雑筆1  ソニーの社長交代

コロナ禍になり、集合研修が減り、時間ができました。この機会に、研修内容をエッセイにして冊子化しました。研修の事前事後の補助教材としても作りました。私の研修は、「企業の組織力の強化」することを目的としています。具体的な研修は「プロジェクターマネジメント研修」「マーケティング研修」「問題解決研修」「法人営業研修」です。2023年2月までに主な研修内容のPDF化が終わり、弊社HPよりFreeでDLできます。今後のエッセイをどうしようか考えました。元々エッセイを書き始めたのは「脳トレ」のためです。脳のトレーニングには文書を書くことが効果的だと何かで読みました。この後は、テーマを決めず思いついたことを、気ままに書こうと思います。「雑筆」とは、雑多なことを書き記すこと。また、その書いたものを意味しています。雑記、雑録とも言います。ですから、雑談は、とりとめのない話になります。もしお読みいただければ望外の喜びです。
初回は、ニュースになったソニーの社長交代について書きます。ソニーグループは、2023年4月1日付けで社長が交代します。現取締役 代表執行役 副社長兼CFOの十時(ととき)裕樹(ひろき)氏(58歳)が、取締役 代表執行役 社長 COO兼CFOに就任する。現取締役 代表執行役 会長兼社長 CEOの吉田憲一郎氏は、取締役 代表執行役会長 CEOとなります。
ソニーの新社長がどのような人か興味があり調べました。十時氏の著書を検索したところ「ぼくたちは、銀行を作った。ソニー銀行のインサイド・ストーリー」があり図書館で借りました。とても面白い内容でした。内容はソニー銀行設立プロジェクトの話です。十時氏は、早稲田大学商学部の卒業です。当時、十時氏は財務部の所属で、突然プロジェクトの主担当に任命されました。1998年にプロジェクトが立ち上がりました。始は十時氏プラス外部からソニーに入社した2名の、たつた3人です。そして半年後には、プロジェクトは凍結(解散)されました。はしごを外されました。それでもあきらめずに半年後に「自主解凍」。1999年11月に正式にプロジェクトがスタート。業務内容をインターネット銀行に決定。1999年12月5名でスタート。2001年3月銀行の予備免許交付。4月2日正式に会社設立。全員が不眠不休のハードワークをしています。2001年6月開業。約110名でスタート。ソニーを退職してソニー銀行の取締役・営業企画部統括部長になる。その後、2013年ソニーネットワークコミュニケーション副社長、2020年ソニー副社長。こして今回社長です。
 本を読んで強く印象は、「とにかく明るくて、前向きで、ユーモアがある」ことです。本には、愚痴もネガティブなことも一切書いてありません。「銀行設立プロジェクト」を読めば、苦労の連続です。私もプロジェクトの凍結を経験したことが有ります。私は解凍できませんでした。苦労は理解できます。私ならきっと投げ出しています。十時氏は忍耐強く情熱があります。これからの時代に、ソニーは最適なトップを選択したと感じています。流石ソニーです。私なら、こんなトップの下で働きたたかつたです。著書の中の「ソニーは、チャレンジに優しい」の言葉が印象的です。
前社長の吉田憲一郎氏 (63歳)の略歴も調べました。東京大学経済学部の卒業です。1983年にソニー(現・ソニーグループ)に入社。2000年に現・ソニーネットワークコミュニケーションズに出向。2001年に同社の執行役員に就任、2005年に代表取締役社長に就任。その後、ソニー(現・ソニーグループ)を退職し正式にソニーコミュニケーションネットワークに移籍する。22013年に、平井一夫からの要請でソニー(現・ソニーグループ)に戻り、執行役 エグゼクティブ・バイス・プレジデントCSO兼デピュティCFOに就任。2014年に代表執行役CFOに就任を経て、2018年に平井一夫の後任として代表執行役社長兼CEOに就任。2020年に代表執行役会長兼社長CEOに就任。
 私の吉田氏の印象は、ソニーを立て直した人です。平井社長時代はパソコン「VAIO」の売却、テレビの分社化、電池事業売却など赤字体質からの脱却を図っていました。その頃にソニーの友人もリストラになりました。業績は、2013年3月期は売上高の4割を占めていたエレキ事業は、23年3月期は2割にとどまり、エンタメ事業が売り上げの5割超を占める見込みです。18年に、吉田氏が社長に就くと、20年に金融事業のソニーフィナンシャル・ホールディングス(HD)を完全子会社化し、21年には社名を「ソニーグループ」に変更するなど、経営体制を再編してきました。22年3月期は本業のもうけを示す営業利益が初めて1兆円を超え過去最高を記録しました。
吉田氏と十時氏は、インターネット通信子会社の現ソニーネットワークコミュニケーションズの社長と副社長でした。会社員は、どうゆう上司と仕事をしたかの経験が、人生を大きく左右します。2013年、吉田氏は、前年にソニー社長に就いた平井氏にソニー本体に呼び戻されました。十時氏も子会社への転籍から、たぶん吉田社長の求めでソニー本体に戻っています。一緒に仕事をした経験で、十時新社長の能力を見込んでのことだと思います。一度、子会社に移籍した人材を、本体に呼び戻せるフレキシブルな所はソニーらしいです。私はあまりそうした会社を知りません。
ソニーは、次のステップとして、電気自動車(EV)の合弁会社をホンダと設立し、インターネット上の仮想空間「メタバース」で海外のゲーム会社と協業するなど、新分野への投資を強めています。十時社長と吉田会長の組み合わせは、ソニーの業績の発展が期待できる、良いフォーメーションではないでしょうか。
 
https://10s.co.jp/

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