どれもいい

個人的好みからすると、
自然である普通であるという在り方が好きである。

平井先生のころの武徳会には
剣道や柔道の大家といわれる方々がおられたのですが、いびつな身体になっていることが多々あったそうです。

いびつにならないように自然な発達を目指しましょうというのが平井先生の考えで、
私もそう思うのです。

円満であること。

拳を鋼鉄のように鍛えて武器化するという考えもありですが
違うアプローチをしていきたいと思うのです。

考え方として、
身体自体が完璧にデザインされているという立場に立ち
骨の形、筋肉のつき方などにより
造られた身体の意図を読み取り
構造通りに使う、
その事で十分に能力を発揮できるというもの。

「腰回し」にしても、もともと備わっているものを使いましょうというコンセプト。

また、別の角度から。
生物進化の解釈のひとつに、
外骨格進化と内骨格進化という見方があります。
消化器官だけがあるミミズのような生物から
カンブリア期の時に爆発的多種多様な生物が生まれたそうで、
その中で、外骨格を作ったものと内骨格を作ったものが現れて、それぞれ今に繋がっているとするもの。

外骨格系は甲殻類や昆虫のように外側を硬くしたもの。
内骨格系は脊椎動物の流れ。

実際は入り乱れていて複雑ですが、ざっくり単純化すると
外骨格は外側を強化たり、大きな爪や牙を発達させるという即効性のある適性化で
その変化の意図は分かりやすい。
その環境の勝ち組という見方ができる。
適性化の権化みたいなもので、
外見が大昔とさほど変わらないという特徴がある。

対して内骨格は、
柔らかい皮膚のままであったりと、
その変化の意図はわかりずらい。
その環境の負け組という見方ができる。
しかし、環境を内部に取り込むんだことにより、
新天地へ逃げ延びることが出来たり、
魚類や爬虫類、哺乳類から鳥類と変化にとんだ外見を作り出したりといった特徴がある。

内骨格系は
わかりやすい外部武装で強くというより、
内部世界を変え、自己変容により質的変化を起こすという感じ。

つまり
環境に対して外骨格的アプローチと内骨格アプローチがあって、どちらも必要だけれども
内骨格的アプローチって面白いよねということ。

世界観を変え、在り方を変えることで質的変化を起こす。

特別な能力、超能力に憧れをいだくという心のいびつさを持つことなく、
すでに素晴らしいんだよという全肯定の武。


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