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ロミオ&ジュリエット初日で立石俊樹ティボルトに魂抜かれた女の話

こんばんは。

Twitterに発作的にツイートするの控えるべきだと思いこちらに纏めて投稿します。ネタバレNGなひと、新鮮な気持ちでこれからのロミジュリを観劇したい人は是非、是非!観劇後に読んで下さい。そしてわたしと一緒にティボルトの墓標で喪に服しましょう。とにかく狂ったオタクの感想読みたいぜ!って優しい人たちはどうぞお付き合いください。


ですます調は気分。時系列分かりにくいかも。ティボルトに対しての考察と主観あり。フィーリングで生ぬるく読んで下さい。(甘え)

追記:一部勉強不足のため記載内容が設定などから誤りがある部分がありますが初めての激情を残しておきたいので一旦そのままにします、すみません!把握が甘いとこういう理解になっちゃうんだねアホやなと思って頂ければ😌後日直します、、、


▼はじまり
わたしは過去のロミジュリを観劇及び映像でも存じ上げていない全くの初見であるのでティボルトがどこから出てくるのかわからず、まずそこからドキドキしていた。劇場が真っ暗になり、一つのスポットライトが照らされたそこに居たのは「死」だった。それはいつでも私たちのすぐ傍にいて静かにこちら側を見ている。人間の愚かな戦争も醜い争いもすべてが過ぎ、そして今もどこかでそれは続いている。そんな描写に少しだけゾッとする静かな始まりだった。

場面が変わり演者がたくさん現れてわたしは慌ててティボルトの姿を探した。パッと視線が無意識に向いてそこにはキャピュレット家の紋章旗を掲げモンタギューの紋章「ドラゴン」をあざけるように『恐竜は絶滅した!この地を治めるのはキャピュレットの獅子である!(うろ覚え)』と叫ぶ彼がいた。(その前になんか台詞あったかもしれない、とにかくティボルトを発見したわたしは一旦記憶が吹っ飛んでいる)

まず、その低音の声に驚いた。今までのとしくんの声では聞いたことがないほどの低く、攻撃的なその声にわたしがいま見ているのは本当にあの立石俊樹くんなのか?と自問自答した。そしてティボルトの歌唱がはじまり、その動きをみて、ああ彼なのだとゆっくりと実感が沸いた。そして大人数のキャスト陣の中にいることで改めて彼が高身長でスタイルが抜群によくて、てか足長っ!と何度も思った。そしてなにより目を引く存在であることを知った。

特にわたしが立石俊樹くんのファンであるから目で追ってしまうのは勿論だけれど彼が居る場所では台詞がなくても確かに物語が存在していた。特にそれが印象深いのは仮面舞踏会のシーンだ。ジュリエットをひたすらに探し、守ろうとするその姿は周りの人間に対していつも攻撃的で嘲るような表情をして女たちと絡み合うそんなティボルトではなく、ただ大切なジュリエットを必死にパリス伯爵から守ろうとするだたの男の姿に思わずジーンとしてしまった。

そしてジュリエットを探しながらも気まぐれに苛立たしげに女たちと社交ダンスをするその気品の良さと立ち居振る舞いは言うまでもなく貴公子そのもの。彼はいつだってジュリエットを守りたかったんだと思う。だからパリス伯爵から彼女へ縁談の申し込みがあった時も、彼女の両親がそれに合意したときも、仮面舞踏会のときも、彼は彼なりに大人たちに抵抗し、彼女を守ろうとした。しかしそれは叶わず、そして己の無力さに絶望したのだと思う。

それなのに、大切に大切にしてきた彼女を一瞬で奪い、結婚まで済ませたモンタギュー家のロミオをそりゃ許せるはずがないよねって。けれど少し疑問だったのは、マーキューシオを庇って止めに入ったロミオを刺さずにその脇からマーキューシオを刺したこと。これに何らかの意味があったとしたら?とふと思った。

そもそもティボルトは当初ロミオの心臓を抉りだして地獄に送るために戦いに向かったのに。彼はジュリエットを失った自分の絶望感をロミオから親友を奪うことでその苦しみを同じように分からせたかったのだろうか。何故ティボルトはロミオの短剣(?)を避けもせず、抵抗もせずに刺されたのだろうか。(ロミオに自分を殺す度胸はないと思っていた可能性があるけど)

しかしティボルトが只々ジュリエットの幸せを願うひとりの男だったなら?もしかするとジュリエットを救えるのはロミオだけだと本能的にわかっていたから殺さなかったのだとしたら?そして自らが『ティボルト』その死を望んでいたとしたら?などと答えのない妄想が駆け巡るので皆さんの想像も聞いてみたいなと切に思うのです。

少し時系列遡りますがティボルトのジュリエットへの想いを知ったキャピュレット夫人は信じられないという表情をして彼の傍を静かに離れるシーンが印象的でした。(その前にこの2人に秘密の関係性があったのが衝撃)あり得ない話ですがその時に夫人がジュリエットはキャピュレットの血を引いていないとティボルトに告白をしていれば?

もしかしたら彼があんなにも禁断の想いをひた隠しにして拗れることはなく違う世界線があったんじゃないかなと思ってしまう。(頑張れば結婚もできるじゃん。)彼がジュリエットに向けていた想いが叶わずとも少しは報われる可能性があったかもしれない。

けれどここには夫人の自分勝手な想いとティボルトへの歪んだ愛、彼を失うことでまた自らが満たされなくなることへの怯えが潜んでいた。しかし、ティボルトが叔母と関係性を持った時点で彼はジュリエットとの未来を既に諦めているように思う。ジュリエットが大人になったら夫人のようになるから抱いてみようかなって気持ちだったのかもしれないけど。そこからもう後戻りはできないくらいに拗れちゃったんだろうな。

立石俊樹くんの歌う「ティボルト」は力強くあり、酷く悲しく寂しい孤独を感じるものだった。曲が終ったあとに余りにも悲しくなって無性に泣きたくなるほどに。そしてあの歌は自分自身に向けての歌であり、もう1人のティボルトへ向けての歌でもあると感じた。

それは彼本来のティボルトか。キャピュレット家のティボルトか。その名と家に縛られて生まれながらにして憎しみという呪いが掛けられている彼。ティボルトは強いと周りに思われているけど本当は酷く寂しがりやなんだと感じた。繰り返しになるけれど、とにかくもう1人の自分に歌いかけているような気がした。歌い終わった後、もうそこにはティボルトはいないのに彼がまだそこに居て独り悲しみに暮れているようでわたしは暫く彼が立っていた舞台から目が離せなかった。

そして「名前を捨てる。名前なんて意味がない。(簡略)」と美しく歌うロミオとジュリエットに対して『ティボルト』はその名前と家に強く縛られているという対比。これが酷く衝撃というか残酷だった。ティボルトにティボルトという名のソロ曲を歌わせた後にこれはかなり人によって気持ちをかき乱される台詞だと思う。

彼の縛られている家や名前なんてなんの意味もないと暗に言われているのだから。これは価値観や生き方の違いであるけれど、彼自身そのものを否定している台詞だ。故にティボルトの孤独さが異様なまでに際立つ気がした。わかりやすくすると人外とまで呼べるか微妙だけれど、彼は両家の争いや憎しみを体現してその身に刻み込まれてしまった哀れな人間なのだとわかる。

対してロミオは仲間に囲まれ、どこにいるかもわからない運命の恋人に会える日を願い、みんなが王様だと本気で思っている真っ直ぐさがとても眩しい。彼はジュリエットと出会い、ひと時の間、裏切りモノと仲間に罵られるが最後まで彼には友が寄り添っていた。けれどそんなロミオでさえも親友が目の前で殺された瞬間に憎しみに囚われて、ティボルトを殺してしまう。最期に悲しみと絶望の感情に身を任せて毒薬を飲み死んでいくその姿も、人間は理性ではなく感情の生き物なのだと改めて実感させられる。

そしてお互いの命を捧げられるロミオとジュリエットの愛とジュリエットを自分の救いである存在として神格化しているティボルトの愛。これは悲しいけれどやっぱり自分勝手な愛だ。ここで畳みかけるのは『本当の俺じゃない』で「今の自分を形作ったのは大人のせいだ。本当の俺は違うんだ(簡略)」という他責感が非常に強く印象に残ってしまう。じゃあ本当の君はなんだろう。(次回配信や観劇でもっと咀嚼していきたい)

個人的に心にクリティカルヒットだったのはティボルトが死んだと聞いた時のジュリエットの台詞「あんなにつよくて優しいティボルトが?」だったのに全わたしが泣いた。なんて不器用で優しい男なんだティボルト....来世では絶対に幸せになるんだよ....(誰)

総括になるがロミジュリって愛の物語というイメージが強いけど(わたしの中で)今回わかったのは『どう生きるのか。』ってメッセージ性。縛られた人生や生活の中でどう考え動き抗うのか。これがこのご時世でも通じることかと。あとは真っ直ぐな愛と歪んだ愛。自己満足の愛。理性では説明ができない感情で動いてしまう人間の愚かさ、儚さ、美しさ。確かに永遠のテーマだ。人間って何なのか。とても難しい。

カテコだったか忘れてしまったけれど「俺たちの王様はみんなだ」って全員で歌い踊るエンディングシーンでティボルトが自らの名前から解放されたように幸せそうに笑っている姿が観られてわたしはとても救われた気がしたよ。そしてこんなにもティボルトという人物について深く考えられるくらい役を表現して舞台で生きてくれている役者立石俊樹凄い。これから公演が重なってどんなふうに変わっていくのか。そしてこれからの彼のお芝居が心から楽しみです。どうかどうかステイヘルシー。ずっと応援させてください。お願いします。

それから普通に考えてあんなイケメンな従兄弟居たら恋に落ちるよジュリエット...。わたしがジュリエットだったら絶対に立石ティボルトと結婚します。

以上、ここまで読んでくださった方(いるのか?)ありがとうございます!良かったら是非!ロミジュリご観劇くださいね!配信もあります。

詳細はこちら▼

公式サイト貼り付け出来ないので気になった人は「ミュージカル ロミオ&ジュリエット」で検索。

それでは!




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