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2024年1月の記事一覧
僕たちの街の風景【1】
街が黄昏色に染まる頃には、街の誰もが1日の終わりを振り返りもせずに手放して行く。
君はそんな風な人たちをまるで最初から何も知らないかのように見向きもせず、寂しい瞳でただ黙って、立ち止まり通り過ぎて行く影たちだけをじっと見つめていた。
僕はそんな君を見つめていることが好きだった。どこかの店の窓から外を眺めては、君はたったひとりでその場に取り残されてしまったような顔をして僕に視線を投げる。
誰もが
僕たちの街の風景【2】
街の中の誰もが求めている本当の姿なんて、きっと僕たちの目には映らないものなんだろう。
それは多分、とても悲しい色をした風景でいつの間にか出来上がった沢山の色の中に紛れ込んで、誤魔化されてしまっているんだろうから。
ひとりひとりにひとつひとつの生きる術があって、すれ違うたびにその生き方の意味が混じり合って通り過ぎて行ってしまう。
心の中でずっと大切にしていた思いがあったとしても、それは多分僕たち
僕たちの街の風景【3】
何かの物事に対しての表の面があるとすれば、そこには必ず裏の面が存在しているはずだった。
街の風景がとても生き生きときらびやかに、誰もが目を奪われるような顔をしていたとしたって、もしかしたらその裏側ではとても哀しい風景を生み出しているのかもしれないし、それは誰も否定をすることは出来ない。
寂しい街だとしても、それが本当の姿だったなら。
それを僕たちは知らなくては大人にはなれない。
大人になると