にじさんじの企画が本当に減っているのか調べてみました

 にじさんじの企画についての記事を読んだので、「本当に企画は減っているのか」「本当に盛り下がっているのか」「その原因は何か」を確認したり考えてみました。

 一個人の感想なので「お前の中ではそうなんだろうな」の精神で宜しくお願い致します。関係各所への批判の意はありません。
 なお以降の文でライバー名は敬称略とさせて頂きます。

本当に「企画」は減っているのか

 時期の影響を受ける可能性がある為、昨年(2020年)と今年(2021年)の1〜4月のデータで比較してみます。(ちなみに2020年1〜4月と9〜12月のデータは比較的似ています)
 主なソースは非公式Wikiの「大規模コラボ」「イベント・大会・特番等」「公式番組一覧」ページ。一部欠けや省略あり、順不同。
 正直データとしては不確かなのですが、大まかな傾向把握は可能なのでこれでいってしまいます。

 なお「企画」の定義ですが、「公式番組」「ライブ」「6名以上のコラボ」、更にゲームの場合は「大会形式」または「何らかの創意工夫が見られるもの(本来のルールに独自の追加要素がある等)」としています。ぶっちゃけふわっとしていますのでフィーリングでお願いします。

■昨年(2020年)
--公式番組
・レバガチャダイパン

--ライブ系
・にじさんじMusic Week
・Shout in the Rainbow(Zeppライブ)
・他ゲスト出演

--ゲーム系
・ARK(戦争、ボス戦)
・スプラ杯
・麻雀大会
・打鍵王
・ポケモン姫プトーナメント
・マイクラ謎解き
・マイクラ人狼RPG(ワイテルズ)
・グウェル企画(若手人狼、マリカ最弱王)
・悪魔のすごろく

--その他
・D-1グランプリ(ダジャレ王)
・緑仙企画(架空声優オーディション、メイド喫茶、パンダ中身当て、にじメンズプロデュース(飛鳥ひなと共同開催)、にじックス、歌配信リレー、進路相談、感動エピソード)
・クイズ王
・嘘リアクション王

■今年(2021年)
--公式番組
・レバガチャダイパン
・にじクイ
・B級バラエティ(仮)(にじバラ)
・ガッキュー裁判

--ライブ系
・にじFes
・VARKライブ(ヘブンガールズ&グリーンルージュ)
・樋口楓ソロライブ
・VIRTUAL JAPAN CIRCUIT名古屋公演
・他ゲスト出演

--ゲーム系
・麻雀大会
・福袋争奪桃鉄
・マイクラ腕試し
・いちから中央銀行完結
・パワプロアプリプレゼン大会
・ARK
・Among Us
・ニコニコ春のゲーム祭り
・グウェル企画(女子人狼、にじリーグ、英会話伝言ゲーム)

--その他
・悪魔のすごろく
・ローション企画(相撲、ダンス)
・初対面対話バトル
・NIJINYANJI
・IPPON(大喜利大会)
・まゆずみ王、さえぐさ王、ふわみなと王
・声劇同好会
・月下の桜プレゼント王

 ……そんなに減ってなくない?

 それでも「今年は企画が減っている」「盛り上がりが足りていない」と感じるのは何故なのか。
 原因(と思しき部分)を5つ挙げてみます。

企画が減っている・盛り上がっていないように見える原因

1.大規模大会の減少

 昨年はスプラ杯、麻雀大会、打鍵王と20〜40名以上が参加した企画が複数見られました。
 一方今年は麻雀大会1件(それでも参加者は60名以上に増加していますが)のみとなっています。
 外部(企業・個人)が関わった大型ゲーム企画は存在していますが、箱イベントの印象が強い大会に比べるとどうしても盛り上がりに欠ける印象かと思います。
 昨年末にはじゃんけん王、マリカ杯、(大会ではないですが)ユニット歌謡祭などがあった為、そこから地続きで対比すると余計に何も無く見えるのかなと思います。

 但し大規模大会を実施することの困難さは時折主催ライバーから語られており、そう易々と開催できるものではありません。
 ライバーの多忙さやリスナーの不満、炎上リスク等も関与しそうですが、上手く兼ね合いを付けて適度な頻度でやってもらえたら嬉しいなと1リスナーとしては思います。

2.ARK戦争の縮小

 昨年は二度の戦争と大人数でのボス攻略による盛り上がりを見せた「ARK」。
 今年も多くのライバーが参加しているものの、トライブ間対立と言えるのは「スノーリベンジャー(アニキとコブン) vs DesertEagle(アーカーシャの剣)」のみであり、それも一時停滞中。ガスバグレースは盛り上がりましたが、他は概ねまったり育成・建築や前年よりは少人数でのボス攻略に落ち着いています。

 そうなった原因は人気ライバーのプレイ頻度・一部ライバーの言動とそれに伴うリスナーの振る舞い等が考えられますが、現状でもかつてのマイクラと似た緩い箱内交流コンテンツとして維持されている部分もあります。
 諸々を経て昨年から「役割を変えた」と言った方が正しいのかもしれません(今後の展開次第かもしれませんが)。

3.ライブの開催期間の違い

 昨年の「Shout in the Rainbow」は2月9日〜4月5日と、途中に中止公演はあれど2ヶ月間その存在を示してきました。
 今年の「にじFes」は約2.5日なので、開催中の内容は濃くとも「もうすぐライブがあるとワクワクする期間」は相対的に短くなり、結果として盛り上がりが薄い印象を受けるのではと思います。

 なおステージ数で言うとSinRは5公演(開催できたもの)、フェスは8公演(前夜祭・SinR東京リベンジ含む)。
 その他企画も含めるとフェスの方が開催内容規模は大きいのですが、これをお読みの方はどちらの方が盛り上がったと感じたでしょうか。

4.緑仙企画の減少(変化)

 昨年5月頃より、それまで多くの大人数非テレビゲーム系企画を行っていた緑仙が諸事情により企画の活動を縮小しています。
 元Seedsメンバーを主とした大型コラボや歌リレー系企画が減ったことによる盛り下がりの印象があるかもしれません。

 但し企画を全く行っていないわけではなく、「緑仙の独りアソビ」「放課後サボタージュ」などの少人数3D企画や、昨年11月には歌謡曲リレー企画を主催しています。
 現在「Rain Drops」「こじらせハラスメント」等各種ユニットでの音楽活動も活発で、歌やダンスを学んでいるという緑仙1人に企画役を担わせるのは負荷にもなりますし、現在のように他の企画者も台頭しつつある(詳細後述)というのは逆に良いことかと思います。

5.新人デビューが無い

 企画ではないのですが箱に大きな影響を与える要素なので取り上げます。
 昨年は1月末にメイフ、4月頭にVΔLZがデビューしました。その後5月末に空星きらめ、8月頭にセレ女がデビューして以後新人の加入はありません。
 関係性を重要視するにじさんじにおいて新人は新たな風を吹き込む存在でしたが、それが暫く無いことによる停滞感というのは確かに存在するかもしれません。

 ただ現状所属ライバーは100名以上。これ以上ライバーを増やすことによる管理コスト増加を考えると追加は困難という見方もあります。
 個人的には闇雲に人数を増やすよりも今居るライバーの管理や活動サポートに集中してもらいたいなと思っています。

昨年から「増えた」企画

 減っているどころか増えている・盛り上がっている部分も存在します。

1.公式番組

 昨年から続くレバガチャに加え、にじクイ・にじバラ・ガッキュー裁判と公式番組が増えています。
 それぞれ異なるライバーの取り上げ方をしており、大規模大会クラスの盛り上がりではないものの一定の注目度があるかと。外部組織(番組制作やクイズ制作チーム)との関係もライバーや運営にとって良い経験になるのではと思います。

2.3Dお披露目

 コロナ禍ではありながらも不定期に継続されているお披露目。毎回そのライバーの全力を詰め込み、3D技術の進歩も垣間見える配信は多くの注目を集めています。
 直近でお披露目を行なった相羽ういははそれまでの天真爛漫なアイドル像を大きく覆すストーリー性を見せるなど、一部のライバーにとっては節目となっており今後お披露目するライバーにも大変期待しています。

3.Among Us

 通称「アモアス」「宇宙人狼」。スピーディなゲーム性と舌戦が面白みを生むゲームとして昨年10月から度々プレイされています。参加者は基本的に8〜10人、死亡後は墓場と呼ばれる場所でのトークが発生することが多くコラボツールとしても有用で、箱内・箱外両方のコラボが実施されています。

 ただプレイするだけでなく、理論の正当性よりも語勢がものを言うパッション回、全員男性回、全員おバカ回、全員ロリ化回など何らかのテーマ性が与えられた企画状のものも存在する為取り上げました。
 箱全体への訴求力は然程高くないものも、珍プレー好プレーが出たり、ソロパートを確認する為に複数視点や切り抜きを見るリスナーが多く、複数人を知ることができるコンテンツとなっています。

4.緑仙以外による企画

 司会エルフのグウェル・オス・ガールは安定して企画を提供。ウミガメのスープ、パニキューブ、魔界ノりりむとの勉強など少人数コラボも多く行なっています。育休を挟んだり活動時間に制限があったりしますが、企画をする為ににじさんじに来たという意気込み通りの活動は好感が持てます。
 これ以外にもフミ、相羽ういは、朝日南アカネ、西園チグサ等が度々トーク系の小規模企画を行なっている印象。更に飲酒対談(サシ飲み)を継続している早瀬走、頻度は高くないものの独特なアイデアを見せるジョー・力一、ソロ企画として「歌+α」を度々行う町田ちまなど、箱全体からの注目度は多少低くとも様々な企画が行われています。

賛否両論な企画

1.外部大会

 APEXの大会(CRカップ、最協決定戦)はにじさんじからの参加者も多いものの、頻度の高さや長い練習期間、外部選手・コーチが配信に参加することへの不満の声もあり、盛り上がりはするものの賛否両論。
 一方でFall Guys、プロセカ等の大会参加も見られ、参加者数や規模感に応じた盛り上がりや新規リスナーの流入を見せています。
 特に社築は音ゲー好きが高じて先日NHKの番組(沼にハマってきいてみた・2021年4月26日放送分)に出演するなど大きな成果を見せました。

2.メジャーデビュー

 御伽原江良の卒業に伴い「petit fleurs」は解散となったものの、フェスにて「▽▲TRiNITY▲▽」のメジャーデビューが発表。森中花咲が3人と共にテレビアニメ「シンカリオンZ」のエンディングテーマを歌っています。
 フェスでステージを行なった月ノ美兎、樋口楓、「Rain Drops」の活動も続いていますが如何せん多忙であるようで、「推しがメジャーデビューすることは喜ばしいが配信が減ったり推しが疲れているのを見るのは悲しい」というファンのジレンマは尽きない様子。ライバー本人の望み優先で喜ばしいこととは言え中々複雑な気持ちを抱えている人もいるようです。

結論

・企画の数は減ったか?→総数としてはそこまで減ってない。
・各企画は盛り上がっていないのか?→そこそこ盛り上がっている。
 しかし、大勢のライバー(特に人気ライバー)が一堂に会す企画は減っている為、箱全体としての盛り上がりに欠けるように見える
 これがにじさんじの現状だと思いますが、これが悪いとは思いません。

 そもそも「箱全体としての盛り上がり」とは何かと言うと、「普段見ているライバーがバラバラの人達が集まり、同じ配信を見て感想を言い合うことで同じ“にじさんじを好きな人”が多く集まっていると感じること」だと個人的には思います。
 例えるなら(今のご時世ではできませんが)スポーツの大きな大会で見ず知らずの人と肩を組みながら贔屓のチームを応援する感覚。
 その企画へ参加するライバーが多い程、理論上色々なリスナーが集まり熱も高まっていくものだと思います。

 今のにじさんじでこの役割を果たすのは3Dお披露目か一部の公式番組ぐらいでしょうか。
 それにしたってどうしても出演者が限られる為「これは見なくてもいいや」という声も出ます。出来の良し悪しもありますが、どんなに各々創意工夫されていても「推しが出ていないものは見ない」という人もいる為です。

 反対に、「このライバーが出ているなら見ない」という人もいるかもしれません。
 元記事で槍玉に上がっていた渋谷ハジメもそれに該当するそうですが、例えばにじフェス中のカラオケ王では然程嫌悪感は無かったので台本構成や振る舞い方次第なのかなと思います。
 絶対に見たくないという人もいることもわかりますが、そういう方は各々で適宜取捨選択するというのが基本になるのかなと思います。
 主催が特定ライバーを拒否するか、参加させる場合どう対応するかは企画内容と主催の思惑次第になるので言及を避けます。リスナーからは「主催者の都合の良いようにしてくれ」としか言えません。

 企画をしてもしなくてもリスナーは文句を言うし、ライバーはなかなか足並み揃わないし、場合によっては資料や素材を作らないといけないしで企画を主催するのはとても大変なことだと思います。ライバーとして他にもやることはたくさんあるでしょうし、二足のわらじの方はもっと大変でしょう。

 リスナーがかつてARK戦争や甲子園などで感じた熱を求めてしまうのはわからなくもないのですが、あんなものが高頻度でできる訳がない。
 更に様々な企画があってライバーのスケジュールが分散化しているからこそ大型企画がやりづらいというジレンマもあると思います。
 ただ今までよりも長い準備期間が必要になっただけであって、箱を盛り上げたいとか楽しいものを見せたいと思うライバーがいる限り、今後も大小様々に企画は行われると思っています。

 個人的な感想としては、推しが普段通り配信してくれるだけでありがたいですし今の盛り上がりでも別にOK。あとは大きいイベントがGWや夏休み等、節目節目にあったら嬉しいなと思う次第です。
 企画があるなら全力で楽しみ、無いなら静かに待つ。リスナーが出来ることはこれぐらいかなと思いつつ、次の告知を待っています。

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