自家現像カラーネガ(基礎知識編)
モノクロフィルムの次はカラーネガフィルムになります。ポジの自家現像をお待ちの皆様もう少しお待ちください。初めにお伝えしておきます。カラー現像キット(ナニワカラーキットN)などの2浴完了タイプの簡略現像ではなく、プロラボやメーカー推奨の本来の工程での現像でのご紹介になります。ただ、薬剤の販売単位が大きいので、個人でちょっと試すには、リッチな方以外、コストが合わないと思いますので友達や倶楽部サークルの方数人と、共同購入が良いかと思います。(知り合いにミニラボやプロラボの方がいましたら少量分けてもらった方が良いかと・・・)
前回のモノクロ現像の工程は、現像-停止-水洗-定着-水洗でした。カラーネガの場合は、発色現像-水洗-漂白-水洗-定着-水洗-安定剤になります。ナニワカラーキットNの場合、発色現像の後に水洗を挟まずに漂白定着をを行いますので、現像液が持ち込まれて、効率の悪い漂白定着液の処理能力が落ちてしまいますので、個人的にはおすすめ出来ません。カラーネガ現像はモノクロネガ現像より工程が多くなるだけで、各工程で行う事は同じなので、特に難しいとゆうことはありません。難しいと思われている原因は、C-41処理とゆうのが温度や時間の管理が厳格であると思われがちなのが要因かと思います。これはC-41現像の処理マニュアルは、あくまでも自動現像機による処理を前提にして書かれているので、お店によって色バランスがマチマチでしたら、たまったものでは無いですよね(笑)厳密にはもうちょっと複雑ですが、指定処理温度38℃と30℃の2種類ですが、個人的に25℃で試しましたが同じ現像時間で、肉眼で判断は出来ない程度でしたので。では、プロラボは別として、街のミニラボに出したら精度を上げられるかといいましたら、少々疑問だと考えていいでしょう。C-41処理の規定を可能な現像機械の設定の事を言っているので、マニュアル設定で、バイトさん達が、必ずそれをやっているとは思えない。
カラーフィルムとモノクロフィルムの違いは、モノクロネガは銀で像を形成しているのに対してカラーネガは色素で像を形成しています。出来上がったネガには銀は皆無です。ただ、色素を形成する段階でモノクロ同様、銀で像を作っていきますので、現像処理の最初の部分はモノクロと同じようなプロセスになります。カラーネガは感色層ごと色素の元(発色カプラー)が埋め込まれ現像段階でそれらと反応する発色現像液を使い、漂白工程ですべての銀を定着で落とせる状態に整えるところがモノクロとの違いになります。銀自体の濃淡で像を形成しているわけではないので、カラーネガならISO100も1600のフィルムも同じタンクで一緒に現出来ちゃうわけです。自分で現像すればお店に持っていく手間もなく、出来上がりを待って取りに行く必要もない、という考え方もあります。 撮影して家に帰って好きなときに現像して即出来上がりというのも自家現像のメリットです。ただ、薬品の最低購入の単位が大きいので、個人で購入する薬剤の量なども含めて、ある程度考えておかないと、無駄な買い物をしたり無駄な手間を掛けてしまったりすると思います。
そしてもちろん、自家現像だ、という楽しみも大きいでしょう。 ただし、「カラーは科学、モノクロは錬金術」なんて言葉があるように、カラーネガ現像は処理が基本的に統一されているので面白さではモノクロに劣るように思います。あと自家現像だと同時プリントとかインデックスプリントというのはありませんし、自分で作ろうと思ったら大変な手間暇ですから、その辺も考えた方がいいと思います。
余談ですが、カラーネガを、モノクロネガと同じ現像処理すると、現像段階で銀の像が出来、モノクロ現像では漂白はしませんからちゃんと残ります。 ただし発色現像はしていないので色素は生成されず、普通にモノクロ現像ができます。ただフィルムベースがオレンジなので、印画紙に焼き付けしますと、オレンジのフィルムベースの濃度分露光時間を延ばさなくてはなりませんし、多諧調の印画紙ではオレンジのフィルターを掛けた状態と同じなのでコントラストに影響が出てきますのでかなり厄介です。
では、素敵な銀塩ライフを
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