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生活を懸けた音楽

 音楽が好きだ。そうは言っても温度感が人によってさまざまだ。ある人はラジオから流れて来る音楽を調べて聴いてみたり、ある人は昔から好きなレコードを聴き込んでいる、そんな聴く事が好きな人、歌が好きでカラオケに毎月行く人や、年に数回友達とセッションするなど自分が演奏したり歌ったりする人。

 そんな中、音楽一本で他の仕事をしないという希少な人のライブに行ってきた。

中井設計× wanogilonツーマンライブ「逆襲1987」
https://www.nakaisekkei.com/blog/2022/07/18/000000

 ライブハウスに入ると満面の笑みの男性が迎えてくれた。
(これは、中井設計のお客さんではないな。)と思いながら、
ジャズを聞く人は明るい人が多いのだなと思いながらコーヒーフロートを頼んだ。

 乗ってるアイスがめっちゃうまい。コーヒーも懐かしいドリンクバーの味でめちゃ癒される。

 そうこうしているうちに、ひと組目のwanogilonのライブが始まった。

 先程の満面の笑みで迎えてくれた男性がタップダンスでリズムを取りながら、ピアノの女性が強い視線を送りながら演奏している。男性がタップしながら歌い出した。

あの男性演者だったんだ。驚きとタップの心地良さに身体が揺れる。

wanogilon
ピアノ  吉田ちえみ
ダンサー Go  Yamashiro
他にパーカッションが居るけど、今日は2人体制とのことだった。

 Goさんは身体の中に入ってくる音楽を気持ち良さそうに感じながらダンサー的身体の動きでリズムを取りながら、吉田さんのピアノがそれと会話するように演奏されていて、全てが譜面なのかジャズ特有のアドリブが混ざっているかは分からなかったが、変則感がある心地良い音楽だった。

 あるテレビ番組で岡崎体育さんが投稿者の音楽を聴くときに滑らかな首の動きで音楽にノッテいいるのを見て、どうやってあんな動きが出来るのだろうと思っていたが、それの上位互換の様なGoさんの動きを見て、身体の使い方が分かればもっと音楽が楽しくなるのかもしれないと思った。

 タップが終わるとGoさんはドラムを叩いていた。ドラムが全身に響き渡る。本当に生のドラムと云うのは、生命の根源に響き渡るものだなと思った。これは距離の近さと楽器の数が少なかったからより伝わってきたのかもしれない。

 吉田さんはピアノを学生時代から弾いてきて、ずっと弾き語りをやりたいと思っていたが、今回が初挑戦ということで、なかなかきっかけがないと挑戦しない物だよな。と思うと共に初挑戦に立ち会えてとてもよかった。

 そして2組目の中井設計。冒頭で話した仕事を辞めて音楽活動一本に絞ったソロアーティストだ。

 中井設計のライブは“アコースティック”、“ゲームボーイ”、“弦が一本”の3部構成で行われた。

 中でも“ゲームボーイ”は、任天堂のゲームボーイを音源としてドラム、ベースパートを表現する。初めて聞いた時は、ゲームボーイにこんな音が出せるのか?という太い音が響いていた。

 何曲かすすんで、ピコピコ音が欲しいなと思っていたら、飲み会に誘った友達に「明日息子の運動会だから」と断られた曲は、ピコピコしている部分があり、なんだか小学生を表現している様だった。

 ブラックロータスという曲では、パーカッションだけでなく高音部分もありゲーム音楽っぽさがあって最高だった。やっぱりゲームボーイを使うからにはドラムとベースパートだけではもったいない。

 弦が一本では、やはり歌い上げられているだけに安定の盛り上がりを見せていた。

 それだけに集中した仕事。これがいい。ある忍術の奥義に、目的達成のために目的達成の事以外考えないというのがある。前回のワンマンライブから約2ヶ月という時間で詰め込まれたアイデア達は驚きと感動に満ち溢れていた。

 今回のライブではwanogilonという素晴らしいバンドに出会えた。吉田さんのサイトには中井設計さんとの出会いが綴られており、大切な同級生との対バンであることか伝わってくる。

http://chiemiyoshida.com/

 そして自分もやりたいと思ってる事を挑戦しなくてはと感じた。心を動かしてくれる素敵な時間をすごせた。

 逆襲1987に関わってくれた皆様、ありがとうございました。

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