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Pay money To my Painはそこにいた

詳細はできるだけ避けますが、想いが止まらないため僕が感じた全てを記します。

またあえてPTPというバンドを1から語ることはしません。
ここまで辿り着いた方は殆どがどういったバンドかは把握されているかと思います。

もし仮に知らない、そんなに知らないという方も問題ありません。
この映画はPTPを知らなくても誰でも全容を理解できる内容となっています。

もしまだお近くで上映されている方はどれくらいPTPを知っているかどうかは関係なく全員観に行って下さい。

多少無理してでも行ってください。

今この時、映画館で観ることに価値があります。

断言します。
今映画館で観ないと必ず後悔します。
それだけ素晴らしい内容でした。

もう一度言います。

今!
この時に!
無理してでも!
映画館で観ましょう!


SUNRISE TO SUNSETとは


PTPというバンドの誕生からボーカルKの死、そして伝説となったcoldrain主催BLARE FEST2020でのライブまでを収めたPTPの歴史とその裏側を完全公開した映像作品。

PTPというバンドの物語をメンバー、そしてプロダクションのタナケンさん、かつての盟友達が語りながら当時の映像や作品を振り返り、少しずつ今へと話が進んでいく内容であった。

美しいクリーン、感情的なスクリームの両方を持ち合わせ、周りが嫉妬するほどのカリスマ性とどこか脆く危ない雰囲気で、見れば見るほど魅了されるボーカリストを失い、バンドは活動停止。

残された側は何を思うのか、どう進むのか

そんな事を我々にも問われている気がした。


Vocal K

PTPというバンドを語る上では絶対に外すことのできない存在。
2012年12月30日に急性心不全によりこの世を去った人物。

映画の中でも彼を中心に語りながら、当時のメンバーとの関係性、繋がりが描かれる。

一貫していたのは
Kとメンバーはバンドメンバーではなかった
ということ。

正確に言えば、そんな事よりもまずは親友であり家族同然の存在であったという事。

そしてこれは映画用やブランディングなどでもなく、ごく自然に真っさらで純粋な想いであることが感じ取れた。

これは言葉では言い表す事ができない。
どれほど周りが言おうが、感じ取るのはあなた次第。だからこそ観に行って欲しい。
そして絶対にこの事を理解するはずだ。

いかに愛されていたか
いかに仲間であったか
そしてそれ以上の存在であったか
時にぶつかる事のできる存在であったか

まるで漫画のような、想いに溢れた関係性に感情的にならざるを得なかった。


バンド結成からKの死まで

Pay money To My Pain


どういった経緯でメンバーは集まることになったのか
どのようにライブ、音源制作活動を行っていたのか
その間に起こった様々な障壁、出来事が赤裸々に語られる。

印象的だったのは、このPTPというバンドのジャンルについて。

今でこそ日本では"ラウドロック"と呼ばれるバンドは多いが、当時はメタルなのかニューメタルなのか00年代にそこから派生してきた音楽性を持つPTPに対してのジャンルの括り方は曖昧であった。

そしてその先駆けとなったのがこのPTPであることが語られる。
まさに今の日本の所謂激しい音楽シーンの礎を築き、"ラウドロックの象徴"といえる存在の1つであったと言える。

PTPがいなければ現在のロックシーンは何年か遅れていたはず。
それほど他のバンドに対する影響力もあった。

だからこそ、Kの死に沢山の人が悲しんだ。
それはファンだけではなく、最も身近なメンバーも消える事のない傷を負った。

圧倒的なボーカルであったKを亡くして、活動することは不可能。
新しいボーカルという考え方もなく、KがいなければPTPではない。


バンドは翌年に残されたメンバーのみのライブを行い、PTPは活動を停止した。



Kの死後、そして2020年へ


Kがいなくなり、残されたメンバーは各々活動していく。
残された側として、伝えられる事、やらなければならない事をそれぞれが考え、PTPではなく他のバンドで音を鳴らすことを決意する。

そして数年が経ち、とあるオファーがやってくる。

後輩であるcoldrain主催の初開催フェスにPTPとして出演して欲しいといったものだ。
もちろんPTPは活動停止をしている。

何かをやろうとしていた訳でもない。
もしやるなら主催だったはず。

そこへこのオファーが舞い込んできた。
やるべきなのか、そうではないのか
メンバーの中でも意見のすれ違いが起きていた。

本番まで残りわずか
1ヶ月もきっていた中で彼らは出演を決意した。

そしてあの日を迎える

あまり語られてこなかった活動停止後のそれぞれの想いにこっちまで胸が締め付けられた。


伝説のBLARE FEST2020

完全ノーカット
MCや曲間の休憩までノーカット
まるで当日そこにいたかのような雰囲気と音響

フルセットの内容が完全公開された

最後のアルバム「gene」の再現
沢山の仲間達が次々とボーカルを担当する一夜限りのスペシャルライブ。

凄まじいのは映像だけでなく、映画館で観るこその音響。

これを体感して欲しい。。!

仲間のボーカルを迎えた後、残り2曲
この2曲はKの声に合わせて楽器隊が音を鳴らした。

さすがに耐えられなかった。
現行でPTPを感じる事のできなかった僕からすれば、いまPTPはそこにいた。

間違いなくそこにいた。
Kさんが歌い、楽器隊が演奏している。

もはや映画ではなかった、完全にライブだった。
あまりに引き込まれて、終わった後の観客の拍手につられてしまうところだった。

ライブ映像が終わり、出演メンバーがそれぞれ今感じる事を1人ずつ最後に語っていく。

その中でも印象的だったのは最後に語ったcoldrainのmasato

彼の言葉が全てだった。
残された想いといつまでもKとPTPを追い続ける言葉にはくるものがあった。

そしてラストはKのとあるライブでのMCで締めくくられる。

孤独や痛み、悲しみ
PTPの歌詞からも感じ取れる彼の伝えたいこと

等身大で愛に溢れ、弱さと向き合うその言葉はまるで自分に言われているようだった。

彼と同じく精神的な病を患ってしまった僕にとってPTPという存在とKの歌詞や言葉は何よりもの特効薬で、いかにPTPが特別なものであるか改めて気づくことができた。

普段生きていれば皆んな辛い事の方が多いと思うが、全員に聞いてほしい。
観て欲しい。

実際に足を運んで体感してほしい。
PTPという存在を。


Pay money To my Pain forever.

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