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メディアが考えるWebライターの理想像。編集者が解説!

「ライターの社会的地位向上を目指すコミュニティー」として、2021年4月に発足した#106members

第1回目の#106ライター勉強会にて、コース製作者の後藤が寄せられた質問にお答えしました。

ライター初心者からレベルアップを目指したい方まで要チェックです!

■スピーカープロフィール

後藤拓
『ONEWORD株式会社』共同創業者・取締役|開成→慶應SFC→個人事業主→ONEWORD創業|企業のメディア運営支援| #106コミュ二ティ主催者

【このページで分かること】

・ライターとして日常から意識したいこと
・メディアが考える理想のライター像
・ライターとして次のステップを踏み出す考え方


それでは、早速Q&Aにすすみましょう。


Q1 仕事のタスク管理方法は?

納品方法や提出方法がクライアントによって、異なることが多くあります。そうしたタスクの管理などは、どのようにおこなっていますでしょうか。

・『ライター専用タスクシート』
もさこさんが作られた『ライター専用タスクシート』は、スケジュール管理・分析機能がついています。

クライアントや案件ごとに詳細な進捗管理をできるほか、1ヶ月ごとの総収入や時給換算、案件数などの情報を自動で計算可能。

それだけではなく、2022年版からは稼働日を記録して、働きすぎないように警告してくれます。

複数の案件をスマートに管理できるのがおすすめポイントです。


・後藤が考えるタスク管理
タスク管理の方法は、人によってさまざまです。たとえば、クライアントの数が複数になるだけでも、チェックする項目が変わることは明白でしょう。

私がライターをしていたころは、単価・納期・完了日・マニュアルリンク・備考をまとめて、スプレッドシートで管理していました。

現在は「公開後の記事URLから提案文までまとめて管理できればおもしろいのでは」と構想中です。


Q2 執筆スピードを上げる方法は?

タイピング速度は早いほうだと思うのですが、構成まである程度できていても、そのあとの文章が思い浮かばず、執筆スピードが上がらなくて困っています。いい方法はありませんか?

・まずは箇条書き→肉付け
リサーチしながらライティングをやっていて、タイピングが止まるのは「構成時点のリサーチ不足」「考えが整理できていないこと」が原因です。
私の場合、一回で構成が決まることはほとんどありませんでした。リサーチをして、仮構成を作ったら主張したいことを箇条書き・肉付けしていきます。このリサーチをしっかりすることで、書くことが足りないという要因は解決できると思います。

また、一回で完璧な文章を書こうとしてしまうのも要因かもしれません。一回で決めようとするのではなく、思いつくことをまずは書いてみてください。音声入力なども使って話し言葉でもなんでもいいから全て書き出して、最後に考えを整理していくと良いでしょう。

ほかにも、クライアントの構成をもらって執筆する場合に、自分の考えとのギャップが生まれることで執筆が滞ってしまうこともあります。そのときは、変更していいのかを相談する、意図を共有してもらうなど、クライアントに相談してみると良いかもしれませんね。

・タイピング速度を活かす場面
私の場合、テキストを打つだけなら30分で1500文字程度です。タイピング速度は速いに越したことはありません。しかし、実際に清書するシーンで活用するよりも、リサーチや執筆メモを作成するときに重要です。

タイピング速度が速ければ、頭に思い浮かんだことをすぐにテキスト化し、考える過程を目で追えるようになります。そうすることで思考が整理され、ひらめいたことをテキストに盛り込みやすくなるでしょう。

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・得意分野を作る
私が、クレジットカードのサイトで執筆していたころの話ですが、1日に1記事のペースで書いていました。そんなときにまったく知らないジャンル「財布のおすすめ記事」を執筆したのですが、おすすめ系記事のため、リサーチに時間をかけて品質を担保できるように努めました。

そのため、リサーチを含めた執筆期間は1週間。得意分野の7倍も時間がかかった計算になります。

はじめて書くジャンルは、どうしても時間がかかります。平均的な執筆速度を上げるためには、得意な分野を作ることが重要ですね。

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Q3 オリジナリティーを出せる案件の獲得方法は?

作業案件が多く、オリジナリティーのある仕事をできるようになりたいと考えるようになりました。どのような勉強方法や工夫をすることが推奨されるでしょうか?

・自分が表現したいことを仕事にするには
おそらく質問者さんは、レギュレーションが厳しく、作業感が強い仕事が多いため、こちらの悩みを抱えていると思います。まずは記事の案件を受注するのが良いでしょう。

クライアントのレギュレーションは「最低限」の基準です。それを満たした上で、濃い内容を出すマインドが大切といえます。

私がおすすめしたいのは「一度クライアントワークを前のめりになって全力で取り組んでみる」ことです。自分の取り組み方次第で、オリジナリティーが出ることにつながるでしょう。

・守・破・離(しゅはり)

剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。

我々、ライターに当てはめてみると、まず「守」はクライアントのレギュレーションをしっかりと守ります。

その次に「破」は、いろいろなクライアントと仕事をしたり、違うライターさんの考え方を参考にしたりするタイミングです。

「離」の段階になるとオリジナリティーを出せるようになり、はじめて自分を出せるといえるでしょう。

そこまで到達すると、ただのライターではなく1人のアーティストだと私は考えます。

質問者さんは「守」の段階なので、次は「破」ができるようになるのを目指すことになると思います。受注範囲を広げて、自分の体験を書けるコラムのような案件を受注するのも良いでしょう。

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・時給換算をしないほうがいい
Twitterでもたまに賑わう話題ですが、「ライターは時給換算をしないほうがいいのでは?」と考えます。

ライターは個人事業主である場合がほとんどです。一般的なビジネスオーナーが時給を考えることはあまりないでしょう。

能力を身に付けるためには、ライティング・ビジネススキルを磨かなければなりません。

過去、私自身が言われたことですが「まねたい=マネタイズ」。成功しているものを徹底的に盗むのが、最速でオリジナリティーを出せる案件獲得につながると考えています。

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Q4 ポートフォリオで公開許可の降りる案件の獲得方法は?

ポートフォリオで執筆記事を公開できるような案件はどのように獲得するのでしょうか。現在は過去に受注した案件で記事をそのまま公開できるものがありません。今後、執筆した記事を公開できる案件を獲得するにはどうしたら良いでしょうか。

・ポートフォリオ案件の傾向
ポートフォリオ案件を獲得するには、メディアごとの傾向を知るのが大切です。

一般的に、大手メディアは監修を入れることで、権威性を担保しています。そのため、ライターの記名記事とするメリットが少なく、ポートフォリオ案件を獲得しにくいといえるでしょう。

個人や小さなメディアは、記名記事にするデメリットが少なく、ポートフォリオ案件につながる可能性が大手メディアと比べて高まります。

・クライアントの考え
「ポートフォリオの許可が下りない=記名記事にするメリットが少ない」ことは解説したとおりです。そこでライターが考えるべきなのは、「どうやってクライアントの考えをひっくり返していくのか」という戦略を練ることでしょう。

たとえば、SEOの観点から考えても「誰が書いたか」は重要です。可能であれば、「顔出しかつ本名」が理想といえます。

ほかにも、SNSで記事拡散できることを訴求したり、記名記事にしてもらう代わりに単価を下げた提案をしたりするのもポートフォリオ案件を取得するための手段です。

・提案段階から記名記事の提案をする
ライターとクライアントの認識には、どうしてもズレがあります。

ライターが「ポートフォリオに記事を載せられること」のメリットを、企業側はまず認識していません。企業によっては「ライターが記名を嫌う」と考えているケースもあります。

そのため、提案段階から毎回「ポートフォリオに載せたい」と相談するようにしておくと良いでしょう。

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Q5 いつまでが初心者ライター?明確な分岐点はありますか?

・「覚悟」を決めたとき
Webライターは、在宅ではじめようと思えばいつでも誰でもはじめられます。その分、ハードルが低いといえるでしょう。

抽象的ですが、「覚悟」を決めたときが脱初心者のターニングポイントです。Webライターと名乗るのは「私はこれをやります!」と成果にコミットすることといえます。

ギグエコノミー(空いた時間にお手伝いでやる)の感覚でWebライティングに取り組んでいる人が多い中、「専門性を身につける、覚悟を決める、クライアント利益を目指す」。その覚悟を決めた段階で上位10%のWebライターといえるでしょう。

メディアを運営している目線でお伝えすると、初心者でも責任を負う覚悟が見える方に仕事を任せたくなります。

斜に構えているよりも「自分のできない部分は認めつつ、学ぼうとする姿勢の人」の方を採用したいと思います。

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Q6 Webライティングをしている人はなぜブログをはじめるのか?

ポートフォリオとしても、継続収入を作る意味でもブログをやったほうがいいと聞きます。以前から興味があったのでやってみたいのですが、どういうジャンルを選べばいいでしょうか?また、ライター業務との時間バランスはどのように考えるのがいいでしょうか?ブログジャンルの選び方は?

・ブログをはじめるメリット
ブログをはじめる人は、インフルエンサーを見てはじめる・ライター業からはじめるパターンの2つに分けられます。

いずれの場合も、ストック収益を確保する目的は変わりません。質問者さんはライター業からブログをはじめるパターンの人なので、ライターがブログをはじめるメリットは次の2点です。

・ポートフォリオとして使える
・SEOの感覚をつかめる

まず、ブログに書いたオリジナルの記事はポートフォリオとして使えます。そしてブログへ記事をアップした後に検索結果を確認し、上位表示を目指してリライトを繰り返すことで、肌感覚でSEOを理解できるようになります。

私が取り組んだのは書籍を読んで、フィードバックを受けながらブラッシュアップを繰り返し、感覚値をストックしていくことでした。それを言語化したものが、『106ライター講座』です。

・ジャンルの選び方
続けやすさで考えるなら、雑記ブログをはじめると良いでしょう。最初から収益化を本気で狙うのであれば、市場ニーズを探るのも1つですし、アフィリエイト報酬が高い金融などのジャンルを選ぶのがおすすめです。

ただし、何をテーマにするにしても、ある程度コンセプトを絞る必要があります。

たとえば、YouTubeは誰でも自分のテレビ番組を持てるといえますし、ブログであれば自分の雑誌を持てるのと同じ意味があるといえるでしょう。しかし、ジャンルが絞られていない雑誌は読む気になりませんよね?

ジャンルを横断して取り扱うとしても、一貫したコンセプトが必要です。たとえば、メディアの『mybest』を挙げると、家電から食べものまでなんでも扱いますが、「専門家がおすすめする商品を検証してユーザーに伝える」テーマが一貫しています。

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Q7 Twitter上で発注したくなるライターの特徴は?

Twitterからライターを探す場合どのようなところを見ていますか?また、どのようなツイートやプロフィールなら発注したいと思いますか?

・わかりやすいポートフォリオ
Twitterアカウントのプロフィールにポートフォリオを掲載するのは必須条件です。
得意分野が依頼したい案件にマッチするかわからなければ、依頼のしようがありません。ポートフォリオのわかりやすさ、アクセスのしやすさを見直してみましょう。
クライアントが採用しやすいように得意分野を記載して、他のライターと差別化ができるポイント「とがり」をアピールすることも大切です。

・発信頻度や内容
私がメディア側としてライターを探す場合、発信頻度や周囲のフォロワーとの関係性の作り方をチェックします。
たとえば、顔や名前を出していると「途中で仕事を投げ出さない安心感」がありますね。
もしも投げ出してしまうと、信頼を築いたアカウントを消さなければいけなくなります。自分自身にプレッシャーをかけているのは、「責任感がある」と判断できる材料となるでしょう。
ほかにも、マインドセットやネガティブなことを言い過ぎていないかはいつもチェックしています。普段の発言も見られているという意識をもっていた方がいいですね。
メディア側としても時間的・心理的コストは減らしたいので、「信頼できそうだな」との印象を与えることが大切です。

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■#106membersとは?

初心者から中~上級者まで。
Webライターのレベルに合わせた学びの場「オンラインスクール」と、
高め合い続ける「オンラインコミュニティ」を運営しています。

あなたもWebライティングを極められる環境を体感しませんか?

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