としての意志というか強さを持つ。
海堂監視官が「意外だなぁ」って笑って受け止めてくれてなかったら、ヒューマニストになっててもおかしくないんじゃないかなーと青蓮院くんに関しては思ってる。
でも海堂監視官が笑って受け入れてくれる人だから、青蓮院くんには三係が居場所だったんだよな…。
そこでそんなものを愛好するなって…海堂さんは言わないから…そして言わないと青蓮院くんも知ってるから、笑顔で自分の好きなものを好きだと主張できるアットホームな職場です…。

水落の最期
これ嫌いな人いる?いねぇよな???
初日から「うわ菊池修司のオタクが道連れに死んじゃった……」って思った。
こんな最高な推しの死に方があるかよ!?
あるんですそうPPVVならね。
両サイドを海堂監視官と鹿取に支えられながら履けてくのも良すぎる。
鹿取の「賭けは俺の負けだな」に関してはオイオイオイオイ生ハムとメロン一緒に食べたら美味いって知ってる?みたいな、なんだそれ!
仲良し三係の味わいの良さをそこでも生かしてくるなんて生きて腸まで届いちゃうよ。めっちゃ良い。
逆に海堂監視官の頭ぶつけるのはどういう感情?ってちょっと思ってる

執行官にどこまで刑事のルール(?)が適用されるのかは分かんないですが、刑事の世界って基本的に二人行動で先輩後輩でペア組んで動くので、編成を変える時とか四人の関係性を考慮しておそらく水落・鹿取が先輩で青蓮院・馬場ちゃんが後輩なのかな?と思ってます。
で、最初に書いたように九泉さんが暴走しちゃうシーンでの水落と青蓮寺のやりとり、ボコボコにした暴徒を青蓮院に押し付ける関係性から…ライブハウスで一仕事を終えた水落の死体を見つけた青蓮院が寄り添うように亡くなるそこの絆…。
せ、先輩後輩の絆を…そんな…勿体無い使い方を…もっと大々的にしても良くないですか…?さすがに二時間半になる?二時間半やれば良くないですか?
そもそも主題の二人ではないので気付いた人だけ気付いてくれって話なのかな…勿体無い…!!
あれはあれで宗教画なんですけどなんでステブロシクレに入ってないんですか?

馬場ちゃんの最期

「俺は執行官だ!!」「馬場力だ!!」
良すぎる。舞台中に立ち上がってスタンディングオベーションしたい。
これでも敵方の軍人の爺(敬愛を込めて)も本当によくて、最後に馬場ちゃんをポンポンって称えて死んでいくのが本当に良かった。
クソ強い爺嫌いなオタクおらん!し!元軍人二人の不器用な男同士がタイマンでかち合うのも良!!救急車は来ない。

私が知識不足なのでPSYCHO-PASS世界観における“軍隊”の在り方が分からないんだけど、シビュラが選んだ人を殺す、っていうのは通常の(?)戦争とかそういう無差別じみたものではなく市民、レジスタンスの反逆の鎮圧とかが重なのかな…馬場ちゃんのことがもっと知りたいが世界観が難しいよ〜!!
とりあえずハムスターを飼い始めるとかそういうのから小さき命に慣れて欲しい…って思ったけどそれこそ三係での絆がきっと馬場ちゃんにはそれだったんだろうな…。
執行官のカウンセリングの状況把握もバッチリな海堂監視官、そりゃ執行官からの信頼が厚いわけです好きにならない理由がない。

鹿取の最期
海堂さんの良いところ教えてくれよ鹿取……。
イリュージオの歌を聞いた後、馬場ちゃんはフラッシュバック、鹿取は海堂に告発(※ここは告白よりニュアンスとして告発だなと思ってる)したのが鹿取……になります。
イリュージオの歌に感化されるまで、鹿取はきっと言うつもりはなかった。
“知った後で”鹿取を見ると乱戦での海堂さんを守るような動きや海堂の言葉に目を伏せてじっと聞いてる鹿取に目が行くけれども、初見時は私は“鹿取キャラ薄くね?”ぐらい思ってました。
それぐらいその要所要所の動きは不自然なものではなく、引っ掛からず観劇していた。

つまりさ、イリュージオの歌を聴いて、鹿取は“戻りたくなった”……んだと思うと泣いてしまうよそんなのさ…。廃棄区画で…海堂さんの右腕で…尊って呼んでもらってた日々に…鹿取は…。えっ可哀想すぎない?
鹿取は三階級ぐらい特進させろ。報われなさすぎるだろ。
そしてその「戻りたくなった」鹿取へのアンサーが「俺は今の三係を愛してる」なのも、鹿取は!お前を追って来てるんだぞ!オイ!海堂!オイ!
でも海堂のそういうところが鹿取は好きだったんだよね。鹿取の「お前はそういう奴だよな」みたいなアンサー聴いてる時の鹿取の憑き物が落ちたような顔めっちゃいい。
分かるよ鹿取、今度飲みに行こうな。コイバナ(?)しよう。

でもさ〜〜海堂監視官、鹿取を打ったことパニックで多分覚えてない…よね…?
幼馴染を殺したにしては犯罪係数が低すぎるので…
PPVV3の実験体としてはメインはおそらく人工監視官二号機(?)である海堂監視官じゃないですか。

これは「海堂監視官に幼馴染を当てるストレスチェック」からの「同じ人工監視官である九泉と会合させる」また、冒頭の九泉林崎の会話にあった「もう一度役に立ってもらう」という話からです。
一度失敗した九泉さんはもう用済みだったけど、最終段階に来た海堂監視官のために廃品をもう一回使っとくか、みたいなニュアンスだと思ってる。
なのでメインの実験体は海堂監視官なんだろうなと。

鹿取を殺すのは想定の範囲で、だから「自分が廃棄区画出身である証拠が貴方なんだから貴方を排除しようとするでしょう」で、じゃあ想定の範囲なら何なのかっていうと海堂さんのあのその後の“通常運転さ”が、私にはすごい違和感で。
予めそのバグに対しては記憶操作できるように下拵えされてたのかな…。

ラストシーンに向けての犯罪係数測定も海堂さんはクリア、海堂さんの中でこの一連、もちろん鹿取の告白
は知らないものとしても、撃ったのは、殺したのは、海堂さんの中でどうなってる…!?
教えてくださいよ…海堂さん…後悔はありますか?
※これはりんたこを観る前に描いてるので、答え合わせがあったらすみません

林崎戦

追い詰められる九泉さんを助けにくる海堂監視官〜!!お前が三係のリーダーだ…MVP…。
ヴィンチェンツォでも見たこのヒロイン(?)を助けにくる構図…見た…。でもその後二人とも追い詰められるところは可愛くてふふってなる…。
ここでやっと私は九泉さんが好きになった。
そう、「後悔ばかりの人生だ」
トドメの決め台詞がこれなの良すぎないですか!?
マロに九泉に後悔してほしくなかったと来てたけれども、私はこれがドツボだった。

正義のヒーローを志したこと?母親を殺したこと?監査官になったこと?嘉納に出会った事?嘉納を撃ったこと?新たな三係に入った事?海堂監視官に出会った事?神楽分析官を焚き付けたこと?

そっか、後悔なんだ……なにが?どれが?ねえねえ教えて教えて!って感じです。
良過ぎる。
人間後悔しないように生きろって言うじゃないですか。
後悔が生まれてしまったらさ、それはこの世への未練だと私は思います。
ああすればどうだったんだろう。
こうすればどうだったんだろう。
人生は選択の連続である。様々な選択をしてきた中で、生まれた後悔という棘を抱えて生きていく。
私はそれが人間だと思います。
されど営みは続くってね。
でも続けられない程の後悔にぶち当たったら多分そこが終着点で、だから九泉晴人の人生はここで終わりなんだと思う。
最大の後悔はやっぱ嘉納さんを失った事だと良いな。
失った男に囚われる男が好きなので…。
目の前の男が嘉納さんの良さを何度も解いて来るしね…。
良いねこの嘉納さんと九泉さんの絆を越えられなかった海堂監視官良いね…特大笑顔になる。

けれど二人を背負って海堂さんは生きてくれるんだろうな〜!!というラストシーン!最高!
ぼんやりと虚ろに顔を上げたあと、ハッと目を覚ますように力強くなる海堂監視官の目!!
私はその目が好きだ…泥に塗れ…血に塗れ…それでも俺は負けない…俺は折れない…というあの目が!最高!!
戦え!抗え!最高!!私はその目が好きだ!!人を燃やし尽くす圧倒的なパワーのある目!

コミンプ舞台化の折には和田雅成さんにラファエロ役を頼む!!!!
お前の目が嫌いだって台詞を言われるのに適した目はマジでこの人以外居なくないですか???
正面から人を射抜き、意志が強く、曲げず、曲がらず、真っ直ぐに弱い人間を断罪するあの目が最高。
私は接触の時いつも和田雅成さんの目が見れない。
真っ直ぐすぎて。
かの植田圭輔も『目がすごくきれいで嘘がなくて、頑固だけど、自分の信念に真っすぐ。』と和田雅成さんを称してますが、それが遺憾無く発揮された名場面だったと思います。
なんでステブロないんですか?お前はDAISOか?あるんだよ、探せ。
あの血塗れの怖いぐらいの眼力をpngでください。

あと海堂自我編ください。
嘉納監視官が人工監視官と知らずヒューマニストとして海堂監視官をシュビラの目を掻い潜りながら(?)育ててるのめっちゃ良くないですか?不毛で。
嘉納監視官に飲みに行こうか、海堂って誘ってると良いし、それを踏まえての海堂監視官から九泉監視官への「飲みに行こう」だととても嬉しくないですか?
私は嬉しい。
あとわだくまさんもお目目のお芝居がとっても多様な方なので、お目目バトルして欲しい。二人でロート製薬のCMとかにでて2階からでも刺せる目薬!みたいなのとかやって欲しい。絶対かわいいよね。

これで終わって良いんだろうかとは思いつつもそんな感じです。
早く配信が見たい。

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