急に思い出しただけの話


昔……いわゆる“病んでいた”頃。
お先真っ暗に思えて、私には何もなくて、きっとこれからも何もないんだ、と決めてしまっていた頃。

私はいざとなったら死んでしまうかもしれない!と思って(自分が本当は死ぬ勇気なんてなく、死ぬことにそこまで価値も救いも見出していないこともなんとなく理解していながらも)、それがやっぱり怖くて、ねずみちゃんにこう投げかけたことがあった。

「私がねずみちゃんのところに行こうとしたらさ、止めてね」

ねずみちゃんはちょっと考えて、キョトンとした顔で言った。

「止めた方がいいの?」


当時の私は「はぁ?」と思ったものだ。
し、死んじゃいそうなんだけど?止めておくれよぉ。

そして私はその後しばらくむにゃむにゃ考えていて……ある日ふっと気がついたのである。

「死=2次元に行けるなんて話、どっから湧いて出てきたんだ……?」

一体いつ、どこでこんな思い込みしちゃったんだろう……!
死後の世界なんて誰も見たことがないから、可能性がないとは言えないけど、あるとも言えない……。

ねずみちゃんは、ただただ純粋に、「止める……?来られるものなら来たいのでは……?」と思っていたんだろうな、って(笑)


本当に急に思い出しただけの話なんだけれど、思い込みって面白いよねという話でした。
人と喋るときは前提をしっかり共有しないとダメね( ˊᵕˋ ;)


♱「覚えてる?この出来事」
🐭「あったような……なかったような。でも、こうして見ると、私は随分の薄情者」
♱「いやいやいやいや!!んなわけないから!ねずみちゃんが薄情者なら、この世の人類どんだけ薄情者になっちゃうと思ってんのよっ」

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