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キタカミの里:鬼にまつわる伝承の話(ポケモンsv DLC)

気づけばポケモンSVのDLC後編の配信開始が明日まで迫っている。
前編の碧の仮面、キタカミの里の冒険中に気になった鬼にまつわる伝承の話を少しだけまとめておこうと思う。

インターネットでうわさされている前提を下地としているため、「噂を下地にしていろいろしゃべるなんてけしからん」という人はここで引き返してほしい。
・桃のポケモンの存在
・テラスタルの力の源流である結晶体が願望をかなえる力を持っている

三つの伝承

キタカミの里には桃太郎によく似た伝承が複数存在している。スグリとともにレクリエーションで見て回るものと、それ以外にも各地に立っている看板に鬼に関する伝承およびテラスタルを思わせる伝承が複数存在する。

これらのうち鬼に関する伝承に関しては、ストーリーをある程度進めた後、違和感のあるものがある。
「ともっこプラザ」の偽りの伝承はもちろんのこと、「楽土の荒れ地」の看板も人里に降りてくるのを恐れたオーガポンと異国の男の伝承とは一致していない。

黄昏時 村の外で 向こうから
歩いてくる影が あったなら 気をつけよ
すぐさま お面を かぶって
みずからの顔を 隠しなされ
さすれば 影が 人であれ 鬼であれ
お面同士 会釈して 通り過ぎるのみ 
もし お面を 持たざるとき あれば
影が 人であることを 願いなされ
その影 人であれば よし
二度と お面 忘れるべからず
その影が 鬼であれば 最期
真の面を 覗きこまれたなら
その者 魂を 抜きとられ
二度と 村へは 帰れぬだろう

キタカミの里 荒れ地の楽土の看板より

オーガポンと異国の男は、里から追い出されたため鬼が山で暮らすようになった。それを哀れんだお面職人が二人のためにお面を作ったため、真の顔を隠せるようになり、村の祭りにこっそり来るようになった。

この二人の伝承と荒れ地の楽土の看板は大きく食い違っているのだ。

まずは、二人は里の人達に危害を加えるような者だったかということだ。これは判断がつかないためあまり根拠として考えていないが、オーガポン自身がお面で顔を隠す側であるにも関わらず、お面で顔を隠した相手の魂を抜き取るという記述なのも不自然である。

そして、次は時系列の話だ。
そもそも、異国からきた二人のためにお面を作る「お面職人」の家系は代々続いたものなのだ。つまり、異国の男とオーガポンの存在とは関係なく、キタカミの里にはお面を作る文化があるのだ。
これはお面をつけた二人が有名になる以前から「おもて祭り」が存在しているような記述とも一致する。

つまりは、お面をつけて顔を隠すお祭りがあり、そのお面を作る職人が代々続く家系として成り立つような土地であるということがわかる。
お祭りも現代の出店が云々という感じのお祭りというよりも、時代柄、祭事的な意味合いが強い可能性が高いことを考えると、本来キタカミの里には真の顔を見れば魂を奪うような鬼がいると考えられる。
これが異国から来た鬼であるオーガポンの話とキタカミの里の鬼の伝承が混ざり、現代のキタカミの里での鬼の伝承として残っているのではないだろうか。

そしてこれが、なぜか語られている桃太郎にあたるポケモンが存在する可能性とつながってくる。

桃太郎

キタカミの里のオーガポンとともっこの物語は、桃太郎に酷似している。しかし、本来の桃太郎とは善悪の立場が逆であるという構造になっている。
つまり、碧の仮面で登場しなかった桃太郎のポケモンが登場するとした場合、敵役および悪役に該当する可能性が高い。
これは自分が見る限りあちこちで話題になっているため、もろもろは割愛するが、ゼイユとスグリの祖父から聞く伝承内で、珍しい仮面の話に集まってきた欲深いポケモンは「数匹」という表示になっていて、この時の映像に映っているのが三匹のともっこだけではない、という話がある。

加えてスイリョクタウンの桃沢商店にある置物と、りんごの有名な土地でわざわざ桃をチョイスしたあたりに桃太郎の存在があるのではないかというわけだ。

そして、この桃太郎のポケモンを本来の鬼と仮定し、各地の看板と本来の桃太郎の物語と照らし合わせて考えていくと、この桃太郎もまた土着の鬼ではないと考える。

桃太郎は大きな桃に入った状態で川を流れてきたところから始まる。これをキタカミの里の土地に当てはめると、てらす池から物語が始まったと考えられる。

てらす池は 大昔に どこかから
もたらされた 結晶の成分が 溶けており
池の光を 見ていると 亡くなった人に
会えるという 言い伝えも あります

キタカミの里 てらす池の看板より

桃太郎はどこから来たかは現代の桃太郎の内容だと謎になっているが、ポケモンの世界では結晶体の影響で引き寄せられ、その後流れていった、と解釈した。

実際、マップを見る限り、各地の川などもてらす池が源流でもおかしくない形になっている。そして流れ着いた先は落合川原だと予想する。
これは看板の内容が主な理由だが、単に集落から近い位置にあるのも桃太郎の話と合わせたときに、洗濯に来たおばあさんと矛盾しないのも理由としてある。

落合川原は 鬼が山から 流れる
二本の川の 合流地点です
山の周辺で 落とした 失せものは
この場所に たどり着くと 言われています

キタカミの里 落合川原の看板より

これらを総合して桃太郎にあたる鬼は何者か、少し物語を創造して予想してみる。

桃太郎のバックストーリー

共通の桃太郎の特徴予想

・「真の顔を見ると魂を抜き取る」は比喩表現である可能性がある。

顔というのを願いと置き換えて、「魂を抜き取る = もともとのその人でなくなる」と仮定すると、ともっことスグリの受けた影響と一致する。
さらに、これが真の顔を見たときに願いを読み取れる、としたときには非常にエスパータイプらしいうえ、ともっこたちにどくのくさりを繋ぎどくタイプを付与したのであれば弱点がつけるというお得てんこ盛りでなんとなくつじつまが合うような気もする。

・テラスタルの結晶の力
オーガポンは結局、仮面についた結晶によってテラスタルの力の恩恵を受けている。
名前は鬼のオーガ、と柑橘類のポンだと思うのだが、中国語名からして柑橘類の種類はポンカンらしい。そして彼女の見た目は非常に日本的で、かつポンカン自体はイベリア半島以外の土地との縁の方がある。これを言い始めるとシャリタツはどうなんだとなってしまうが、異国の男が結晶を持っていた理由が本人から語られていないことから、異国から持ち込まれる⇒てらす池などに根付く の順ではなく、てらす池などに根付いていた結晶を異国の男が持っていた の順である可能性もある。
もしそうだった場合、先に結晶の力を得たのは桃太郎の方であり、ポケモン自体がその力の影響を受けている可能性がある。
また、結晶が願いを叶えるようなものだった場合、異国から二人がキタカミに流れ着いたのもその力を頼っての可能性もある。
その場合、興味を持ったのはともっこに当たる三匹だけであり、桃太郎のポケモンは明確にオーガポンと敵対の意志があったのかもしれない。

予想①

桃太郎はパラレルワールドのポケモン、つまり同じ時間のパラドックスポケモンであるという予想である。

なんらかの力が作用した、あるいは誰かが願ったことによって、結晶体から呼び寄せられたポケモンが流された。

このポケモンは真の顔を見ると魂を抜き取るという特徴を持っていて、オーガポンとは多少生息域をずらして生活、さらに里の人にも危害を加えていたと考える。ただし、桃沢商店の家系にあたる誰かはなんらかの恩恵を受けていた可能性がある。

どくのくさりをともっこになる前の三匹につけ、その願いをかなえた。

予想②

予想①に付け加えて、桃太郎は本来キタカミの里にいた何者かだったが、その何者かのパラレルの存在が蘇った形になり、鬼として恐れられたという流れである。

この何者かがもともと桃沢家に関わりあるものだとすればもろもろのつじつまも合致する。

おしまい

いろいろしゃべったが、とりあえず12月14日配信開始の藍の円盤が楽しみというだけだし、最終トレーラーを見た限りではブルーベリー学園の要素とエリアゼロの最終探索の物語要素が強く、もうキタカミの里の話は触れない可能性が高いが、スグリとゼイユが中心に関わる以上多少何かあるかもしれないと期待しようと思う。

というかとりあえずポケモンSVとそのDLCやろう。まじで。

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