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タスクの先送りの技術として、ヒットアンドアウェイ

今回の記事では、「仕事の先送り」について、書きたいと思います。

「やろうと思って、やりきれなかったタスク」をどう処理するか。
ほぼ毎日の悩みではないでしょうか。

予定よりも多くの時間がかかってしまったり、予定外の仕事が入り込んだりして、だいたいは「やりきれなかったタスク」が発生してしまうと思います。

翌日に延ばすことを、先送りと言いますよね。


実は、先送りできるだけ、まだ、マシです。
今日やるべきかどうか、何も決まらないうちに、ただ1日が終わることが多い人も、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。

これは、先送りというより、放置と呼ぶほうがふさわしい気がします。


私は、意図的な先送りと、無自覚な放置とを、はっきりと区別します。

先送りとは、やるべきと分かっていて、あえて「後日やる」と決めることです。
放置とは、何も考えずに、漫然とただタスクを抱え続けることです。

後輩には、よく指導します。
「やるべきと分かっていてやりきれないなら、仕方ない。フォローできる。」
「でも、作業するのか、捨てるのか、保管するのか、何も分からずにただ放置するのはやめなさい」と。



タスクシュートでは、放置されるタスクというのは、無くなります。
必ず「このタスクをどうするか」を明確にするからです。
「いつかやる」という、ざっくりした区別でも別にいいのです。
いつかやると決めておくだけでも、まったく違います。
1ヶ月後にやるでも、来週やるでも、もちろん素晴らしいです。

そうやって絞り込まれて「今日やるタスク」が決まります。


そして、今回問題にしたいのは、「今日やるタスク」が、今日中に終わりそうにない時のことです。

ここで登場するのは、先送りの技術と言ってもいいでしょう。

タスク管理メソッドである「タスクシュート」で推薦されているのは、ヒットアンドアウェイ方式です。

ボクシングでは、よく聞く言葉ですね。
パンチを繰り出して、ヒットさせては、離れる。
状況をよくみて、またパンチをヒットさせては、離れる。

少しずつダメージを蓄積させて、制限時間内に、相手が崩れ落ちるのを図ります。
タスクを終わらせるやり方も、これと同じなのです。



「今日やるべきこと」が終わりそうにない時のヒットアンドアウェイ。
タスク管理のヒットアンドアウェイとは、


最低1分でも手をつけてから、先送りする。


というものです。
長くても5分がいいでしょう。


えっ!?1分だの、5分だの、うちの仕事をバカにしてるの?

そう思いましたか?
いえいえ、手強い敵だからこそ、ヒットアンドアウェイが有効なのです。


1分でもタスクの中身を見てみると、大きなかたまりのタスクの中に、意外と小さなタスクが集まっていることに気付きます。

この小さいタスクだけ、今日やっとくか。
一本だけ、電話かけとくか。
一通だけ、メール送っとくか。
明日よろしくと、声だけかけとくか。
この小さいタスクをしておくかどうかが、あとあとになって大きく響いてきます。


1週間を考えてみましょう。
1分のヒットアンドアウェイを、月〜金に毎日繰り返した人と、
まったく手を付けずに「来週まとめてやるから大丈夫さ」とまるまる先延ばしにした人と、どちらが頼りになりそうですか?

ヒットアンドアウェイを繰り返した方が、確実に、スムーズに仕事が運びます。間違いないです。


逆を言えば、タスクシュートでは、一撃必殺は、そうそう狙わないということです。
ボクシングでもそうですよね。
いきなり思いっきり相手に踏み込んで、渾身の一撃を叩きつけようとすれば、サクッとかわされてかえって大ダメージを負うのが関の山です。
これは、仕事でも同じ。
やる気だけが空回りしてしまって、的外れな行動をしてしまい、かえって迷惑をかけるし、大きく評価を落とすということになります。


1日の夕方になるころは、ちょっと一息つきましょう。
これから帰るまでに、「今日やるべきこと」が終わるのかどうか。
終わりそうになければ、ヒットアンドアウェイです。
各タスクにつき1分。長くても5分。
ちょっと手を付けてから、先送りします。


これで、「今日やるべきこと」は、ちゃんと実行できました。
15分やろうとしたところ、1分にしただけですから、実行は実行です。
実行したのです。
何も手を付けずに先延ばししたのとは、訳が違います。
自信を持って、先送りしましょう!


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