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2020/05/30

いくらなんでも夜分遅すぎるだろ。という事でこんばんは。現在25時45分。さぁ書き上げるのに何分かかるやら。

今日は昔話を一つ。

皆さんは転校の経験をお持ちだろうか。自らが転校したという人は少ないかもしれないが、自分の回りで転校が起こったという人はかなり多いだろう。何せ義務教育は9年間もあり、都市部であれば毎年30~40人程度と集団生活をしているからだ。もしこれを読んでいる方が「私の回りでは転校なんかありませんでした!」というのであれば、よほど珍しいケースでない限り残念ながら貴方の住んでいる場所は都市部ではない。ソースはある友人で、僻地に住んでいた彼は未だに転校生という概念に触れたことがないらしい。ましてや彼は私立高校に進学したから、これから新たに触れる事も無いだろう。まぁ世の中にはそういう人も居る。

僕の住んでいる所は都市部と言うには些かショボいが、立派な首都圏の郊外ベッドタウンである。少子化の煽りを受け我々の世代からクラスが減らされたが、それでも中学では40人学級が5クラスで200人ほどの学年だった。だから転校生という存在はそんなに珍しくない物として認識していた。

思えば色々な転校生が居たものだ。震災で家が被災して引っ越してきた奴、初めて転校を打ち明ける相手に僕を選んでくれた奴、引っ越しが1年延期になって急遽新学年でも同じクラスになった奴…彼らの顔が浮かぶ。

その中でも、今後一生忘れることは無いだろうと思っている強烈な記憶を焼き付けていった転校生。彼女について話そうと思う。いちいち転校生と書くのも面倒だから、以後彼女は「サトミ」という仮名で表す。

サトミはある年の3月の始めに転校してきた。とんでもなく可愛い、第一印象はそれだ。まるで天使が舞い降りたかのようであった。色白で身長は少し小さめで、髪はさらさらふわふわの紛う事なき美少女であった。10代前半の石原さとみを想像して、それを5倍くらい可愛くするとサトミっぽいのでぜひ想像してみてほしい。ちなみにこのサトミという仮名ももちろん石原さとみから取った。

石原さとみが可愛いかどうかは人によるかもしれないが、サトミの可愛さはとにもかくにも絶対的だった。あの可愛さを認めなかった奴は今になっても一人も現れていない。

そして担任がサトミの名前を紹介したのだが、僕はそれを聴き取れなかった。仮名なので伝わらないのが残念だが、サトミの名字はかなり珍しいもの(名字ランキングでは全国2万位前後らしい)だったのだ。少なくとも僕は17年と11ヶ月ほど生きているが、サトミを除いてこの名字を持つ人間を見たことがない。テレビやゲームのスタッフロールでさえも。

特筆すべきはサトミの席が偶然にも僕の隣になったことである。僕は少しはみ出した教室後方の席に座っていたから、たまたま隣には机が無かったのである。実は朝、登校してここに机を見た時点で既にちょっと心が躍っていた。教室に新しく机が置かれる事態など、転校の他にはまず無い。こうしてサトミと僕は出会った。

いや、嘘をついた。こんなことは特筆に値していない。確かにここまででも十分すぎるほど十分なライトノベル展開だが、僕の記憶にここまで染み込んでいる理由はサトミが可愛かったからでも隣の席だったからでもない。

サトミが転校してきた日、クラスには在籍している生徒の半分弱しか居なかったのだ。まさしく世間はインフルエンザ大流行時代で、さしずめうちのクラスはクラスターだった。ガラガラの教室でサトミが自己紹介をしている姿は今でも鮮明に思い出せる。先述の通り僕の席は一番後ろだったが、あまりに教室に人が少な過ぎたのでハッキリと見えたのだった。

なんで転校生の話を始めたかと言えば、昨今のニュース番組に映る「新しい生活様式での授業の様子」からこれを思い出したからだ。半分くらいしか出席していない教室を見た瞬間、この記憶がスッと甦ってきた。

席が隣になったという幸運も相まって僕とサトミはそれなりに仲良くなるんだけど、そこら辺の話は眠いので明日にしたいと思う。ちょうどこれで話したいことの半分くらいなのでキリが良い。別に恋愛話とかじゃあないから、明日も良ければ読みに来てほしい。何時になるかは分からないけども。

以上。2020年5月30日、26時21分。

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