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2020/05/31

やぁnote。今日は「読んだ本の感想を書きませんか?」とな。面白いから明後日あたりはそれを書くことにしようかな。

明日は登校日なのでさっさと書き上げて寝たいが、まぁこれも書くのに30分以上は掛かるだろうな。書き終わったら、もう秒で寝る。

昨日の話の続きをしよう。

僕の、忘れられない転校生「サトミ」の話だ。サトミはある3月の始め、校庭の桜が少しずつ花開く支度をする朝に、僕の前に舞い降りた天使である。そしてその日、僕のクラスには生徒が半分も居なかった。これが前回のあらすじ。

インフルエンザが猛威を振るったあの年、うちの学校で真っ先に狙われたのはまさに僕のクラスだった。全校で最も早かった感染者はうちのクラスの所謂「陽キャ」。休み始める前日には友達とワイワイ部活をして、放課後にはカラオケに行っていたらしい。これがまずかった。同行した友達らも次から次へと感染していき、クラスはドンドン閑散としていった。あの日、僕の席からの斜めの筋には誰も居なかったのを覚えている。

サトミは転校してきたばかりで、友達はまだこのクラスには居なかった(他のクラスには旧友が居たらしい)。ましてガラガラな教室で、新しく設置された最後尾の机を与えられたサトミの回りにはほぼ生徒は居なかった。僕を除けば。

そう、僕は本当に幸運だった。インフルエンザをうつされなかったし、たまたまサトミの隣の席だったし、回りにはほぼ誰も居なかった。いや、クラスメイトがひどい発熱に悩まされているのは勿論心が痛む。だがそれ以上に、僕の中ではサトミに対する好奇心があった。そんな状況で、偶然にも得た隣の席という大義名分でサトミと話せるのは、幸運以外の何物でもあるまい。

ただ僕も転校生の扱い方というのにはある程度慣れている。人というのは大体何らかの事情があってやむを得ず転校をしている。その事情が例えば「夢のマイホーム」みたいな幸せな話ならともかくとして、実際には中学生にもなって引っ越してくるのはネガティブなケースが多いと、僕は経験則として知っている。つまり、詮索はするべきでない。

それよりかはもっと軽めのフレンドリーなネタを振るべきである。流石に好きな食べ物とかはベタすぎるが、それはそれで悪くない選択肢だと思う。ちなみに僕はこういう時だいたい趣味を訊く癖がある。部活の話にも繋げられるし、共通点も見出だせるかもしれないからだ。

しかしそんな浮わついた思考をしていたのはほんの一瞬で、サトミが席に座る前に僕に放った衝撃的すぎる一言によって、僕の思考は完全に乱された。

曰く、「顔がドMっぽい」と。

平均的な感性を持った人間はここで「なんだこの失礼な奴!?」となるのだろう。残念ながら感性のハズレ値である僕はここで「面白い」と感じてしまった。初対面で顔ディスられて面白いも何もなさそうなものだが、とにもかくにも僕はそこで完全にサトミに惹かれた。ただ当時は意中の異性が居て、この惹かれたというのはあくまで友達としてだという事を名誉の為に書き記しておく。

この経験は以降の僕を完全に変えてしまった。それからというもの、初対面からブッ飛んでる人や、語彙が特殊な人を好きになるようになってしまった。これに関しては友達に限らず、恋愛対象でもそうである。以後、僕の人生ではこういう変わった人間が大きな役割を果たす。今なおそうだ。

もし今身の回りに「ブッ飛んでる人」が居て、その対処というか応対に困っているという人は少なくないのではなかろうか。そういう人に一つ言いたいのは、そんなに気にしなくても良いという事である。ブッ飛んでる相手も似たようなブッ飛び同志とばかり生活してきた訳ではない。勿論例外はあるだろうが、大抵の場合は向こうも慣れているから「ブッ飛んだ発言を普通に返される」事に関してそこまで違和感を持たない。ブッ飛び度合いを合わせるのは、相手のトリッキーさが分かってきてからで大丈夫。少なくとも僕はサトミからそういう事を知った。

以後、クラス替えされるまでの本当に短い間ではあったが、サトミと僕は毎日話すような良い友達として親交を深めていったのである。サトミは僕の思った通り、本当に面白い不思議なセンスを持った女の子だった。サトミと出会った事は、僕にとって本当に様々な発見がある素晴らしい体験だったのだ。

ちなみに、サトミが転校してきたその日。我らがクラスは、同日午後から1週間の学級閉鎖が決まった。更にはそれが明ける頃に追加で1週間の学年閉鎖が決定し、僕も転校早々のサトミも計2週間の自宅待機となってしまった。こんな事ある?

以上。2020年5月31日、24時41分。

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