天月冬真を諦められない(舞台ソリエボ感想)

お疲れ様でした。
お疲れ様でした、天月冬真33歳の苦悩の日々……(涙)
享年33歳、悩み生きるのには短すぎたよ……。
※と言うことでほぼ冬真陣営の話しかない怪文書です。



水原悠人について


悠人と虎太郎のリンクのさせかた絶妙で好きだった。
ドラマの時から「ゆーて冬真さんだって天月家に入って…虎太郎と10年以上付き合いはあるのでは…?ソッリエーヴォに、自分の店に入れてあげる関係ではあったんだろう…?」って思ってたら、寝惚けて悠人を見間違えて「虎太郎!生きてたんだな!虎太郎!!」で爆泣きした。
冬真さんにとっても虎太郎は大事だったんじゃんか〜〜だからあんなに殺さなくて、新田に殺されなくてすむように逃げろとか色々言ってたんじゃんんん!!!!!
そして悠人からの「信じてるよ」ですよ。
冬真さん、虎太郎に信じて欲しかったんだね…。
それでも止まらなかったんだけど…。
そしてそこからラストに向けて現れる春陽の「お前じゃないんだろ」がさ…まぁその前の新田司の告白により知ってることとはいえさ…やっと信じてもらえたね…になり…。擬似弟じゃダメなんだ…本物の弟でないと…になり…絶望と希望のミルフィーユがうますぎる…シェフを呼べ…(ほさか)
あと苗字が変わったんだな!からふと「そういや冬真さんって元の苗字なに…?」と思ってしまい、母親の苗字を確認したりなどした。

ラストシーン私は悠人の表情が見える席に入れなかったんだけど、どんな顔してたのかな〜二階から見た時は普通に見えて、「お前…それは…お前…」と一人でショックを受けてた。
天月冬真をお前が引きずらなくて誰が引きずるんですか…?
余談だけど友人に見せたら「悠人は女だったら冬真の子供身籠り腹さすりエンドだったよね」って言われて確かにな…になった。
ラストシーンで立ち止まるなりなんなり、悠人だけは冬真さんを引きずって欲しかったな〜…。
エピローグシーン、大円団です☀️みたいなエンドがどうしてもつらい。そこに天月冬真はいないため…。

新田司について


選択問題が下手すぎる男と話題。
新田さんが春陽に叫んだ「俺のせいにすればいい」って、それが出来ない冬真さんへの苛立ち混じりなんだろうなと思う。
春陽に自首する選択肢もあったってキレられて、新田さんは新田さんで、冬真を追い詰めた自覚があるんだろうなが節々で感じられた。

「もうやめろ」の意味で「覚悟を決めろ(覚悟決めれないんだから辞めろ)」って叱ったんだと思うし、
冬真への愛着と天月家への恨み、そして冬真自身が抱いているであろう春陽への愛着で新田さんも迷ってたのかな〜とか。

楓さんと新田さんが対比されてると思うんだけど、春陽が「冬真を信じたい」って言った時に「そう思うのは当然」って言ってくれた楓さんとか、端的な言い方だけど春陽陣営は大人で、冬真陣営は子供だなぁと思う。
まぁだから私にブチ刺さる訳ですが…可哀想な子供が好きなため…。

そういえば新田司の台詞で「良い店があるんだ、今度行こう」って台詞が「良いシェフが居るんだ、今度紹介する」って台詞に9夜くらいから変わったらしく。
「Sollievo」は既にないから、「シェフ」になったのかもしれないけれど、私はこの「シェフ」って言い方が、新田さんが武元と西沢を冬真さんに紹介する意図があったのかなって感じて好きだった。

春陽に「冬真はそんなバカなことをしているのか」でキレる新田さんとかも好き、新田さんは冬真さんの覚悟を決めさせてしまったもんね…春陽に当たってるけどあれ全部自分に言ってるんだろうな〜と思ってる。
頼むから俺のせいにしてくれ、って冬真さんに言ったところで言うこと聞かないだろうけど。
谷口さんまじで芝居が良かったな…新田さんのキレポイント、及川議員をころす時の「子供」春陽の「ほんなバカなこと」とか、全てを知るとめちゃくちゃ冬真の事を愛してたんだな…になる。
まぁ愛し方を間違えてるわけですが。

天月冬真について


死ぬのには早過ぎた生涯だと思いますし、私はドラマで虎太郎に零した「悩んだ日もあった」が冬真さんの本心だと信じているので、じゃあそのうち…生きてる限り、ふっと生きてて良いんだ、と思える日が絶対にきたと思う。
希死念慮を上手くいなせるようになる年齢は人それぞれだし…あの超絶頑固者和田雅成さんも32歳にしてアー活し始めたし…アラフィフバンドマンがいつものツアーでファンと喫煙所で遭遇して「あなた達がかっこいいからここまで来てしまった」と言われ表舞台に立ち続ける決意をしたというエピソードもしっている、生きてさえ…いればさ…
あとコロナ禍で自死を選んだ方々を定期的に思い出しては今を思うんだよね。その時あの人たちを苦しめてたのはなんだったんだろうって。

なのでどれだけ辛くても生きてて欲しかったよ……。
いつか好転する日が月日と共にきっと来てたよ…。
その希望がある限り、やるせない気持ちで堪らない。
死んだらそりゃ無になれるけど…それだけだよ…。
生きてる限り人間悩むことも幼い頃の後悔もあり、それの折り合いがつくタイミングって人それぞれだと思うんですけど、冬真が復讐なんて…と悩んだ事がある限り、いつかきたであろう「復讐なんて辞めよう」と思えた未来が捨てきれない。

復讐に悩むって事はお母さんのことを忘れて本気で楽しかったり、春陽に対する愛着を自覚したり、虎太郎に良いやつだなぁって思ったり、そういう想いがあったということを冬真さんは大事にして欲しかったし、一人で復讐しなきゃに思い詰めることなかったんだよ…。

作中、冬真さんは殆ど誰とも関わらない。
ドラマで私は「言うて虎太郎と冬真さんも10年以上付き合いあるだろうに」と不思議な感覚だったけれど、舞台でようやく冬真さんも虎太郎に対して大切に思っていたのが描かれる。でももう虎太郎はいない。
冬真さんの元には、同じく天月家への復讐心を持つ新田司しか居ないのがつらい。

上を見ても下を見ても切りがないと言う言葉はあるけれど、私は冬真さんに必要なのはアングラな世界でも明るく生きてく、武元や西沢みたいな人達が居たら良かったんじゃないかなぁと思う。
「ウチも親がカスで家出しました!」とか、なんか……正しくてキラキラしてる人達(春陽陣営)と一緒にいると、そりゃ自分がどうしようもないクズに思えるのかもしれないけどさ…。
理由があってその立場な人も、理由を飲み込んで前向いてる人も、たくさん居るのにさ…あまりにも世界が狭い。

あと友人から冬真さんには「冬真さんのお陰で救われた人」が居たらよかったのかもねって言われた。
ドラマ第一話で幸せに暮らす親子を冬真は見ていないし、悪い政治家を殺す事で助かった人や子供を冬真さんは見てない。
冬真さんのやったことは粛正という形でエゴだけれども、そのエゴは確実に「正義」であり「善」だったのに、その後の救われた人々を冬真さんは見てない。
冬真さんを駆り立てるエゴイズムは罪悪感で、クズな自分が生きてて良い理由探しでしかないから。
でもその中に、救われた人がいるんだ、良かった、って冬真さんが思えたら…うっ。・゜・(;´∩ω∩)・゜・。

「春陽は俺が殺す」って台詞を繰り返し繰り返し聞いてるのも、自分に暗示をかけてるようにしか見えない。やらなきゃいけない、って自分を追い詰める自傷行為。
虎太郎のことだって、誰かに話して、新田のせいにしてしまえばよかった。

代議士を殺すまでは…まぁだからあそこがターニングポイントだなぁとは思うんですが、でも児童売春してる代議員、殺して良く無いか?
関連会社の役員?社長?のタダを殺したのも、マネーロンダリングと麻薬組織との癒着でしょ?
こ、殺して、良くないかい???
「色々と悪い噂もありましたが、それ以上に優秀な男でした」
って久住派マジ!???になってしまう。
順序が逆だろが。
どれだけ優秀な人間でも犯罪に手を染めるのはNGだろうが…久住派は殺そう(※楓さんは久住派最後の良心のため、楓さんを除く)

ところで私はダークヒーローという言葉にむず痒さを感じる。
メリーバッドエンドと同じ。
ヒーローと思ってないなら、バットエンドと思っているのなら、その言葉を使うなって思ってしまう。
あとなんかイキリというか…。
ダメだと思ってやってまーすみたいな…。
冬真さんがやったことは間違いなく正義だが…?と思ってるので。
新田さんは苦労かけさせてすまんな、それだけは思います。

正義でいるのも正しく在るのも言ってしまえば簡単で、被害者を見て見ぬふりすれば良いし関わらなければ良いだけなんですよね。
春陽や楓さんが「敵対する派閥潰し」としか思ってないのがとてもしんどかった。
冬真さんの粛正は自傷行為だしそこに正義も悪もなかったのかもしれないけど、助かった人も救われた人も居たはずなのに、それが一才出てこないのがまた天月冬真の孤独の輪郭を強くする。

私は手を汚してでも己が正義を信じて遂行できる人が好きだし(嘉納火炉………)逆にそれが出来ない、自分が綺麗でいるためだけの正論なら吐かない傍観者の方がマシだとすら思ってる。
ので、「例え冬真さんでも許さない」からの新田司を取り逃した春陽陣営はマジで…遊びならソッリエーヴォで探偵ごっこやってなよ…としか思わず、ラストの春陽の説得が薄っぺらで、なんて言うか次元の違う話をしてるように感じた。
仮面ライダーやウルトラマン、戦隊ヒーローに向かって「もう戦わなくて良いんだ!」って言ってる感じ。
言うのは簡単だが、じゃあどうやって誰が怪人を倒すんだ…?みたいな。

冬真さんが指輪の話をするとき、春陽は必ず「先に送ったのは俺」「俺もやばい弟」って言うけど、ずっと春陽はお綺麗で、無意識の勝者・持つ者特有の奢りというか…。
染谷が言う「お金持ちの子供の役」ってそういうところなんだろうなと思う。
私はドラマから春陽の「冬真になら譲るよ」「あげたのに」「傍に居て欲しい」って驕りのある言い方がずっと引っかかっており、それらが小さな棘みたいにずっと冬真さんの中に蓄積されて「俺に同情してたんだろう」って台詞だとも思ってる。
だって長男は冬真さんなのに…話し合ったこともないのかい…?いやそれはまぁ冬真さんがその前に天月の家を出たのもあるんだろうけど。
でも冬真さんの自己主張の弱さや自己肯定感のなさの一端は、春陽にも原因があるように感じる。
勿論そこに罪はなく、春陽は春陽なりに良かれと思って言ったりあげたりしたんだろうし、だからこそ冬真さんも憎むに憎めなかったんだろうと思う。
だからこそ、舞台の悲劇は「天月春陽が天月冬真に固執したが故の悲劇」にも思えてしまい、親子二代に渡って……と言う話なのかなぁとか。

記憶に残りますように💫と言われたので、とりあえず私は天月冬真を忘れたくない一心で命日を登録した。クソ重いオタク。
毎年生きてたら……という気持ちにってしまうと思うので、横田と廣野の予定抑えて生存ルート作ってもらえませんでしょうか……


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