【薬剤師国家試験】各科目のポイント〜模試でAブロックを目指す〜
こんにちは。
今回は、各科目の勉強のポイントについて書いていきます。
この勉強方法は、270点以上を目指すというよりは、模試で安定してAブロックを取るための方法です。
Aブロックをとらなければ合格できないというわけではないので、目標を高めに設定して勉強することがとても大切なので、参考にしてほしいと思います。
私の成績推移については、以前書かせていただいたので下記のリンクからご覧いただけますと幸いです(模試のカルテも添付しています)。
1. 目標設定
まず、目標設定をします。
昨年の統一模試でAブロックを取るには、統一Ⅰ(約220点以上)、統一Ⅱ(約240点以上)、統一Ⅲ(約254点以上)が必要でした。
※点数の平均は母数が増えると変動して、特に統一Ⅲは、どんどん平均点が上がっていったので、最終的にこの点数(254点)でBブロックになりました。
下の表は、私の統一Ⅱの得点分布(257点)です。1つの例として参考にして頂ければと思います。
2. 各科目の勉強ポイント
①物理
物理は、頑張って勉強しても結果が出にくい科目のため、20問中12問前後を目標にして、足を引っ張らないようにしていました。
その中でも比較的点数がとりやすい分野は、青本①「1.4 放射線と放射能」「第2章 化学物質の分析」です。この範囲は、ほとんど暗記と過去問演習をして既出問題が解けるようになると、模試や国試で解けるようになります。
「放射線と放射能」については衛生でも出題されることがあるので、早めに対策してできるようにしておくと、点数源にすることができます。
②化学
化学も物理と同様、頑張っても結果が出にくい科目のため、20問中11問前後を目標にして、足を引っ張らないようにしていました。
問題を解くとき、やみくもに解くのではなく、解き方のプロセスを意識するようにして、簡単にまとめて、そのプロセスに従って解くようにすると解けるようになります。
また、わからない原因は語句の意味を説明できないことが大きな要因になっている場合があります。大変ですが、一つ一つ足を止めて、語句の確認をして、覚えなおすと案外簡単に問題が解けるようになります。
最低限、化学で点数を落とさないようにするには、暗記がとても大切になります。特に「代表的な複素環」はしっかり暗記するようにしましょう。
「生薬」も暗記をすれば点数がとれます。とても大変ですが、直前期にやろうと思っても大変なので、早くから手をつけるようにしましょう!
以前、生薬のまとめをアップしているのでこちらをよかったらご覧ください。
反応については、「基質」が何か注目して、アルデヒド・ケトンの場合は求核付加反応、カルボン酸の場合は求核置換反応というように見分けられるように、青問で練習しましょう。
また、「NMR」は解き方のポイントを押さえると得点源にしやすいです。
③生物
基礎科目(物理・化学・生物)の中で、生物は比較的点数がとりやすいです。また、生物ができるようになると、他の科目も伸びやすくなります。
生物は、暗記が多い科目のため、復習の頻度を上げることがとても大切になります。インプットとアウトプットの割合は1:2で、アウトプットを中心にして、問題集を反復して、自分の言葉で説明できるようにすると、どんどんできるようになります。
また、「アミノ酸やビタミン」は化学や衛生でも頻出のためしっかり構造と特徴を覚えて下さい。
ただ、「遺伝子操作・遺伝子工学」の範囲の実験問題は難易度が高いことが多いので、基本的な用語を覚える程度にして、飛ばしてしまうのも作戦のうちかなと思います。
④衛生
衛生は最後の最後まで伸ばすことができます。また、時事問題が多く出題されるので、衛生は予備校の講習(薬ゼミの場合:直前講座、やまかけ)を受講することをおすすめします。今年の国試にも、たくさん出題されていました。
衛生も生物と同じように、暗記量がとても多いので復習頻度を上げることがとても重要です。
衛生のまとめ(PDF)も2つあるので、下記リンクからご活用ください。
⑤薬理
薬理は、ほとんどの受験生ができる(106回:平均32/40)ので、しっかり勉強する必要があります。
薬理の作用機序は生物の知識がとても重要になるので、生物と一緒に勉強したり、実務との連問対策として、治療と一緒に勉強することをおすすめします。
薬理は単独で勉強するというよりは、他の科目と一緒に勉強して、知識を結び付けていくと、暗記だけに頼る必要がなくなり、ラクに安定して得点できるようになるので、時間がかかる勉強方法ですが、おすすめします。
また、気になる作用機序で青本でわかりにくい時は「薬がみえる」を活用することをおすすめします。
見たことのない薬剤が出てきたら、添付文書やインタビューフォームで確認するクセをつけると後々実践で役に立ちます。
脂質異常症の作用機序は、難易度が高いため深掘りする必要はありませんが、興味があったのでまとめました。
下記のPDFをご覧ください。
⑥薬剤
薬剤は近年、図が多く出題され、難化傾向にあります。でも、基本的に既出問題を理解して解けるようになれば問題はありません。
基本的な公式は書けるようにしておきましょう。(ストークス式、ノイエス・ホイットニー式、ニュートン式など)
青本⑥「第2章 製剤化のサイエンス(物理薬剤)」「製剤・DDS」は、図がイメージできるようになると比較的簡単に覚えることができて、得点源にすることができます。
問題は、薬物動態ですよね。これも基本的には、問題演習を積んで既出問題を解けるようになる必要があります。その時に重要になるのが、全体を俯瞰することです。今、どこの話をしているのか、頭の中でイメージしながら考えることがとても重要です。
計算問題も苦手な方が多いと思うのですが、これも解き方のプロセスを意識することや図を書くことがとても大切です。また、直前期に計算問題をやるのは時間がかかってしまうため、できるだけ早い時期から取りかかって、何度も問題を解いて、苦手を克服する必要があります。
薬剤のまとめも2つあるので良かったらご活用ください。
⑦治療
治療の考え方は、実践でとても重要になります。薬理とのつながりも重要になるので、一緒に勉強することをおすすめします。
また、「急性期と慢性期の治療法」「疾患の進行度による薬物治療の違い」などは、実践で重要な考え方になるので、整理しながら勉強を進める必要があります。
統計の勉強方法については、以前まとめたのでそちらを参考にして頂けると嬉しいです。まとめPDFもありますので、下記のリンクからご確認ください。
また、忘れたころにやってくる「疾患の分類」について、まとめたものがあるので良かったらご覧ください。
治療の第一選択薬については以下を参考にご覧ください。
⑧法規
法規は、比較的得点がとりやすい科目で、勉強すれば結果がついてくるありがたい科目です。
法規の解き方のポイントについて、下記の記事にPDFがあるので飛んでください。(noteをフォローして下さっている方に向けての特典にしていたのでツイッターで紹介していません。)
また、薬害についても、まとめがあるのでご活用ください。
⑨実務
実務の勉強方法についてですが、これは今から勉強する必要はありません。
実務は、各科目の総まとめというイメージを持ってほしいと思います。他の科目を勉強して身についてくると、自然にできるようになります。
ただ、実務特有の計算問題、消毒薬、輸液などは個別に勉強する必要があります。
次に課題になるのは、2日目18時まで集中力が保てるかだと思います。
これは普段から19時まで頭をフル回転させる訓練をする必要があります。
私の1日の勉強について、以前記事や質問箱で回答した時に、「19時まで勉強」としていた理由はここにあります。
この訓練をしたかいがあって、106回の国家試験でも、2日目を少し余力を残して終えることができました。
実務は2日目が勝負なので、集中力を保てるようにしましょう!
さらに実務で高得点を目指したい場合は、添付文書やインタビューフォームを使って、「警告や使用上の注意、副作用、相互作用」について注目して勉強を進めると、知識が広がります。
実務は最初のうちは伸び悩むかもしれませんが、他の科目との結びつきを意識して、冷静に問題文を読むと解けるようになるので、コツコツ勉強していきましょう。
下に、実践実務対策のまとめPDFの紹介記事がありますのでよかったらご覧ください。
最後に
模試や国試でも、上記のことをコツコツ勉強して積み重ねると、問題が解けるようになると思います。
答えを決め打ちできなくても、消去法で正解に導くことができます。
勉強し始めは焦りがあると思いますが、国試まで、まだ十分な時間があります。
少しずつ、着実に一歩一歩進めることができれば、合格できるはずなので、頑張ってください。
ここまで読んでいただきましてありがとうございました。
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