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2020/06/06

明日は中学を卒業して以来会ってなかった友達とランチしに行くので今からバチクソ楽しみなんだが、じゃあなんでこんな時間(現在25時15分)まで起きてるんだって話。計画性の無さもここまで来ると才能だね。我ながら情けない。

一昨日、記事にも書いたようにコンビニに行った。で14時だかそのくらいに家に帰ってきて、疲れてたもんでそのまま6限を受けないまま爆睡しちまった。起きたら6限が終わる10分前で、慌てて課題を終わらせたら一休みしたくなった。という訳でケトルをセットして、ティータイムにするべく僕はまたコンビニへと向かった。

家を出て15秒、珍しく若者の声がした。ここら辺は小学校低学年以下とその親、さらにその親世代が多く住んでいるエリア。中高生は本当に少ないのだが、聴こえてくる声は紛れもなくJKであった。

隣の家の後輩が、家の前で制服姿で友達と語らっていた。お互いに軽く会釈──とここで普段なら終わりなのだが、その日は何故か話し掛けようと思った。「高校始まったん?」

彼女とちゃんと話すのは実に3年振りだった。しかも中学の頃も家が隣という他に接点が無く、感覚的には小学生以来という感じだった。彼女が僕に使ってくる敬語が本当に新鮮で、ちょっとこそばゆかった。

彼女の友達の方も小中と僕と同じだったから、顔は知っている。向こうも友達の隣の家の先輩、みたいな感じで認識はしていたらしく、割とすんなりと打ち解ける事が出来た。まぁ、この記事を書いてる今でも名前を思い出せないままなんだけど(そもそも知らないという可能性もある)。

色んな話をした。小学校低学年の時に一緒に遊んだ事、お互いの高校受験話、そして将来の進路。僕の脳内での彼女はちょっぴり人見知りな小5だったけど、今はすっかり明るいJK2だった。その乖離もまた面白かった。

お友達さんの方とは本屋の話で盛り上がった。近所の本屋が更地になっただとか、昔はあそこも本屋だったとか、あの本屋は人が少ないけど穴場だとか。というより同じ小中に通ってた訳だから何回も図書室で見てはいたんだけど、思ってたよりガチな読書家でかなり嬉しかった。

「先輩って、他の先輩ともまたちょっと違うなって思うんですよね。部活とかの先輩のイメージほど、上下みたいな感じじゃないっていうか」彼女はそんな事を言った。

思えば、僕たちは2人ともほぼ同じ時期に引っ越してきたばかりだった。そう遠くからではなかったが、それでもある程度友達の縁は切れる程度の距離だった僕の、新居で初めて出来た友達が彼女だった。だから、その話の流れで「なんか、先輩ってより…家が隣って特別感が強くて」と言われた時、僕は素直に喜んでしまった。僕も同じ事を考えていた。

近い内に引っ越すとも伝えた。年内には新居を探して、今年度中には一人暮らしを始める。そう言ったら彼女は、「引っ越す前はちゃんと挨拶しに来てくださいよ」、お友達さんの方は「引っ越す時は私もお見送りしたいから呼んでください」と言ってくれた。お友達さんの家もすぐそこだから、これは守れる約束だろう。

この後輩2人が、僕がこの家で「最初にできた友達」と「最後にできた友達」になるんだろう。長らく忘れていたが、ご近所付き合いも悪くないものだ。彼女の言っていた特別感という表現がすとんと心にハマった。言葉では言い表せない感動を孕む、そんな濃密な“立ち話”だった。

そうこうしているうちに日が落ち、僕はコンビニに行かずにそのまま家へと戻った。冷めきったお湯が、ケトルの中で僕の帰宅を待っていた。

以上。2020年6月6日、25時45分。

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