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雪組バウホール公演「Sweet Little Rock 'n' Roll」感想② 彩海せらさん

雪組バウホール公演、感想続きです。
※写真はちょっと差し替えました
この2カップルの並び、好き。

いやー、もー!!
最っっっ高にかっっっっわいかった!!!!!
あみちゃんが好きだ!!と、また今回も思いを新たにした私でありました。
ので、思いつくままいっぱい語ります。
本当にすてきだったのよ。

「雪組の彩海せらさん」

まさかのバウ初日3日前に公示された、あみちゃん(彩海せらさん)の組替え発表。
雪担は泣きっ面に蜂もいいところでしたよね。その前日に、国フォ公演初日が中止(→全日程中止)が発表されてしまったばかりだったのに。
「雪組の彩海せらさん」が、このバウ公演で見納め、という。「雪組のあみちゃん」が、あと、たった2週間しか存在しない、という、衝撃。
今!?なんで今なの!!!?????
タイミングが本当にいろんな意味でひどくて、もう私も含め皆さん阿鼻叫喚でしたね。
CH/FFで大劇場の雪組あみちゃんは見納めだった、らしい。えええええぇそういう大事なことは頼むから先に言ってくれないかなぁあああ!?

あみちゃんは、雪組みんなのこどもとか孫みたいな存在だと思っていました。
どうしてそんな思いを抱かせるかと言えば、本当にあみちゃんの舞台姿には、いたるところにたくさんの人の面影が見えるからなんですよね。
見つけるたびに嬉しくなってしまうし、なおかつ、それを魅せるのが、他の誰でもない、彼女であるからこそ良い。
過去に名のある誰でもなく、間違いなく「彩海せらさん」であるのが、本当に頼もしくて、キラッキラに眩くて、カッコよくて、かわいくて。

一番くっきり見える影は、やっぱり、私には望海風斗さん。
今回、また別枠で語りますが、歌、特にデュエットと黒燕尾が本当に衝撃的で腰を抜かしました。
そして次いで朝美絢さん。フィナーレ歌唱での魅せ方にバーンと見える朝美色には、見事すぎて笑いたくなってしまった。
客席釣りのウインクやサングラス使いなんかには、彩凪翔さんの影がふっと滲み出てくるし。
私が観劇したときの幕前芝居のテンポが、明らかに初日映像より良くなっていて、それはつまり、真那さんや愛さんのコメディーな空気感を、現在進行形で学び取っているということなのだろうし。

いわば彩海せらさんは、大変勝手ながら私にとって、私が好きになった雪組の「継承者」でした。
過去、と、もうどうしても言わなければならないあの素晴らしい舞台人たちの姿。けれどそれは、その光は、消えるのではなく、彩海せらさんという人の中で、さらに発展していくのだ。
そんな確信を抱かせてくれた。
そんな、稀有な方でした。
ああ、だからタカラヅカはこんなにも連綿と続いているのだと、
そう、私自身の大きな納得をもって理解させてくれたのが、彩海せらさんでした。

だから、どうしてもいかないでと、思ってしまう気持ちがあります。
こんなに素晴らしい躍動を見てしまうと。あがた(縣千さん)とあみちゃんの、やっぱり並びのコントラストが素晴らしく常に息ぴったり、もはや阿吽の呼吸な「あがあみ」を見ると。
どこまでもどこまでも、惜しくなってしまう。
言っても詮無いこととは、わかってはいるのですけれどもね…。

なので、私はどうしても「雪組の彩海せらさん」を、何とか自分の目でしっかり見納めたかった。
もうね、本当に素晴らしかった!!
あみちゃんの成長速度がとんでもなくて、あちこちで驚かされまくりだったよ!!

ロバートくん

あみちゃんのお役、ロバートは基本的にヘタレ。絶叫系もお化け屋敷もダメなビビリ。
リールハイスクールでは、とてもまじめなほう。多種多彩なリーゼント山盛りな本編の中で、あみちゃん演じるロバートの髪型は、ふわっとナチュラル。
いいところの坊ちゃん、と言われたら信じてしまいそうな、かわいさ。坊ちゃまって呼ばれるのがなんだかとても似合ってしまう風貌がもうほんとうにかわいい。
ダボめカーディガン着せようとしたのは誰なんだ…かわいすぎるだろ…かわいい…。

んでもって、そんな設定でありつつ意外に?
物怖じしないし人見知りしないし(転校生あがたビリーと笑顔で自己紹介しあって握手して、即楽しそうに話し始めるのとかもう可愛くて笑ってしまった)
きちんと喋りができるので、幕前芝居に愛先生真那先生とともに借り出されたり(「翻弄されているロバート」の間の取り方が本当に抜群に愉快かつ明白でおもしろくて好き)
若干のハプニングもありつつメアリーと両思いになってからは、徐々に自然に積極的に…つまりは男役「らしく」気障になっていく。

このグラデーションが、本当に絶妙でした。いやー、いやー、もー、かわいい!!
基本はかわいい!のに、突然やってくるバッチリ決まった男役の所作!
サッと髪かき上げたり、一度メアリーの腰に腕を回すとそのままずっとメアリーをホールドしたままだったり!
しかもホールドしたままで穏やかに二人で会話してるんですよ。
くらくらしました。ギャ…ギャップ萌えなの…そうなの…!?


縣千さんと

あがあみ。
コントラストが本当におもしろくて愉快なコンビ、あがあみ。
一期差で、お掃除分担さんで。なんやかやずっと互いに関わってきていた二人。
その、最初で最後かもしれないワン・ツーだというのに、冒頭からからみがありすぎて、twitter上にレポが上がらない不思議。
ではない。多分そうだろうなと思ってたら案の定でした。特に1幕のあがあみだらけ具合!すごい!!

いやぁもうまずやっぱり、二人の並びの逐一絵になることよ。
シュッとしたあがたとキラキラあみちゃん、タイプが違うイケメンすぎて、リールハイスクールの下級生女のコちゃんたちが、ビリー派とロバート派で二分される未来が見える(笑)
ふたりが肩組み合って笑い合うのがあまりに自然で、ああ、お互いを信頼して、気負いも遠慮もなく、対等に舞台上で息づいているのだなあ、と。
山のように心のなかでシャッター切りながら見てました。

というかねえ、ボディタッチが!すごい多いんですよ!
場面数もすごいことになってたな!ああもう親友か!出会ったその日から親友なのかそうなのか!
あがあみが…あがあみが、すごい…すごかったかわいかった素敵な仲良し感だった…はぁー…。
そして死滅する語彙力。いつものことである。

あと上で書いた「信頼感」にもつながりますが、とにかく、あがたに対するあみちゃんの動き、反応のテンポが抜群にいい。
すごいコメディー。その「間」にめちゃくちゃ笑わされる。
好きなとこは…一杯ありますが、特に印象に残ってるのは、

夢白シンディと言い合いするあがたビリー(椅子に座ってる)に、
仕方ないなあという顔で、テーブルを下ろして境界線を引くあみロバート
→ほんの一瞬だけあがたビリーの意識があみロバートへ向き
→その隙に笑顔のあみロバートがあがたビリーon椅子をキャスターでそのままなんの気無しにころころ転がしていく

ってあの部分ですかね!
テンポが良すぎて笑えばいいのか萌えたらいいのかよく分からなくなりました。というか普通に(細身とはいえ)成人が乗ってる椅子、あんなにころころまっすぐ綺麗に転がせるもんなの?
あみちゃん一人のときもだいぶあの椅子で色々してたけど…訓練した?のかな?(笑)

本作のあがたは①でも書いたとおり、本当に、とにかく楽しそうでバチバチに発光回転していて。
あみちゃんとお芝居するのが、わちゃわちゃするのが、カテコまで含めてすごく、心底から楽しんでいそうで。
本作のナウオン見たとき、あみちゃんの場面に関して、全部すごくあがたがうれしそうなのが印象的だったんですが、
これ、実際に観劇してたいへん納得…というか、なるほどやはりのあがあみコントラスト、というか。
あがたの苦手部分は全力であみちゃんが「自分の得意分野として」拾いに行く構成になってたんですね。
実際そうしてもらえるので、あとはやっぱり宛て書きの妙で、ある程度出る音域が当てられているので、だいぶ全体的に聴きやすかったですね。

あがたもこれからがひとつ、「大変」の段階が変わるんだろうなあ。
「若手のホープ」として。「牽引するもの」として。

なんてことは、観劇最中にはもちろん考えられる暇もなく。
もう本当にいっろいろいっろいろあちこちで忙しくて、1幕終了時点で心のカメラロールは「いっっっぱい!!」になりました。
あふれちゃったよ かわいいよ…かわいい…

音彩唯さんと

かわいいメアリー

お相手役さん、ねいろちゃん(音彩唯さん)のメアリー。
ねいろちゃん…かっわいいねえええ! そして声が! 声がとてもかわいくて透明感があって活舌もよくって、好き。
鈴を振るような声ってああいう声を指すのではなかろうか。
良く通って、とても聞きやすい。

そして声質だけでなく、芝居も踊りもお歌も、えっとまだ研3…研3!?とは思えないハイレベルな躍動感で、物怖じせずあみロバートとお芝居を交わしていて、それがとても心地よかった。
もうほんとうにかわいいofかわいい、ねいろメアリー。
控えめながら、ちゃあんと言うべき言葉を持っていて、それを惜しまないところが、最高にハイスクール・ガールらしくて甘酸っぱいー。青春だー。かわいいー。
そして思いが通じ合ってからの「ロバートはね〜♡」はぜんぶ語尾にハートがついて聞こえるし、半分くらい、ねいろちゃんからあみちゃんへのべた惚れっぷりと錯覚してしまいそうなほど、ド甘い。

かわいいかわいいばっかり言ってますが、いやだって本当にねいろメアリーかわいいんですよ。しかも劇中でどんどんかわいさの最高打点が更新されていくの。
あみロバートと触れあうたびに、ねいろメアリーが嬉しそうにかわいい笑顔になるのがね、もう本当に…きゅんとします。恋する乙女は無敵ですねって…輝きが…かわいさが…ねぇもうね果てがない…かわいいー…。
どんどん、どんどん舞台上でかわいくなっていって、声も嬉しそうにはずんで。
ロバートの名前を呼ぶときには、いつだって「だいすきよ」の副音声がかぶって聞こえるくらいで。
そしてそんなねいろメアリーを、いつだってあみロバートは、ほんとうに自分のいっとう愛おしいもの、大切なものを見る目で見つめていて…。
はあ…かわいい…あみめろ(めろ=ねいろちゃんの呼び名「メロディちゃん」から)本当にかわいい…すばらしい…。
ロバートは見る目あるよねえ(何目線)

もうこのあみめろカップルは正直感想が「かわいい」でぜんぶ埋まる勢いでかわいいんですけども。
そこに行きつくまで、絶対に、ものすごくお互いにお話をしたんだろうな、いっぱいお稽古したんだろうな、というのがわかるのが、すごくいい。
あみちゃんが、とてもねいろちゃんを大事にしているのがわかる。お互いにディスカッションしながら、たくさん、色んなものを重ねて、舞台を魅せてくれているのだというのが、わかるのが、うれしい。
ふたりのお芝居も、ダンスも、歌もどれも。
それこそ「二番手コンビ」として、結構難しいこと複雑なことも当たり前のように振られているのに、全部きちんとしていて正統派で、細やかでとてもきれい。

ねいろちゃんとあみちゃんが並んでいるとき、あみちゃんが、より男前に見えてくるんです。
ねいろちゃんが、よりかわいく見えてくるんです。
ああ「タカラヅカ」だー!男役と娘役だー!と思うし、あみちゃんもねいろちゃんも、そこに自覚的であるのがまたね、とってもいい。
ビリーシンディーカップルとの色調の違いをしっかり意識して、よりコントラストをつけようと舞台上で躍動しているのが、本当に、すごく頼もしいし、作品としての見ごたえにつながる。

こんなにあみちゃんにまっすぐ想われるねいろちゃんは幸せだねって呟きを見ましたが、もう、もう、本当にそう。
ねいろちゃんが、本当にかわいいの!
そしてあみちゃんの雪組さいごの公演の相手役が、ねいろちゃんで本当に…ほんっとうに良かった…!!

音がひろがる

さてはて。
なんで今まで歌の話をしなかったのかというと、ここで話題にしたかったからです!

あみちゃん、初日映像から想像していたとおり、やっぱりオープニング登場時点からよく声が通る、ちゃんと歌詞が聞こえる聴かせる、気持ちよさそうに、のびのび歌う。
そしてオープニングでは朝美さん味を感じ、一方で劇中のカタオモイソロには望海さん味を感じる…という、なんか、すごいおもしろいことになっていて。
かわいいな…というかそのミックス具合はなんだどういうことなんだ彩海せら…まだまだ変わるのかな…と、目を細めて見ていたらですよ。
想定外にびっくりするような場面が来ました。
思いの通じ合った彩海ロバートと音彩メアリーがデュエットする場面。うんうん二人ともの安定感、かわいいなあ良い声だよ良く通るねえと思いながら聴いていて。
音彩ちゃんとのデュエットで、ふたりの声が重なった、瞬間のことでした。


あみちゃんの喉が、もう1段階開いた。
ホール全体を包み込むように、ふたりの声が伸びあって、ふくらんだ。

本当に一瞬、何が起きたのかわかりませんでした。
変な声が出そうになりました。心がふるえる心地がしました。
思い出すだけでもなんだか泣きそうになります。
ねえ。
ねえ、あみちゃん、私、この感覚、知っているよ。
私が大好きだった人が、確かにあなた達を背中で引っ張っていっていたひとが、その、唯一無二のもう一翼であった相手と声を。
音を、合わせた、瞬間の。

息を呑みながら、バウホールを思わず私は見まわしました。
伸びやかに、楽しそうに、気持ちよさそうに声を合わせ心通わせるふたりを見ながら、私は半泣きでした。
ああ、本当にあみちゃん、あなたは、どれだけ望海さんをよくよく見て学んで、あの大きな背中を追っていたのだろう。
あみちゃん。
いつの間に、そんなことができるようになっていたの。私はもう、二度とは味わえないと思っていたのに。やろうと思ったとしても、容易にできるようなものでもないだろうに。
どれだけふたりで練習したんだろう。どれだけ一緒に頑張っているんだろう。
相当のディスカッションがないと、出来上がらないでしょう、あのしっくり感。
泣いてしまうよ。
望海さんと、真彩さんが、かつて私にくれた感覚を、すごく思い出してしまったよ。

そういう感覚をくれるから、たくさんたくさん見えるから、
あなたが、どうしたって望海さんの息子のように、雪組みんなの孫のように、思えてしまって仕方がないのでしょう。



つい湿っぽくなってしまいました。もうしわけない。
次はフィナーレの話をしたい。

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