見出し画像

トニー・ケンプ獲得と二塁手事情

左打ちの2Bを獲得

大きな補強ポイントだった、「左打ちの2B」を補強しました。
現在、A'sの2Bのデプスは、フランクリン・バレト、シェルドン・ノイジー、ホルヘ・マテオ、チャド・ピンダーと右打者偏重で、12月のルール5ドラフト関連の動きでCHCのAAAから左打ちのヴィマエル・マーチンを獲得したばかりでした。

メジャー未経験のマーチンだけでは心許ないため、その後も左の2Bを探し続けていましたが、ケンプの獲得で一先ずは決着という形になるでしょう。

獲得の意味

ケンプはアストロズ育ちのユーティリティープレイヤー。
メインポジションは2BとLFで一応RF/CFも守れる汎用性の高さが最大の売りです。
加えて、身長170cmながら、高いヒッティングスキルと出塁能力をマイナーでは発揮、ホセ・アルトゥーベとも比較されていました。

2016年にデビューこそしたものの、なかなか定着のきっかけを掴めずにいましたが、アストロズが特に故障者に苦しんだ2018年に持ち前の汎用性と出塁能力を生かしてメジャー定着を果たしました。

しかし、その後の19年は不振に陥りDFA、マーティン・マルドナードとのトレードでシカゴ・カブスに移籍しました。

そのケンプを獲得する意味はなんなのか、を簡単に言うならば、それは同じくポジションを争うマーチンの上位互換だからです。

トニー・ケンプ マイナー通算
[打率].312 [出塁率].389 [OPS].810
ヴィマエル・マーチン マイナー通算
[打率].265 [出塁率].358 [OPS].729

以上は、マーチンとケンプのマイナー通算成績の比較ですが、かなりの差が出ていますね。しかもAAAで1300打席以上の経験があるケンプと、それが100打席にも満たずほとんどをAA以下でプレーしているマーチンですから、実力の差は歴然と言えるでしょう。

しかも、条件の面でも2人には差がありません。

ルール5ドラフトで獲得したマーチンは、ルール5ドラフトの規則によって、1年間はアクティブロスター(今年から25->26に増枠されました)に置かなければならず、それが出来ないなら前所属に返却することになります。

ケンプの場合は、マイナーオプションが切れており、いずれにせよマイナーに落とすことが出来ません。

そして、2人ともいまだに最低保証年俸で雇うことが可能であり、スプリングトレーニングでお試しで競わせて、どちらかを選ぶということに関してはほとんどリスクがありません。

交換要員について

交換要員はアルフォンソ・リバス一塁手だそうです。

随分高くついたな、という印象を受けました。
その前にジャレル・コットンを金銭で送り出したトレードもあり、コットンを交換要員だと思ってもっとバリューの低いパッケージにしてくれても良いのにと少し思いました。

それはさておきリバスについて。
リバスは高い出塁率をマークできるアプローチの良さが際立つ選手で、まだ未開発なパワーと安定した一塁守備を加味しても、ブレイク前のヨンダー・アロンソやマーク・グレースに近い選手との評価を受けるプロスペクトです。

かなり良い選手だと思いますが、A'sの一塁にはマット・オルソンがいます。トレードチップになったのは仕方ないですね。

ところで、2018年ドラフト4巡目のリバスの放出によって、ついに2018年ドラフトのトップ5指名の内でまだチームに残っているのは2人のみになったそうです。もともと一巡目指名はいなかったんですけどね!ウケる!w

ジェド・ラウリーの噂はもうない?

この間の記事でも取り上げたジェド・ラウリーの古巣復帰の線は、恐らく消えたでしょう。

ケンプの獲得によって40人ロスターは現在39人。その中で、8人目の二塁手を獲得するのは流石に考えにくいと思います。

二塁手補強はこれで終わりでしょう。もともと、マーチンの獲得自体に保険の意味合いが強かったですが、ケンプの獲得はそのさらに保険の保険。
スプリングトレーニングの競争を勝ち抜いた選手にポジションを与えるという心づもりでしょう。

残ったロスター枠はあとひとつですね。まだまだブルペン補強に注力して欲しいです(平野がまだいるよ!)


最後に

・ケンプ補強は保険、追加補強は恐らくない
・二塁の定位置は、「マテオvsノイジーvsバレト」と「マーチンvsケンプ」の競争次第

というお話でした。

オフシーズン選手が何をしているのかというのは、ウィンターリーグの活躍ぐらいは追えてもオフの取り組みに関しては全くの謎です。

昨年モンタスがスプリットをオフに覚えて大開花したようなブレイク劇を、二塁手を争う誰か1人の中からでも見させて欲しいものです。

あと、ファイアーズはケンプとは仲良くしてあげてね。


よろしければサポートをお願いします