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薬剤師国家試験に向けて5年生でやるべきことは?

大変お待たせしてしまい、申し訳ありません。
やっとnoteをかける時間ができました(涙)

質問箱やDMでたくさんの質問をいただきましたので、今回は、「薬剤師国家試験に向けて5年生でやるべきこと」を書かせていただきたいと思います。

はじめに

この質問を下さる質問者さんは、本当に意識が高くてすばらしいと思います。私は、薬局、病院実習を乗り切って、国試の勉強は6年生になってからでいいやと、のほほんとしていました。

ただ、私の大学の先生方は、「実習で現場の薬剤師の先生から多くのことを学び、また、自分でも進んでたくさん勉強しろ」とおっしゃっていました。
正直、青本などの予備校の教材を用いて勉強するような国家試験の勉強ではなく、実践的な勉強をして欲しいというようなニュアンスだったと思います。

私が5年生の時は、大学のカリキュラムが特殊だったので、薬局は3か月間、病院は6か月間実習を行っていたので、正直国試の勉強をする時間もなかったのですが、この9か月の実習で数多くのことを学び、結果的に国試の実践実務の対策が十分にできて、実践で100点を下回ったことがないので、意味のある実習を過ごすことができたのではないかなと思います。

この経験から、国試の実践(実務)対策に結び付く実習での勉強の仕方を中心に書かせていただきたいと思います。

1. 薬理・病態を究める

5年生は、実習がメインだと思うので、実習に関連する科目を優先的に勉強することが大切だと思います。

特に薬理・病態は、薬がみえる、病気がみえる、下記でご紹介する参考書などで勉強したりさらに掘り下げるなら各疾患のガイドラインを見たりするのもおすすめです。
こういう掘り下げる勉強は6年生になると忙しすぎてなかなか出来ないので、5年生の時間がある時にしっかりやっておくといいと思います。

(1)薬理

薬理は、薬の作用機序から薬がどのように作用するのかを考えられるようになること、機序から副作用はどのようなことが起こるか考えられるようにすることが大切です。

実習中にただピッキングするのは簡単ですが、作用機序、副作用、代謝、相互作用を考えることがとても大切です。

次に、「用法用量は大丈夫か」も考える必要があります。腎機能障害などの問題で、低用量から始めなければならない薬もたくさんあるので、しっかり調べて考えてみて下さい。

服薬指導の時どう説明するか考えたり、同種同効薬の違いや副作用の発現頻度やその対処方法などについても調べてみたり、商品名の由来や開発経緯をインタビューフォームなどで調べたりするのも面白いと思います。また、薬価に注目してみるのも面白いです。

同種同効薬の違いについては、「薬の比較と使い分け100」という本がおすすめです。実習で、同じ作用機序の薬だけどどうしてこの薬が選ばれるのかなと、疑問に感じることがあると思います。
この本では、わかりやすくポイントを説明してくれているのでとてもお勧めです。また、「こぼれ話」もとても面白いので細かいところまで見てほしいなと思います。

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服薬指導におすすめなのは、以下の「薬効別 服薬指導マニュアル」です。
今、一番欲しい本なのですが、服薬指導方法を具体的に書いているので、とてもわかりやすいです。
ただ、値段が高いので5年生で買うのはためらうと思うので、大学の図書館で見れるのであれば見てほしいと思います。

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(2)病態

病態は、実際に実習で関わる症例や国試の実践問題を利用して勉強するのがいいと思います。検査値に慣れると問題が解きやすくなるので、病院実習では積極的にカルテ検査値(特に腎機能、肝機能など)を確認してください。

病院実習では、病棟で初回面談に行く時に、前もって患者さんのカルテを見て、指導薬剤師の先生にどんな患者さんなのか簡潔にプレゼンをしていたのですが、よくよく国試の実践問題を見ていたら、患者さんの必要な情報が簡潔にわかりやすくピックアップされていたことに気が付きました(笑)
ですので、どんなふうにまとめられているのかを、国試の実践問題をみてみるのもいいのかなと思います。

また、病院実習では、SOAPのPをどうすればいいのかガイドラインや薬がみえる、病気がみえるなどを参照して考えるといいと思います。相談できる先生、友達がいれば話し合ってみるのがとっても勉強になります。病院実習期間中はPだけでもA4の用紙1枚くらい使ってました笑

また、SOAPを書くのにおすすめなのは下記の「2ページで理解する 標準薬物治療ファイル」です。
こちらは、S・O・A・Pごとに簡潔にガイドラインをもとに記載されていてとてもわかりやすく、値段もお手頃なのでとてもおすすめです。一度見てほしいと思います。

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また、薬剤師目線で薬物治療について考える時に、Pubmedなどを使って論文検索をやってみると良いと思います。
その時に役に立つのが、「医学論文の活かし方」という以下の本です。この本は、論文の読み方を丁寧に教えてくれるので、初学者にはとても良い本です。
近年国試で論文の読み取りが出てくることが多いので、ここで慣れておくととてもプラスに働くと思います。初めは抵抗があるかもしれませんが、時間がある5年生の時にぜひ勉強してみてほしいと思います。

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2. 実習で感じた疑問を大切にする

物理や化学の優先順位は落としてもいいと思います。

でも、例えば、ケトプロフェンの副作用に光線過敏症があるけど、なぜ起こるのか調べてみると、化学構造にヒントが隠されています(化学)。

また、リファンピシンを服用すると尿が赤くなるけどどうして、赤くみえるのか?その理由は光の吸収が関係している(物理)。

というような感じで、なぜ?どうして?を意識して勉強してみるとその疑問が意外に国試に出てきたりするので役に立ちます。
ぜひ、そういった疑問を大切にして実習に取り組んで欲しいと思います。

3. その他

5年生は、上記の2点を中心に勉強することで、国試の実践実務対策になると思うので、この2点に力を注いでほしいのですが、もっと他に勉強したいと考えているのであれば、CBTの勉強をおすすめします。

6年生になったら、新しく青本を購入すると思うので、それまではCBTの勉強に使っていた教材で勉強を進めて、基礎力を身につけることができたらいいのではないかと思います。

また、就活の準備もできるのであれば、どんどん進めて、業界研究、企業研究、履歴書、面接、小論文、学科試験対策などを前もって進めることが大切だと思います。

最後に

5年生の実習は、みんな環境がそれぞれ異なるので、いろいろ大変なこともあると思いますが、実習での経験はとても貴重で、あの実習があったから、今の私になれた、今の職場に出会って病院薬剤師になれたのだとしみじみ実感しています。

国試の勉強もとても大切ですが、5年生の時期に薬局と病院で実習できることは、とても貴重な経験になると思うので、楽しんで欲しいなと思います。

今回も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

また次回もよろしくお願いいたします。






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