6.恋人

　コバルトブルーさんのリクエストで描いたエズフィトテーマのイラストです。登場人物は手前がドラキュロスと魔妃クレオクス、柱がアネナディアとクロノファラ王です。

　昔から恋人のカードは悪魔のカードと構成が似ていると思っておりまして。タロットの悪魔は小悪魔が悪魔に繋がれているわけですが、恋人はあたかもキューピッドに人が従属するような…。先にカードの意味を出してしまうと、正位置で誘惑、信頼、情熱。逆位置で失恋、空虚、破綻。
　恋人同士がキューピッドに祝福されてハッピーハッピーな解釈ではないんですね。信頼とか情熱とか、「熱」はあるものの安定していない…、悪くないけど安心も出来ないカードの一枚です。

　そんな不安定な感じと悪魔が恋人に相応しい気がしてこのイラストを選びました。
　ドラキは黒天魔族に流されるままに内裏ネイロスに収まります。長いものに巻かれるタイプに見えますが気が向いたら天空の門を破ってどこかへ行ってしまいそうな危うさを秘めています。エズフィトに乗せられてしまうということは、他の誰かが良い話を持ってきたらそっちに行ってしまう恐れがあるようにも見える。三国志最強の武将と謳われた呂布のごとく。魔妃クレオクスは手綱を握り続けることが出来るのか。