売れるフォトストック
フォトストックについてのアドバイスをしてほしいとのDMを頂きましたので少し解説をさせて頂きます。正直、職業写真家の我々からすると、価格破壊、クライアントの減少の根源なので、邪魔な存在であるのですが、クライアント側からすれば少しでも経費を抑えたいと思うのは当然の原理なのでしかたありませんね。
夢を壊して申し訳ありませんが、初めに言っておきます。フォトストックだけでは食べていけません、小遣い程度にはなりますが、撮影の経費、機材の償却等を考えたら割が合わないといって置きます。又、作品作りをしたい、アートな写真を目指している方、やめておいた方がいいかと思います。いい作品と売れる作品はまったく別物です。悪い事ばかりではありません、少しでも写真でお金を稼ぐことが出来れば、各カメラメーカーのプロサービスに登録が出来るからです。(一部、登録会員の紹介者が必要なメーカーも有ります)プロサービスに登録すると、登録機材の優先修理やメンテナンスが格安で受けられます。しかも、即日対応(対応できない場合機材貸出しをしてもらえます)。但し登録料と年会費はふんだくられます。以上をふまえフォトストックでお金を稼ぎたいかたは参考にしてください。
では、まづ注意しなくてはならない点から、一つ目は撮影地です。例えばディズニーランド等の遊園地や、博物館などです。それははすべて肖像権があるからです。特にディズニーは注意してください。キャラクターの肖像権や著作権が絡んできますので莫大な請求書が届きますよ(笑)著作権等で見落としなのが、デパートや商店のショーウインドーです。商品もですがディスプレーなどや、ロゴマークなどはすべて著作権がありますので注意してください。もっともフォトストック側の審査ではねられますが・・・。後、俗にいう肖像権、個人を特定出来る人物は個人情報の観点からも避けなくてはなりません。モデルさんを使う場合には、モデルリリースなる承諾書を取らなくてはなりません。写真に写り込んでいるすべての人物からです。顔が解らず個人を特定できない(後ろ姿や、ボケで解らない場合)ものは除きます。こちらで見落としがちなものでは、固有の建物や看板なども含まれます。但し、町全体の景観を写せば、固有の建物が街の景観の一部になればOKですが看板等の文字やロゴは修正レタッチしないと、審査ではねられやすいので注意してください。
さて、本題に入ります。どんな写真が売れるのか?皆さんが、一番知りたい所ではないでしょうか? ずばり、私達の様な職業カメラマン(写真事務所など)に依頼してくる写真です。フォトストックより、各段に高いお金を払ってまで依頼するのですから、すべてでは無いですが、フォトストックに使える写真が無いということです。いい写真は沢山あるのになぜ高いお金を払ってまで我々のような事務所に依頼するのでしょうか?それは、大まかに分けて、二通り理由があります。一つは、商品カタログや、クライアントのオリジナルな商品や人物です。もう一つは写真にテキストが入るスペースが無いものや、スペース位置がイメージに合わない写真が殆どだからです。感の良い方は、もう大体納得されたかと思いますが、一つ目の理由は解決方法は有りませんが二つ目はどうでしょうか?なぜ、お金を出してクライアントは写真を買うのでしょうか?印刷物やウェブに使う為ですよね!写真には十中八九テキストを入れたいとクライアントは考えています。そのテキスト位置は右に入れたいのか、左に入れたいのか、はたまた上、下?さらには、縦位置写真?横位置写真?スクエア?その時々、それぞれ違います。貴方がこの写真は縦が良いのにとか、余白は上が写真映えしていいアングルなのにと思っていても、クライアントのイメージと違っていれば購入はしないでしょう。アート写真を求めているわけでは無いので、撮影者の意図は関係ありません。
写真を売りたいなら、①テキストスペースを作れ ②スペースは上下左右を用意しろ ③せめて縦アングル横アングル2種類は用意しろ ④出来る事ならハイキー調ローキー調2種類あれば直よし(テキストが白基調色・黒基調色を求めているか人それぞれで有るため) そうなんです、一つの写真でテキストスペースの違う4カット×縦横の2カットの計最低8カットは用意しましょう。できたら×ハイキー・ローキーの2カットの計16カットが理想。これを色々なシチュエーションや背景などを数多く掲載していけば、目についたクライアントは購入する可能性が高くなります。さらに、一度購入したクライアントは、次に購入するときは、選びやすい貴方の写真の中から初めに探し始めるはずです。
次に、何の被写体が良く売れるのでしょうか? 花?猫?風景?これらは、沢山のカメラマンが掲載しています。すばり、人物です。それも、飛び切りの美人のモデルさんではありません。ごく普通のどこにでもいそうなモデルさんで尚且つ清潔感があり目立たないけど綺麗なモデルさん。衣装も凝ったものやお洒落な衣装より、ビジネススーツや清潔そうな普段着が良いでしょう。
最初の理由の依頼を除けば、写真事務所への、これらの条件や、シチュエーションのイメージの撮影依頼が一番多いのです。ストックフォトで中々条件にあう写真が見つからないからです。ストックフォトにクライアントのイメージや条件にあった写真があれば、わざわざ高いお金を払いたくは無いはずです。経費は安いほど費用対効果を生みます。クライアントは利益を求め良い企業イメージを求めています。撮影者も購入するクライアントの気持ちになれば、きっと写真は売れるはずです。
最後に、売れる写真=良い写真では有りません。(被写体のピンを外したり、ブレや画質が悪い写真は論外です)クオリティーは一定以上を保ちましょう。アートな作品や傑作を撮り続けたいのなら、割り切って下さい。売れる写真とは相反していますので・・・。夢を壊してごめんなさい。
それでは、良い写真ライフを!!
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