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なんちゃってリバーサル自家現像(現像編)

いきなり初めての自家現像でリバーサル現像を試みる方はいないとおもいますので、モノクロネガやカラーネガで基本的な作業が出来る事を前提で書かせて頂きます。

タンクにフィルムをセットしたら、第一現像に入る前に前浴をお勧め致します。前浴は、38℃~40℃位で2分程度、前浴はリバーサルの場合、むらなく現像をするためにフィルムを温めておく方が安定しやいと思います。

第一現像 

PROVIA100  Papitol  1+1.5 + ロダンカリ 0.5g  38℃~40℃  6分30秒 (Papitolだけではいくら現像を押してもハイライトの抜けが悪くなるので、ロダンカリ(チオシアン酸カリウム, KSCN)を添加します。ロダンカリは像全体の銀塩を溶かすため、露出が上がります。入れすぎると明部が飛び、暗部は持ち上がるもののディテールの描写が滲みコントラストが低い薄い画像になります。ロダンカリを増やすと青が強まる印象(今は無きタングステンフィルムの様な青かぶり)があります。(これはこれで、室内でタングステンライトの撮影時雰囲気はよい)ですが、濃度が高すぎると乳剤を痛めるらしいです。液投入後に30秒連続撹拌、それ以降は30秒ごとに3回撹拌。

Velvia100  Papitol  1+1+ ロダンカリ 0.2g  38℃~40℃  6分 液投入後に30秒連続撹拌、それ以降は30秒ごとに3回撹拌。(Velvia 独特の赤の発色が強すぎる場合、クエン酸又はフジ酢酸を少しづつ投入してpHを下げてください。

現像液を空けたら(うなたれで使いまわし出来るとのことでしたが、3日以上たつと一気にPhが下がるので私はショットで使い捨てしています)次に水洗いせずに停止液を投入します。停止液を投入し3分ほど撹拌しますが、停止というより第一現像液の中和が目的です。停止液を捨てる際は使い終わった第一現像液と混ぜて中和して捨ててください。(モノクロ現像でもそうですが酸が強くキッチンの排水パイプが錆びるのを防げます)停止液が終わったら38℃~40℃位の温水で洗い流します。タンクにお湯を注ぎ1分程度振り捨てるを5~6回繰り返し、タンクの蓋を開け、フィルムをリールから外しバット(大きいバットが無ければ洗面器でもOK)でフィルムのヌルヌルが無くなるまで、フィルムスポンジや海綿などで優しくヌルヌルを拭き取るように38℃~40℃位の温水で洗い流します。洗浄後5500kで露光をかけるのが基本ですが、ライトボックスの明かりで洗い流しているだけで、反転露光ができてしまいました。普通の蛍光灯(キッチンの明かり)だけでも、タンクから出して洗っているだけで、特段問題なく露光がかかり反転します。(この辺りが、なんちゃって感まんさいでしょ笑)まり強い露光にするとソラリゼーションのような現象を起こす可能性があります。時間が長くなっても出来上がりは大差ありません。
※この時点でめちゃ真っ黒なモノクロネガ状態が出来上がっています。現像液が残っていると、発色現像や漂白でムラがでるので、よく洗い流しましょう。

第二現像(発色現像)

リールにフィルムを巻き直します。パターソンリールでは、フィルムが濡れていると滑ってしまって巻きにくいので、洗面器などに温水をはって水中で巻くとやりやすくなります。発色現像液はORIENTAL CNL-N1RN(カラーネガで使用したものと同じ)を使用します。各液1袋の内容量は、A=500ml, B=250ml, C=250mlです。A:B:C=2:1:1を3倍(1+2)に希釈して使います。タンクの容量に合わせて作って下さい。発色現像はpHによってカラーバランスが変わります。苛性ソーダ(水酸化ナトリウム, NaOH)を添加してpHを上げます。 CNL-N1RN 1+2  + 苛性ソーダ 0.5~0.6g (ph12~14を目安に)38℃ 6分(発色現像は、現像時間は意外とアバウトでもOKです) ※RDP III-090以降で第一現像がPapitolの場合は苛性ソーダ不要だそうですが、私個人ではPROVIA100の090番以降は試した事がありません。※苛性ソーダは強い薬品なので、手術用手袋などをして十分に注意してお使い下さい。発色現像後、水洗いせずに停止液を投入します。水洗もよく行って下さい。第一現像と同じです。発色現像が終わると、フィルムは真っ黒で像が見えなくなります。

漂白・定着

次はカラーネガと同じく漂白、定着です。ここでの時間と温度は更にアバウトよくなります。私は、35℃ 漂白5分+定着5分位を目安にしています。定着が終わると、青被りしたポジフィルムになります。定着後のフィルムを35℃位の温水に5分ほど浸けて静止させて下さ。薄い紫色の廃液が出ます。撹拌するとこの廃液は出ないので温水漬け込んでそっと10分ほどおいておいてください。

後は、乾燥させて出来上がりです。興味がある方は試してみてください。

では、素敵な銀塩ライフを

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