今週のフラクタル20 ((-c^4+c^3+c-1)/(z^3-1)+c)
どうも、108Hassiumです。
今週は$${\frac{-c^4+c^3+c-1}{z^3-1}+c}$$に関するフラクタル図形をお届けします。
(-c^4+c^3+c-1)/(z^3-1)+c
$${\frac{-c^4+c^3+c-1}{z^3-1}+c}$$という関数は、1→∞→c→1というサイクルを持つ3周期発散関数です。
$${\frac{-c^{n+1}+c^n+c-1}{z^n-1}+c}$$は「臨界点は$${z=0}$$のみで、多重度は$${n-1}$$」「ジュリア集合は$${n}$$回回転対称」という性質を持ち、3周期発散関数におけるマルチブロのような存在です。
三つ葉型の穴があるジュリア集合です。
三つ葉穴がないジュリア集合です。
$${c}$$の値が$${\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}}$$(≒-0.5±0.87i)に近ければ近いほど、$${\frac{-c^4+c^3+c-1}{z^3-1}+c}$$のジュリア集合はサイズがデカくなっていくようです。
多分$${c=\frac{-1\pm\sqrt{3}i}{2}}$$のとき$${-c^4+c^3+c-1=0}$$になるのと関係があって、理屈としては$${c(\frac{z^2}{2}+\frac{1}{z})}$$のジュリア集合で起きる現象と同じだと思うのですが、同じく$${-c^4+c^3+c-1=0}$$の解である$${c=1}$$の場合は何故か同じ現象は起きません。
※☟$${c(\frac{z^2}{2}+\frac{1}{z})}$$のジュリア集合の大きさについて言及している記事
いつものやつです。
(-c^4+c^3+c-1)/(con(z)^3-1)+c
$${\text{con}(x+iy)=x-iy}$$
複素共役を混ぜると三つ葉穴どころか発散領域自体が消え(中央の穴とそこから6方向にのびる領域は誤判定によるものです)、全く違う見た目になりました。
ジュリア集合にも、やはり3周期発散の特徴は現れません。
例外として、$${c}$$が実数のとき($${c^6}$$が実数のとき?)は3周期発散になるようです。
3周期発散にならない場合、2種類の吸引的サイクルが存在する場合があるようです。
不安定領域と安定領域が混在することもあるようです。
(-c^4+c^3+c-1)/(B(z)^3-1)+c
※$${B(x+iy)=|x|+i|y|}$$
右下の領域($${c}$$の実部も虚部も正)にだけ発散領域が現れました。
$${c}$$が右下にある場合でも、3周期発散っぽい見た目になるときとならないときがあるようです。
$${c}$$が左下にない場合はやはり収束領域自体が現れず、また$${\frac{-c^4+c^3+c-1}{\text{con}(z)^3-1}+c}$$と同様に2種類の安定領域が混在することもあるようです。
安定領域と不安定領域と発散領域が混在するジュリア集合です。