Kizuna AI 無期限配信(s h e e e e p)まとめ

突如として始まったKizuna AIによるcognitionプロジェクトと、その無期限配信も5日目に突入し、ついぞこれは謎解きなのか単に待つだけのコンテンツなのかわからないまま、完全な膠着状態となりました。

この記事では、時系列順に何が起こったのか、現在判明していることは何かをまとめて行こうと思います。


時系列でのまとめ

2024年6月29日 22時

Kizuna AIのプロデューサーを名乗るTsumugu氏が初ツイート(この段階では恐らく見つかっていないと思われる)。

2024年6月30日 0時 

Me in the dreamの動画がプレミア公開され、サイトとその後の無期限配信が開始しました。

その様子はPanoraの記事が詳しいです。また、これが「無期限配信」である、というのもこのPanoraの記事が元になっており、他の媒体等では言及されていません。

2024年6月30日 0時30分

Tumugu氏による配信の概要のような投稿。こちらはKizuna AI Inc.のXアカウントにRTされました。

Cognition: To greet the dawn of new adventures, restful sleep is essential. Memories are sorted and the body prepares to reboot.

https://x.com/Tsumugu20240630/status/1807074511776608614

2024年6月30日 2時55分

Tumugu氏による再度の投稿もKizuna AI Inc.の公式XよりRTされました。ここで初めてこの配信が少なくとも後数か月続くことが言及されました。

Kizuna AI's reboot will take at least a few more months. For those staying up late, please prioritize your health and get some rest. We deeply appreciate your warm support and patience. Rest well and have sweet dreams.

https://x.com/Tsumugu20240630/status/1807110547068088600

2024年6月30日 午後0時~12時の間どこか

s h e e e e pのコメント欄にて、コメント欄に入力された曲名に反応して画面が切り替わる事が発見されます。反応する曲はAIAIAI、Again、the MIRACLE、Sky Highの4曲でした。

2024年6月30日 午後12時

Kizuna AI(@aichan_nel)のXにて「Recognized: 01000001 01001001 01000001 01001001 01000001 01001001」というポストが投稿される。
この数列を10進数にデコードすると「65 73 65 73 65 73」となり、ASCIIに置き換えると「AIAIAI」となる事から、コメントにて入力された曲名の答え合わせがここでなされたのか?という憶測が出るなどしました。

https://x.com/aichan_nel/status/1807247687986897130

 2024年7月1日 午後12時

何もなし

 2024年7月2日 午後12時

チャットでの反応が確認されていた4曲のMVの公開設定が限定公開から公開に変更されました。またこの日、ノイズ無しのPVが流れた事も話題になりました。


 2024年7月3日 午後12時~15時(?)

これまで、チャット欄に「Again」と書くと「the MIRACLE」の音楽と映像が流れ、「the MIRACLE」と書くと「Again」の音楽と曲が流れていたのが修正され、それぞれ正しい曲と映像が流れるようになりました。

 2024年7月4日 ~ 7月9日

何もなし

2024年7月10日 12時

チャット欄にKizuna AIが現れ、RADIO LOVE HIGHWAYがRecognizeされました。また、RADIO LOVE HIGHWAY、first light、Hello morning、never stop my beat、here for you、​​FL-AI-YERの6曲が新たにコメント認識されるようになりMVが流れるようになりました。

チャット欄でrecognizeするKizuna AI

現在わかっている情報まとめ

楽曲について

現段階でチャット欄でコメントすると連動して動画が流れる曲は前述の4曲となっていますが、これらはリリース順などではないため、何故この4曲が選ばれているのかも不思議なポイントではあります。

4曲のうち、AIAIAIとSky Highは2019年のシングル、the MIRACLEとAgainは2020年のEP, Repliesの2, 4曲目であり、AIAIAIはシングルとして11曲目、Sky Highは13曲目となっています(wikipediaのディスコグラフィより)。

Spotify上では、2019年リリースの2曲はupd8 musicが出典、Repilesの2曲の方はKizuna AIが出典になっています

HPについて

公開されたYoutube動画と配信の概要欄に記載があったティザーサイトが以下のサイトです。

こちらのサイトも色々と解析がされています。当初は動いているJavaScriptのファイル名が見える状態だったようで、その結果アニメーションの名前がdefrag、rule30、rule110であるとされています。

現在ではこのソースは確認できませんでした(自分の確認の仕方が悪いだけかもしれません)。

/systemlog/について
当該HP右上にあるメニューの中の<a>要素に繋がっているリンクがhttps://cognition.kizunaai.com/systemlog/65となっており、この番号についても調べている人がいます。尚、現段階では11~31に関してはHPのトップに返されるようになっており、下記ツイートにある画像は見ることができません。

現在のレスポンスをまとめると、

systemlog/50
以下のような画像が返ってきます。ファイル名はogp.jpgなのでogp用の画像なのだと思います。


systemlog/51
以下のような画像が返ってきます。ファイル名はicn.jpgなので、アイコン用なのだと思います。

systemlog/57, 60
me in the dreamのメニューが開いた状態のHPに繋がります。(実際レスポンスのサイズで見るとこの両者には違いがあり全く同じ訳ではなさそう….?です)

systemlog/62, 65
こちらはs h e e e e pのメニューが開いた状態の画面に遷移します。レスポンスサイズがこの2つで違うのはこちらもですが、見ている限りでは差はありません。

今回はsystemlog以降の番号を0からASCIIの最終の127まで検証しましたが、0ではwordpressのエラー画面が表示されてしまいました。また上記以外では1~127まではティザーサイトのトップに飛ぶようになっていると考えられます。

そもそも何かを指定するには50, 51, 57, 60, 62, 65という不自然すぎる並びなので、ここにも何か意図があるのかな~などと漠然と考えています

pathの番号のBinaryとASCII

謎のメッセージ
HPのmetaタグ内のdescriptionに以下のような文言が記述されていることが判明しています。

Murmur... You could think of me as something virtual, kinda. I cognize. Please, could you stop the noise? I'm trying to sleep.

似た文章として、Youtubeチャンネルの説明の部分にも以下のような文言が記載されています。この文章はサブチャンネルであるA.I. Games、Instagramでも同じでした(ただしこちらはコンテンツは非公開にはなっていない)

"Mumble, mumble...Stay connected, I'm here with you."

https://www.youtube.com/@AIChannel
https://www.youtube.com/@AIChannel の概要

画像
HPのアニメーションも見た目的には配信と同じですが、HPは定期的にバックに流れる画像をサーバーからロードしています。以下がロードされる画像の一覧です。

https://cognition.kizunaai.com/wp-content/themes/kizunaai/defragai/Message1_fix.png
https://cognition.kizunaai.com/wp-content/themes/kizunaai/defragai/Message2_fix.png
https://cognition.kizunaai.com/wp-content/themes/kizunaai/defragai/Message3_fix.png
https://cognition.kizunaai.com/wp-content/themes/kizunaai/defragai/logo_fix_cogniton.png
https://cognition.kizunaai.com/wp-content/themes/kizunaai/defragai/logo_fix_i.png

下2枚は元はpng画像で目と口だけが白い画像です(noteに貼ると見えなくなるのでスクショです)。

https://cognition.kizunaai.com/wp-content/themes/kizunaai/defragai/face1.png
https://cognition.kizunaai.com/wp-content/themes/kizunaai/defragai/face2.png

1次元オートマトン

Rule 30
HPの欄でも少し言及したこちらは、1次元オートマトンの一種であり、そのルールを10進数化したものが30になるためにRule30と呼ばれています。これは、Wolfram codeの中で最小の数字になっています。

rule30の規則(wikupediaより引用)

また、Rule 30は疑似乱数生成器として使用される事もあるようです。

Rule 110
こちらも初期のHPの解析時に見つかっている1次元オートマトンの一種で、Rule 30同様その規則を10進数化したものが110になるためにこう呼ばれています。88個ある1次元オートマトンのルールのうち、唯一Rule 110はチューリング完全であることが特徴のようです。

rule110の規則

以下にRule 30とRule110の比較を載せておきます。

Rule 30とRule110の比較

ただしHPと配信共にRule 110らしき図形を見た事がなく、今の所Rule30しか確認できていません。また、以下のようなRule110の中身がRule 30になっている旨の投稿もあり、本当にRule 110は出現していないのではないかとも感じています。

Recognizedのツイートでも2進数↔ASCIIの変換が答えになっていましたが、このオートマトンでも命名は2進数→10進数の変換であり、配信の内外で2進数↔10進数↔ASCIIの変換は一つ大きなモチーフになっているようです。

その他HPにまつわる事

Internet Archiveのwayback Machineでこのサイトを見てみると、6月11日に初めてアーカイブを取ろうとして4xx系エラーが返ってきた事がわかります。

Internet Archiveの取得履歴

配信などが始まってからの最も早いsnapshotは6月30日の0時12分でした(上記の画像で29日になっているのは日付が日本標準時ではなくグリニッジ標準時だからです)。

なお、配信公開前の6月11日に取得しようとした際にはUnauthorizedだったことがわかります。

配信公開前に取得されたアーカイブ

また、30日時点ではHPのコンソールにも0と1で文字が出力される仕様になっていたことが確認されています。これらは30日の午後には表示されなくなっていたようです(恐らくこのタイミングでminify用のmapもアクセス出来なくなった)。これは単にデバッグ用の機能だったのかもしれません。

感想

結局のところ、考察系(謎解き系)コンテンツなのか、ただ待機系コンテンツなのかは未だに釈然としません。とはいえ、ここまで思わせぶりな事をしておいて待機系コンテンツなら、それはそれでエグイ方面に尖ったな…と感じずにはいられないでしょう。

プロデューサーを名乗るアカウントのアイコンも、見切れた2人の間にある誰も座っていない椅子など、何か意味ありげに思えます。

プロデューサーを名乗るアカウントのアイコン

現在の状況を考えると、謎解きと考えた時の難易度と、逆に正解発表(?)の時のあからさまな感じ(Xへの投稿やノイズ無しMVの放送)のレベルが釣り合っていないように感ぜられるため、そもそも深く考える事自体が間違いという可能性もかなり高いコンテンツだなと感じています。

例えば、Againとthe MIRACLEの入れ替わりが治った事、HPがwordpress製になった事、systemlog配下のpathのいくつかが消えている事などはどれも前兆やそれを示すサイン無くしれっと行われているため、これらを除けば現在確認されている明確なアクションはrecognizeのXでの投稿とMVの公開設定変更だけであり、考察するにはいささかヒントが少なく、「反応する曲を探す」の難易度レベルから跳ね上がりすぎており、待機系コンテンツと考えた方が自然だとも感じます。


それでも何かを見出そうとしてしまうのは、人という意味付けによって世界を捉える生き物の性でしょうか。


他にも漏れている情報等ありましたら、お教え頂ければ幸いです。

草々


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