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あかるいあの世

名古屋で学会発表有の友人がついでに岐阜観光をしようと思っていると言うので、私も行きたい!と岐阜行きを決定。
すごく普通に日記。

土曜日の朝に家を発ち、まず新幹線で名古屋まで。そこから在来線に乗り換え岐阜駅に向かう。
JR岐阜駅でコインロッカーに荷物を置こうとしたが空いておらず右往左往する。結局名鉄岐阜駅の方のロッカーにキャリーバッグとリュックをぶちこんだ。100円玉が6枚必要で(アンスリウムレッドジュニアじゃないんだから)、自販機で水を買って札を崩した。

名鉄名古屋本線、2両編成の真っ赤な車体に揺られながら、あ、祈祷するのを忘れたな、と思う。
ロッカーの前で「何事もありませんように」と、手を合わせるのを忘れた。リュックにパソコンを入れている。何事もありませんように。

茶所、岐南、知らない駅名が当たり前のように読み上げられ、存在を疑っているうちにあっさり到着するのがあまりにも面白い。
車窓にカットインしてくる「C h a j o」という素朴でエスニックな情緒のある文字列を見て、それが駅名だとすぐに認識できなかった。

笠松駅で友人と合流。バスに乗り継ぎ「河川環境楽園」を目指す。
大きな大きな自然公園、観覧車や水遊びのレジャー施設、そして私が大好きな水族館「アクア・トトぎふ」などが併設している。いままでこの場所のことは「アクア・トトぎふ」としか思っていなかったのだが、実はこの一帯が複合レジャー施設ということらしい。日曜日だったから子供連れで大変賑わっていた。ここがこんなに混んでいるのを初めて見た。

キッチンカーエリアでたこ焼きを食べる。

アクア・トトぎふは世界最大級の淡水魚水族館。淡水魚専門という渋さがありつつ、広い敷地を生かしたストーリー性のある展示がめちゃくちゃ面白く、何度でも来たくなる水族館だ。
来るたびに違う企画展も毎回面白い。今の期間は「きんトト今昔物語」と題して金魚をテーマに企画展が組まれていた。ただいろんな品種を並べてエモいように飾るのではなくて、その歴史や品種改良についての解説に沿った展示になっていて、最終的には金魚だけではなくていろんな身近な生き物にも目を向けさせるようなまとめ方がされていた。岐阜の伝統品である美濃和紙に絡めた展示もあり、素敵。

もちろん常設展も良い。
このしかくくてキラキラした水槽タイトルが好きなのでたくさん写真を撮りました。

そのあとは公園を散歩した。
水辺に彼岸花が咲き誇っていた。明るいあの世かと思った。

その後友人とは岐阜駅周辺の飲み屋で飯を食って解散。
ロッカーに荷物を取りに行くと、あらら私ってばの様相。

あらあら…

岐阜市内にある母方の祖母の家に帰宅し、日曜日はだらだらと何もせずに過ごした。
夕方ちょっとだけ散歩に出た。なんて過ごしやすい気候、知らない色の花。

私が面倒くさがりでサービス精神がないので、基本的に祖母とのコミュニケーションはそんなにうまくいかない。別に喧嘩になるとかではなくて、そんなに盛り上がらないというだけ。私が面倒くさがって「はい/いいえ」でしか答えないせい。祖母にはたまにこうして会いに来ては、そういえばこんな感じだったなと思い出す。うまくいかないなあと思いつつ、私の母の大学生の頃の話などを聞いて、へえ~!と言ったりする。母のことを知らなすぎる。祖母のことも知らない。私に優しいということしか知らない。こうしてうまくいかないなりに少しだけ会話をして、ありがとうをして、それがいつかなるべく後悔しないようにすることにつながるのだろうか。
私は1歳の時、なすの漬物が好きで、でも塩辛いのでたくさんはもらえないから泣いていたらしい。なすの漬物のことは今も大好き。

月曜日の朝、喫茶店でモーニングする。
モーニングは、朝、ドリンクを注文するとモーニングセットがサービスでついてくるという文化。岐阜、愛知の地域限定で栄えているサービスらしい。これは本当に羨ましい。全国にあればいいのに。
喫茶店の競争の中でどんどんモーニングセットが豪華になったんだと祖母が言う。トースト(おにぎり)、茶わん蒸し(ゆでたまご)、サラダ、フルーツがデフォ。そこにみたらし団子とかもつく。
一番喫茶店にお金を使うのは岐阜県民なんだとも言っていた。

一日中ついてます…?

ここだけの話、家でも店でも巨ゴキを見た。
自分が巨ゴキにギャーギャー言うタイプじゃなくてよかった。小銭を節分のごとく投げ散らかすところだった。
非常に巨であった。岐阜県もでかいもんね。

奥村うどんがゴキ撃退するツイキャスめちゃくちゃ面白かった。編集して出したら伸びそう普通に


私を駅まで送る道中、川を見て祖母が教えてくれる。
岐阜の川に住む外来種ヌートリアがたまに日向ぼっこをしていて、それがトドみたいに大きいらしい。トドって。ほんとかな。

名文ですね 名文だと思いました

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