お母さんと呼ばれた日
「お母さん、試食どうぞ」
初めて「お母さん」と呼ばれたのは、先日道の駅の試食コーナーで、試食を勧められた時だった。
これまでの人生でお母さんと呼ばれる機会はなかったし、たぶんこの先もそんな機会は訪れないだろうと思っていたから、一瞬驚いた。
にこやかに試食の品をいただいてその場を去りながら、いろんな思いが巡った。
店員さんは、私の年格好を見て「お母さん」と呼びかけただけなのだろう(「お姉さん」ではないし、だからと言って「おばさん」とも言えないだろうから(笑))。
そうか。赤の他人の目には、やはり年齢相応に見えるんだ。
今も数年前も暮らしぶりは大して変わっていないから、「自分はまだ若い」と心のどこかで思っていた自分に気づき、ちょっと恥ずかしくなった。
ショックは受けたが、嫌なショックではない。
普段面と向かって客観的に言ってくれる人がいないから、ありがたいことだと思う。
見た目だけでなく、精神面も大人になりたいものだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?