スアレス加入の是非

メリット

現地ジャーナリストのツイートにこんなものがありました。(以下の内容は要約です)

スアレスの加入には契約更新の時期が近づいている主力選手(オブラク、トーマス、ヒメネスなど)に対する、クラブのタイトルへの意欲を示す説得力がある

これは間違いなく一理あるでしょう。
モラタとスアレス、実績も能力も誰もが知るとおりの圧倒的な差があります。

また、モラタは昨年チーム内得点王でしたが、リーグ戦での得点も、全公式戦での得点も到底満足のいくものではありませんでした。また、今季以降チームの中心となっていくフェリックスとの相性の悪さも問題でした。
一方でスアレスはメッシとの相性の良さも知られている通り、ST型の選手との愛称の良さが期待できます。(もちろんメッシとフェリックスには大きな差がありますが)
また、劣化も指摘されるものの、リーグ戦で16ゴール8アシストの成績を残しています。
得点力不足、ゴール前での迫力が問題視されるアトレティコにとっては大きな解決策となるでしょう。

また、アトレティコには多くの若手ストライカーが在籍しており、彼らにとっての教科書となれる選手でもあります。

さらに、スアレスはアトレティコ加入に向けて半分近くの給料減を受け入れているという報道がされています。(その給料は9mとも8mとも)
チーム内で見るとかなりの高額ですが、スアレスほどの選手が減俸をここまで受け入れているのは気持ちを感じられるとも言えるでしょう。
(比較対象としては、もう1人のフリーのウルグアイ人ストライカー、カバーニは給与設定がかなり高いため、新たな移籍先が定まっていません)

デメリット

言わずと知れた守備意識の低さです。
年齢による体力面での問題もあり、守備に走れる時間が長い選手ではありません。
また、膝の故障癖も持っています。恐らくフルシーズン戦い抜くことは難しいでしょう。

これは、もう1人のストライカーとなるであろう、ジエゴコスタにも言える問題ですが、2人ともサッカー選手としてはキャリアの終わりが近づいており、アトレティコのサッカーをフルシーズン戦い抜ける選手かと言われると疑問符が着きます。

また、フリーでの加入になる見込みなので、大きな問題ではありませんが、売却益を見込める選手でもなく、スアレス後の新たな補強で多額のお金を使うのは難しいかもしれません。

ファン心理の面に目を向けると、スアレスのメトロポリターノでの「黙れ」のパフォーマンスは全くもって気分がいいものではありません。
これが理由で加入を喜ばないアトレティコファンも多いでしょう。
(なお現地では7~8割のファンが加入を歓迎しているというアンケートもありましたが...w)

モラタ放出の意義と懸念

次にモラタの放出について考えてみましょう。
モラタはアトレティコ在籍1年半の選手ですが、今夏正式に買取をした選手です。その額5500万ユーロ。
直前の記事を読んでいただいた方なら、あれ?と思うかもしれませんが、、、そうです。ユベントスに放出する額(ローン料も含めた総額)がら5500万ユーロなのです。
また、減価償却費の都合上、アトレティコはローン期間中は赤字になります。買取OPを行使されずに、10mのローン延長オプションを行使されると2年間、赤字が計上されることになる見込みです。
買い取られてやっと、プラマイゼロで計上されます。

モラタは絶対的な存在ではないとはいえ、戦力としてカウントされている選手です。

では、アトレティコがそこまでするメリットは一体何か。

その答えは、スアレス獲得のためのサラリーの確保でしょう。
スアレス獲得に関して、賛否両論あるでしょうが、シメオネはモラタの保持よりもスアレスの獲得を選んだのです。

モラタに対するシメオネの信頼はゼロではないでしょうが、必ずしも高い信頼を置いている訳ではありません。
恐らく問題は守備面で、そこが問題になりにくいリーグ戦では重宝されるものの、一発勝負となったCLではモラタの攻撃力よりもコスタの守備面での貢献と気迫をシメオネはリバプール戦、ライプツィヒ戦の両方でチョイスしました。
この判断は間違ったものかは分かりませんが、少なくともモラタは信頼されていない、と感じたようです。

ここで、反骨心に変えてくれればよかったものの、モラタは不信感から退団もやむなし、という姿勢に変わったと報道されています。
(これが真の埋骨地を見つけられない最大の原因でしょう)
かねてより、精神面での問題が指摘されていましたが、正直このメンタリティの選手なら自分個人は出ていってもらって構いません。

また、クラブが買取義務ではなく、オプションを受け入れた理由としては、来夏にはコスタの契約期限が切れます。恐らく延長もしないでしょう。
そうした場合買い取られずとも、チームで使えば...という考えもあるのではないでしょうか。

シメオネの選択と覚悟

シメオネとアトレティコの契約は2022年までです。
膨大化した給料と漂うマンネリ化によるデメリットは否定できません。
恐らくあと2年、早ければ来夏、アトレティコの伝説チョロシメオネはアトレティコを去るでしょう。
そして、チョロシメオネは自分がいる間の再度のメジャータイトル獲得を強く目指しているでしょう。

正直スアレスの獲得はクラブが持っているはずの長期プランからは大きくかけ離れたものであるでしょう。
それでも、スアレス獲得を文字通り強行するような今回の騒動は、シメオネのタイトルへ向けた強い覚悟と、シメオネの元で再度タイトル獲得を目指すフロントの不退転の決意が示されているのでは無いでしょうか。

今期タイトルを取れれば、シメオネはそれを置き土産に退団するかもしれません。

少なくとも築き上げてきたチームをある程度犠牲にしてでも、タイトルを獲るという覚悟を自分は今回感じました。

最後に

多少感情的に書きあげてしまったので、内容が重複したり、話が前後しているかもしれませんが、御容赦ください。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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